DP生の一日って? 授業は難しい? その疑問の一部にお答えします

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DP履修中の16歳が語る、国際バカロレア校のリアルな日常

名前
木村紗羅/Sara Kimura
所在地
パリ
お仕事
International School of Paris 学生
URL
International School of Paris

【DP履修中の16歳が語る、国際バカロレア校のリアルな日常】今回は、私の通っているインターナショナルスクールの国際バカロレアDPコースの日常についてお話ししたいと思います。

【通常時の時間割について】
DP生の一日は、選択科目によって異なります。私の典型的な一日は、週5日のうち4日が、朝9時に始まります。金曜日の1時間目は、私のスケジュールでは空きコマなので、最初の授業は10時30分からです。
月曜日から木曜日は、朝9時までに1時間目の授業の行われる教室に着席し、先生を待ちます。先生がいらっしゃると、出欠確認に1、2分ほど使い、その間に生徒は授業で使う資料をパソコンなどで開きます。1時限は45分間ですが、実際のところ、週1で行われるホームルーム以外は、すべて2時限=1時間半の授業で構成されています。
つまり9時から10時30分が最初の授業、そして15分間の休憩を挟んで、再び1時間半の授業。その後12時15分から13時15分までが昼休みです。
DP生にもなると外出も可能なので、帰宅して昼食をとる生徒や、他校の友だちと外出する生徒もいますが、多くの生徒が、模擬国連や語学クラブなどの部活・課外活動に昼休みを使っています。
13時15分からは、その日の3つ目の授業が始まり、15分の休憩を挟んで最後の1時間半の授業が始まります。

【とある一日の過ごし方】
2021年1月7日

1時限目:経済(応用クラス)
この日はインクラスエッセイのテストから始まりました。
このテストのための準備は、間接税、助成金、そして最低賃金の正しい説明を書けるようにし、それらがどのような目的で使われるかを覚え、実際世界で見られる例(リアルライフシチュエーション)は、どのようなものかを調べることでした。
制限時間は1時間。本番のテストでは45分しかないらしいのですが、練習なので1時間与えられました。9時に鐘が鳴るとすぐに先生がテストの説明をしてくださり、今回は3つの中からひとつ、助成金とその目的について書けと言われました。
私が助成金のために覚えたリアルライフシチュエーションは、インドのハイブリッド車とイギリスの太陽光パネルに関してだったので、それらの目的と結果、具体的なデータや重要な日にち、つまりリサーチを通して学んだことをすべて合わせ、1時間でエッセイを書き上げました。
もちろんメモなどの持ち込みは禁止なので、自分の覚えている限りのものしか書けませんでしたし、1時間は思っていたよりも早く過ぎてしまい、エッセイの結論が疎かになってしまいましたが、それでも手応えのあるテストでした。
テストが終わった後の20分ほどは、次のトピック、市場メカニズムとサステイナブルエコノミーについての軽い説明を受けました。私が大学などでも学びたいと思っているトピックなので、短い授業でしたが、とても面白かったです。

2時限目:美術(一般クラス)
授業が始まるなり、私が過去4ヶ月で作ってきた4つの作品についてのプレゼンテーションを10分ほど行いました。まさか私の番がやってくるとは思っていなかったので、その場で内容を考えて話しました。
このような課題が、国際バカロレア生の即興力を磨くのでしょう。
プレゼンテーションの直後に先生から「これから言う私のコメント、なんだと思う?」と不意に聞かれました。先生曰く、私は作品の説明文を長くしてしまう傾向があるらしく、それをいつも指摘されるので、「説明文を短くしろ、とかですか...?」と聞きました。すると先生はニヤりと笑い、「分かっているじゃない」と言われてしまいました。
さらに、先生が他のクラスメイトからの意見も求めたので、それらをもとに、作品の説明文を少し書き換えました。
授業の後半は、美術においてのリアリズムについて説明を受け、それらのアイデアを、単語、画像、スケッチなどの形でノートに描き上げました。

3時間目:生物学(応用クラス)

赤身肉と大豆のタンパク質の濃度を調べる実験をグループで行いました。赤身肉よりも大豆の方がタンパク質の濃度が高いと知り、ヴィーガンとしてはとても嬉しかったです。
また、google sheetsを使って、データで出た数値の平均や標準偏差を簡単に求める機能を学び、実験結果の理由、そしてなぜそのデータが100%正確だと言い切れないかをクラスで話し合いました。
これこそが前回の記事で話したクリティカル・シンキングを伸ばす授業の一例です。

4時間目:日本文学(応用クラス)

この日最後の授業は、日本文学の応用クラス。
韻文の分析方法を新しく学び、来週までに小熊秀雄の詩の分析を原稿用紙4枚ほどに書いてくるよう、課題を出されました。小論文の提出は毎週のことなのですが、今まで分析してきたのは、随筆や物語などで、韻文とは違うものだったので、少し心配になりました。
しかし先生が、繰り返し分析を行うことでしか文章力は身につかないといつもおっしゃるので、今回は自分の思うように書き、コメントと成績が返ってきたら、それをもとに、より良い文を書こうと思いました。

【ハードなスケジュールを乗り切るコツ】
DPにおいてのタイムマネージメントは、MYPよりも一段と大変です。
そのために私が行っている対策は、課題を渡されたその日に、課題のドキュメントを作るなり、タイトルを考えるなりすること。
その理由は、国際バカロレアの課題のほとんどが、よく考えねばならない問題をもとにしているからです。MYPの経験を経て、私が実践していることなのですが、例えば毎日10分間と決めて、何日間か時間をかけて取り組んだほうが、国際バカロレアの課題は上出来なものが提出できるのです。

【冬休みに取り組んだこと】
冬休みには、日本のヴィーガン学生と新しいプラットフォーム、veducate japan https://www.instagram.com/veducate_japan/ を立ち上げました。ヴィーガンライフを楽しみたい方の道標になるようなアカウントを目指して、約2週間の間にたくさんのミーティングを行い、12月25日のクリスマスに最初の投稿をしました。
また、文科省が学生とともに立ち上げた「せかい部」のバーチャルクリスマスパーティで、フランスのクリスマスの風習について、400名ほどの参加者の前でプレゼンテーションを行いました。
フランス人や在仏の日本人の友だち、合わせて6人での合同発表は好評で、さらにたくさんの学生さんと話すことができたので、とても楽しかったです。

<連載概要> 「国際バカロレアの日々の学び」を実際の学習現場からお伝えする、木村紗羅さんの体験日記はこちらより
DP履修中の16歳が語る、国際バカロレア校のリアルな日常

       
  • 中身の濃い経済の応用クラス

  • プレゼンテーション形式の美術クラス

  • 冬休みに立ち上げた新プラットフォーム

          
  • #せかい部 by.文科省のバーチャルパーティ

   
  • インクラスエッセイのテストの後は、次のトピックに向けての概要を先生が説明。ノートはもちろん、ホワイトボードやパソコンを駆使して理解を深めていきます。

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  • この日のクラスは、いきなり私がプレゼンテーションを行う立場に。実際に作品を作るだけでなく、発表し、クラスメートや先生に批評していただくことで、テーマや自身の課題をより深く掘り下げられるのです。

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  • ヴィーガンライフに興味のある若い世代に向けたプラットフォーム、veducate japan。地球にも動物にも優しいヴィーガンのライフスタイルを広めていきたいです。

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  • 海外に興味のある高校生を対象に文科省が立ち上げた#せかい部は、高校生の高校生によるソーシャル部活動。そのバーチャルクリスマスパーティで、フランスにおけるクリスマスの過ごし方などについて友人たちとプレゼンテーションを行いました。

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