オリンピックでスポーツに学んだ、子どもの生きる力を育てるヒント
「子どもの好き」が最大のモチベーション!な国際派子育て
- 名前
- 佐久間麗安 / Rena Sakuma
- 家族
- 4人 (11歳男の子と9歳女の子)
- 所在地
- 東京都
- お仕事
- Bright Choice編集長
- URL
- Rena Sakuma (@renanarena0513) Instagram
【「子どもの好き」が最大のモチベーション!な国際派子育て】
2021年の夏休み。肌を焼き付けられるような日差し、立っているだけで足元から身体をじりじりとグリルされるかのように熱されたアスファルト、ひとたび車のエンジンを切れば車中は地獄のような暑さに。
年々厳しさが増す猛暑を一身に感じながら、子どもたちとテニスの試合に明け暮れる日々です。
帰宅すると目にするオリンピックのメダル速報になんだか嬉しい気分に。柔道で阿部兄妹揃っての金メダル獲得にはじまり、スケートボード、水泳、体操、卓球、女子バスケにソフトボール、野球などでの快挙の数々には、日本のスポーツ界がもつ力強さや逞しさを感じましたよね。
そうして、翌日の試合に向けてエネルギーをもらって、一日猛暑にさらされて身体はぐったりしているけれど、と心は疲れることはないのだと、思い知るのです。
オリンピック選手たちにもらったのは、「生きる力」の欠片だったのかもしれません。4年に1度のスポーツの祭典から、何か子育てのヒントを学んだように感じています。
「子どもも親も、もっと素直でいいんじゃないか」、ということです。
スポーツというのは、どうしてこんなにも清々しいものなのでしょうか。
私たちが目にする素晴らしい戦績の数々は、ほんの表層部分。厳しいトレーニングの日々、怪我やスランプ、胸ぐらをかき回されるくらいの悔しい想い、成果を出すまで、長く険しい道のりだったに違いありません。
泥臭い努力を続けさせたのは、きっと、夢や希望を持ち続ける、羨ましいほどにまっすぐで素直な気持ちなのでしょう。
4年に1度というほんの一瞬の舞台で、最高のパフォーマンスを成し遂げたいと願う執念、自分自身と向き合い、自分を信じ続けることのできる"芯(心)"の強さを持てるのは、"素直でいられる力" があってこそ。
私たち人間は、厳しい社会の中で生きていけば、どこかで擦れてしまうもの。
そんな自分と対比するかのように、泥沼の中でも汚れることなく、むしろ自分の力で磨かれていくアスリートたちの人間力に、私たちはテレビの画面越しに羨望の眼差しを投げかけ、その見返りに勇気をもらうのでしょう。
中には、望ましい成果を出せなかった選手もいました。
「自分の弱さが出た」、決勝戦後のインタビューでそう答えた渡名喜風南選手の素直な言葉には、勝利を謳歌する選手とはまた違った、潔さを感じました。
「やるときにやる」、「結果を出す」
スポーツに限らず、人生にはそんな大事な局面が何度かやってきます。
子どもにとってはそれが、一年に一度の大舞台、自分の進路を左右する入学試験、どうしても勝ちたい試合だったりするかもしれません。どんな場面であっても、子どもの人格形成上大きな意味のあることに間違いありません。
そんな大切な局面で、親がまずしてあげられることは、自分でやると決めたことを尊重してあげること。親が認めてはじめて、子どもは自分に素直になれるのですから。
そうして初めて、子どもは「最後まであきらめない」「最後までやりきる」ことを体験します。
どんな結果だったとしても、自力で成し遂げた経験であれば、自分の弱さを認めた渡名選手のように、自分を受け入れて前進することができると思うのです。
我が家ではいま、子どもたちが大好きなテニスで勝ったり負けたり、笑ったり泣いたりの日々です。
厳しいスポーツの世界では当然のこと。私は、そんな子どもたちをまるっと認めてあげるしかない。
毎回勝ってほしいのが親心ですから、正直いって、簡単なことではありませんが・・。
反省も前進も、まずは素直に認めることから始まるのでしょう。
いま日本では、少子化の影響もあって、学校や教育事業者の競争が激化しています。それによって、中学受験にしても、音楽、スポーツにしても、様々な分野で教育の質が向上する一方で、図らずも子どもの囲い込みのような結果に陥り、結果、子どもが健全に育つ環境が失なわれているように、私には感じられてなりません。
子どもが何をするにしても、競争が激しいと感じませんか。
「まっすぐ素直に生きていれば、自分らしい道は必ず見えてくる。」
子育てに悩んだら、原点に戻ろう。
正解のない子育てのヒントを、スポーツから学んだ夏休みです。
〈佐久間麗安連載〉
「子どもの好き」が最大のモチベーション!な国際派子育て