豊かな想像力とともに、子どもたちの成長を追いかける
海のある町でのびのびと暮らす、クリエイター夫婦の子育て
- 名前
- ヨシタケシンスケ & 吉竹祐子
- 家族
- 中2と小3の男の子をもつ、4人家族
- 所在地
- 神奈川県
- お仕事
- 絵本作家(夫)、クリエイター(妻)
- URL
- くりひょうたん。by吉竹祐子
息子たちの成長と共に、お友だちとの関わりにもいろいろな変化がつきものです。
長男は真面目で、口があまり達者でない方。口が達者なお友だちにいろいろ言われたら、悔しくてよく泣いていましたし、小さな頃は手が出ることもありました。それに比べて次男は、口が達者というわけではありませんが、サラリとかわせる力があり、手が出ることはほとんどありません。
子ども同士のもめ事は、彼らにとっての大切な経験だと思って、極力介入しないようにしていますが、本人たちから話を聞いたり、目の前で繰り広げられたりしていたら、どうしても気になってしまいます。そんな時、我が家では「想像してみる」ということを大切にしています。想像できる力があれば、嫌なことだけでなく、嬉しいと思うことも考えられると思うからです。
ある時、長男が「お母さん、この文章読んで」と、目を赤くしながら国語のテスト用紙を差し出してきました。「こんな文章問題出されたら、泣いちゃって問題が解けないよ!」と。読んでみると、主人公が自分の幼い頃の思い出として、お父さんと自転車の練習をしていたことを回想しながら書かれていたものでした。自分の経験とダブったのか?目を赤くしていました。すごい想像力だな......と感心したものです。また次男は、お友だちとのやりとりでよく、サッと引く瞬間があります。あとで本人に聞いてみたら「どうせこうなると思うから言わなかった」と言います。
「想像力は、記憶のことである」という言葉を聞いたことがあります。確かに、想像力を働かせるというのは、妄想とは違い、引き出しの中にある、自分の経験してきたストックと照らし合わせる作業になるのだと思います。息子たちには、この先もいろいろなことを経験しながら、たくさんのストックを自分の引き出しにしまい、多くの想像力を働かせられる大人に成長してほしいと思います。