ゲルに泊まって大草原で乗馬! 「モンゴル」子連れ旅行のすすめ
「モンゴル」子連れ旅行のすすめ
- 年齢
- 小学1年生と小学4年生
- Info
- 文/小嶋 美樹
- URL1
- Geru Travel Mongolia
- URL2
- Nomad Horse Camp Mongolia
【ブライトチョイスの海外旅行のすすめ】
「馬頭琴ってどんな音がするんだろうね?」
就寝前のベッドでの絵本タイム。ある日、モンゴルを舞台にした絵本「スーホの白い馬」を読み聞かせながら、我が家の10歳と7歳の息子たちにそんな話をしてみたのです。「馬頭琴の音色をたしかめに、モンゴルに行ってみない?」との提案に子どもたちもその気になったところで、今年の夏休みは家族旅行でモンゴルに行くことを決めました。
「なぜモンゴル?」とよく聞かれるのですが、理由は以下のようなところ。
・動物好きな息子たちが楽しめるように、動物が身近な国であること(しかも、できれば日本にはない環境のもと、普段とはちがう価値観を感じたい)
・息子たちは恐竜も大好き。モンゴル南部に広がるゴビ砂漠は、恐竜化石の宝庫だと聞いたので(おまけに私は無類の砂漠好き!)
・成田空港から直行便が出ており、フライト時間が5時間ほどと短い上に、時差が1時間と子連れの海外旅行先として快適
他にも、旅先を検討していたタイミングで、偶然にも友人家族のウランバートル赴任が決まり、現地で合流できるという心強さもあり、家族4人で9日間、モンゴルに子連れ旅行を決めたのです。
旅の前半は、ガイドさんと車を手配して南ゴビへ。
高低差が最大300mにもなる「ホンゴル砂丘」や、恐竜の卵が世界で初めて発見された「バヤンザグ」、真夏でも雪渓の残る「ヨリーンアム渓谷」などを回る3泊4日のプライベートツアーに参加。ゲルに泊まったり、砂漠でテント泊をしたりしながら、"地球を感じる"4日間を過ごしました。
ちなみに南ゴビへは、モンゴル旅行の拠点となる首都・ウランバートルから車で約8時間。国内線も飛んでいますが、便数や時間が限られているので、正直「ちょっと寄ってみるか」という距離感ではありません。ただ、それだけの苦労をしてでも「行ってよかった」と心から思っています。
見渡す限りの大草原と真っ青な空、砂漠の風紋、夕日が染める荒涼の大地、地平線からのぼってくる神秘的な月、羊の群れを追い馬で疾走する遊牧民の姿。
「モンゴルには何もないけれど、すべてがある」という言葉を聞いたことがあったのですが、その意味を、五感で受けとめた南ゴビでの日々でした。あの圧倒的な景色を、我が子と肩を並べて眺めた数日間は、私の一生の宝物です。
南ゴビから戻った後は、ウランバートル市内にある友人宅に泊めてもらいながら、市内観光をしたり、北東へ約50キロのところにある「テレルジ国立公園」に日帰り観光に行ったりして過ごしました。また、友人家族が週末に通っているという乗馬クラブにも足を運び、モンゴル式の乗馬指導を受けたのですが、これも最高の思い出に!
私たちが訪れた日は、強風吹き荒れる曇天だったのですが、悪天候もなんのその。最初は恐々だった私も子どもたちも、大草原のなかで人馬一体となり"風を切る"体験に、2時間の乗馬が終わるころにはすっかり馬とモンゴルの虜に。長男は「明日も明後日もやりたい。なんなら毎日通いたい」と言ってきかなかったほどです(笑)。
そんなこんなであっと言う間に過ぎていった、9日間のモンゴル子連れ旅。前述した理由に加え、治安の良さやモンゴルの人々の優しさ、物価の安さなども加わり、子どもを連れた海外旅行にはかなりおすすめの国だと思います。
ただし、水が貴重な国なので、郊外に出てしまうと、観光地や数時間に1度ある小さな町のカフェなどを除き、基本的に水洗トイレはありません。また、食事は羊肉料理がメイン。ウランバートル市内であれば食に困ることはありませんが、一歩郊外に出ると、多少の西洋料理と韓国料理、あとはほとんどがモンゴル式の羊肉料理です。「それは......」という家族にはおすすめできない現実も、伝えておきますね。
また、モンゴルは冬にはマイナス30度にもなるという厳しい気候ゆえに、ベストシーズンは限られているかもしれません。ただ、我が家では、「モンゴルの草原が真っ白に雪をかぶった景気も見てみたいね」なんて話も出ているくらい、子どもたちも含め、モンゴルが大好きに。「いつか再び」と再訪を誓っているのです。
余談ですが、9月にロシアのプーチン大統領がモンゴルを訪問したニュースが報じられた際には、息子たちから「戦争中のプーチン大統領が、なんでモンゴルに来たの?」と聞かれました。「百聞は一見にしかず」。我が子たちがこうして自分事のように思える国が世界中に増えたらいいな、と思いながら、私は今日も、次なる旅行先を探しているのでした。
《「南ゴビツアー」を申し込んだツアー会社》
Geru Travel Mongolia
代表のトゥルさんは、日米の大学に留学経験があり、日本語と英語が堪能。ツアー中にトゥルさんからモンゴルの歴史や人々の暮らし、現在抱えている問題点など、「モンゴルのリアルな現状」をたくさん聞けたことも、旅の大きな収穫です。
《乗馬クラブ》
Nomad Horse Camp Mongolia
モンゴルでよく見かける「観光引き馬」ではなく、本格的なモンゴル式の乗馬指導を受けられます。こちらの代表のムギーさんも日本の某有名大学に留学経験があり、日本語や英語が堪能です。