子どもの個性と心の豊かさを育てるために、私が選んだテレビのない生活
パリからLAへ移住、EMIKOのティーンガール子育て
- 名前
- EMIKO
- 家族
- 16歳と14歳の女の子、フォトグラファーの夫と4人家族
- 所在地
- アメリカ・ロサンゼルス
- お仕事
- モデル、「nanamina」バイヤー、プライベートシェフ
- URL
- パリの子ども服「nanamina」
我が家にはテレビがありません。かれこれ20年くらいテレビのない生活をしています。子どもが生まれてから、DVD用のスクリーンとしてのテレビはパリ在住時代に持ちましたが、いまはそれもありません。
2000年にアメリカに越してきたとき、借りた家にテレビが残されていました。ふとつけた瞬間、騒音のような声と受け入れたくない空気が流れてきました。私はすぐにコンセントを抜き、大家さんが引き取りにくるまで、テレビの電源を入れることはありませんでした。
いま娘たちは、16歳と14歳。自分のコンピューターを持っているので、各自ネットなどで好きなものを見ています。彼女たちが、自分たちで選んで見ているものだから、内容についてはいちいち監視していません。テレビの怖いところは、自分の選択ではないという点です。見たくない映像や音、誰かが勝手に決めた情報が流れてきます。それを鵜呑みにしてしまったり、流れているだけで自然と洗脳されてしまう気がするんです。いまの世の中、テレビ局が提供する情報がすべて正しいとも限りませんし、ある程度知っておかなければならないニュースなどはネットで十分だと思います。
人の個性は、自分が選んだものから形成されています。持って生まれたものも もちろんあるけれど、成長する過程でどのような環境で育ったか、どんな"思想"(これは多分家族、友だちの影響が大きいと思います)を持っているかで、随分と変わってきます。私自身パリに移住してから、さまざまな人と関わり色々 な体験をして、いまの私になりました。
私はテレビ局に、娘たちの個性を作って欲しくないと思っています。"思想"も自らの体験から作られるものであってほしいから。部屋にいるときの静けさや、外から聞こえる音に耳を傾けるのも大切です。テレビから流れてくる音に慣れてしまうと、日常の大切な音に気がつきません。ひとりでいる時間は、静かに自分の声と向き合ったり、好きな音楽をかけたり、「自分で選んだ」貴重な時間を楽しむようにしてほしいものです。