子育て中も、ファッションで「自分らしさ」を味わうということ
「子どもの好き」が最大のモチベーション!な国際派子育て
- 名前
- 佐久間麗安 / Rena Sakuma
- 家族
- 4人 (11歳男の子と9歳女の子)
- 所在地
- 東京都
- お仕事
- Bright Choice編集長
- URL
- Rena Sakuma (@renanarena0513) Instagram
【「子どもの好き」が最大のモチベーション!な国際派子育て】
お受験シーズン真っ盛り。
ママもパパも子どもも皆、一様に真っ紺に身を染めて街中をいそいそと歩いている姿を目にするようになると、今年もまたその季節がやってきたと気付くのです。
お受験の身だしなみが少しでも乱れないように神経をとがらせながら歩く親子の背中から、緊張感がひしひしと伝わって、私も肩に力が入ってしまいそう。早く多くの子どもたちの進路が無事に決まって、街中に漂う緊張感がとけてくれることを願いながら、お受験ファッションだってもっと楽しめたらいいのにと思います。
どんなお母さんだって、子どもをもつ大きな楽しみの一つはファッションだったはず。
私がママになってファッションを本当に楽しめるようになったのは、娘が生まれてから。第2子が女の子であると分かってから、どんなお顔で、どんな個性の子が生まれるのかよりも、キュートなベビー服やグッズに目移りしたものです。
女の子だからって、あれこれ着せてみようとウキウキしていたのも束の間。
「おやっ!」
娘が生まれる前に用意した、こっくりとした原色に近い赤色のベビードレスは、瞳も髪もツヤっとした漆黒の娘には、どうにもこうにも似合わない。
また、おむつもパンツタイプになってセパレーツを着せたくなった頃に選んだスキニーパンツも、まったく似合わない。おなかぽっこり、少しむちっとした可愛さのある娘のチャームポイントは、スキニーでは魅せることができなかったのです。
そう、"似合う・似合わない"も、個性。以来、彼女のファッションで心掛けるのは、カラーもシルエットも、彼女らしいふんわり柔らかスタイル。可愛くてたまらない瞬間を、たくさん写メしたものです。
また、ファッションとは、「自分の好き」や「心地よさ」を肌で感じて、日常を自分らしく、気持ちよく過ごさせてくれるもの。娘が自分で着るものを選ぶようになると、
「今日はピンクじゃなくて、ブルーの気分」
「ポニーテールは、ピッタリひっつめて!」 (大人系ゆるポニーテールはお嫌いな娘です)など、
小さな子どもだからこそ、"その日の気分"にとっても素直。
また、あるとき、娘が一人遊びをしている際、興味本位で前髪をザックザクに切ってしまい、本人もさすがにまずいと思ったのか、ハサミを持って一人しくしくと泣いていたことがありました。結局、ベリーショートのぱっつん前髪にするしかなく、まるでサランラップのCMのおかっぱ姉妹のような髪型に(笑)。それが意外にも、彼女の少し張った大きなオデコをチャーミングに魅せてくれて、愛らしくて。
娘はインターナショナルスクールに通っていますが、翌朝ドキドキしながら登校すると、いつも校門で生徒たちを迎え入れてくれる校長先生に、
"Wow, I Love your new bangs! (その前髪、最高!)"
なんて大変に褒められて、娘もすっかりご機嫌になったものです。
そんなちょっとした後悔やおっちょこちょいも、自分のチャームポイントの引き出しに変えてしまうのも、ファッションの魔法といえるのでしょう。
ファッションにあるそんな醍醐味に、娘をもったからこそ気づかされたと思います。
一方で、ファッションに流行り廃りやTPOはつきもの。
「このシーンでは、これを着なくちゃ」なんて、
子育て中は特に、どうしても世間体を気にしなくてはならないことはあります。それでも、ファッションはあくまで自分軸。だからといって、自分の魅力を隠す必要はないのだと、思えるようになりました。
ファッションは、時代や世間の価値観など、社会や文化と通じているから、"自分と共鳴するタッチポイント" をうまく見つけることが大切なのでしょう。それができたら、本当のファッショニスタになれるのかもしれません。
真っ紺の受験シーズンが一瞬にして終わってしまうのは、それを「自分らしい」とか、「心地よい」と思う人は誰一人といない証拠でしょう。私が感じた緊張感の裏には、きっと想像を絶するほどにたくさんの我慢があるのだと思います。
そう、受験は戦争ですから、今は目をつむって紺色の兵隊になるしかない。子どもの進路が無事決まったら、もう他人の目を気にすることなく、好きなようにファッションを楽しんで、いいかえれば、"自分らしさを味わう権利"を取り戻してほしいと思います。
私もファッションを通して、自分らしさを感じられるときが一番楽しくて。そんなときは、日常にも、人生にも、とってもポジティブになれるから。
私は日本のお受験を経験したこともないのですが、毎日目にする親子たちに向けて、勝手ながらにエールを送る今日。
「お受験に奮闘する親子たち、あともうひと踏ん張り、頑張れ。」(心の声)
〈佐久間麗安連載〉
「子どもの好き」が最大のモチベーション!な国際派子育て