マルバーン・カレッジ東京:広大なキャンパスで育む「Everyday Excellence」

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マルバーン・カレッジ東京校長インタビュー

名前
マルバーン・カレッジ東京
所在地
東京都小平市上水南町3-2-1
Info
文/秋山藍乃
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学校ホームページ
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国際バカロレア体験ワークショップ
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オンライン学校説明会
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キャンパスツアー

2023年8月に開校したマルバーン・カレッジ東京(MCT)は、初年度の生徒数約180名から現在約400名近くにまで成長し、目覚ましい軌跡を辿っています。この急速な拡大の裏側には、単なる教育施設の提供を超えた、英国の教育理念と国際バカロレア(IB)が見事に調和したマルバーンの深い哲学があります。
いま、多くの日本人保護者が関心を寄せているのは、生徒一人ひとりのウェルビーイングを重視した、イギリス固有のハウスシステムやパストラルケアの仕組みです。マカラム校長が語る「Everyday Excellence」は、生徒だけでなく、在校生のご家族をも一体とした、極めて強固で協力的な学校コミュニティを築き上げています。
MCTの教育哲学は、「Uniqueness (個性的なところ)」や「Idiosyncrasies (特異性)」をも大歓迎し、生徒固有の可能性を花開かせる探求学習に根差しています。この「日本文化への敬愛心」に根差した個性重視の在り方こそが、子どもたちが国際社会で活躍するための豊かな土壌になっているのです。
今回、ブライトチョイスでは、マカラム校長にインタビュー。開校後2年間の軌跡をたどりながら、編集長の佐久間が、保護者目線でMCTの比類ない魅力に迫ります。


【急成長の秘密と「在校生家族とのパートナーシップ」】

佐久間:開校からわずか3年足らずで、生徒数が約180名から400名近くにまで倍増したという事実に、まず驚かされました。この急成長の中で、コミュニティの緊密さを維持できている秘密は何でしょうか。

校長:秘訣は、何よりも保護者コミュニティの力にあります。私たちは「フレンズ・オブ・マルバーン」という保護者組織を持っていますが、彼らの貢献は信じられないほどです。彼らは単に学校行事を手伝うだけでなく、アイデアの発案者となってくれるのです。

佐久間:例えば、どのような活動をされているのですか。

校長:象徴的なのが「ブックフェスティバル」です。保護者の発案による年次イベントとして開催され、昨年は世界中から6名の受賞作家を招きました。また、この開会式には、日本の皇室から高円宮承子女王殿下にご臨席いただくという、学術的な卓越性を示す素晴らしい機会となりました。これらはすべて、コミュニティの熱意なしには実現できません。

佐久間:コミュニティが一体となって学校の文化を創り上げているのですね。

校長:まさにその通りです。そして、これは私たちの教育哲学である「Everyday Excellence」に深く結びついています。このExcellenceは、単なるスローガンではありません。それはイングリッシュプログラム、バスサービス、清掃員の働き方、そして私の仕事に至るまで、学校が行うあらゆることに浸透しています。

佐久間:そのExcellenceの哲学は、保護者への配慮にも及ぶと伺っています。

校長:ええ。私の仕事の大きな部分を占めるのは、「保護者の皆様と連携を図ること」です。保護者は毎日「最も大切なもの」、つまりお子様を私たちに預けてくださっています。このパートナーシップが強固であればあるほど、子どもたちにより良い機会が提供できるという信念があります。例えば、子どもが毎日口にする「給食」は、保護者にとって最も高い関心事の一つなんですよね。ですから、私は保護者を招いて子どもたちと同じランチを一緒に食べる機会を設け、率直なフィードバックを得ることを大切にしています。保護者が大切にされていると感じることで、教師と保護者のパートナーシップがより強固になるのです。

佐久間:そのアプローチは、東京のインターナショナルスクールの中でも非常に珍しいですね。保護者目線で見ると、非常に心強いです。

校長:食に関する対話は教育にも深く関わります。私のお気に入りの場所でもある「Grub(食堂)」では、学年の異なる生徒がハウスごとにファミリースタイルで食事をします。年長者が給仕する縦の繋がりが、責任感と思いやりの心を育みます。エチケットと会話を大切にするこの時間は、自然な友情の輪を超えて交流を広げる特別な機会です。

佐久間:実際にマルバーン・カレッジ東京を訪問した際、まさにその「Grub(食堂)」で親しみやすい雰囲気を肌で感じました。

校長:私たちは日本文化への深い敬意を持っています。精密で完璧であろうとする日本の仕事への深い配慮は、「Everyday Excellence」の教育哲学との親和性も高く、本当に素晴らしいものです。例えば、日本のキッチンチームや清掃スタッフは、細部にわたるExellenceを追求しており、私たちはこの日本の価値観を最大限に活用し、学校運営の隅々にまで浸透させているのです。


【東京で実現した「贅沢なバランス」と日英文化の融合】

佐久間:MCTのキャンパスは、東京の小平市にあり、都心ではありえないほどの広大な敷地と施設を誇ります。この立地が、教育環境にどのような利点をもたらしているのでしょうか。

校長:私たちのキャンパスは、まさに教育的な「ハブ」である興味深い地域に位置しています。立地の最大の利点は、都市と自然の両側面に簡単にアクセスできるという、「贅沢なバランス」です。

佐久間:都会の利便性と自然の豊かさ、両方ですね。

校長:ええ。少し行けば新宿のような都会ですが、反対方向に進めば高尾山や御岳山といった豊かな自然環境が広がっています。この環境のおかげで、私たちは都心では叶わない広大な人工芝のスポーツフィールドを備えた巨大で美しいキャンパスを実現することができました。生徒たちは、この最高の設備でホリスティック教育を受けることができるのです。

佐久間:その立地は、探求学習にも活かされていると伺いました。

校長:まさにそうです。私たちは英国の学校ですが、「日本に根ざす」ことを重視しています。生徒たちは、地元の山や神社を訪れるエクスペディション(探検旅行)を通じて、日本の歴史や文化を肌で学んでいます。飛行機で海外旅行に行くのは簡単ですが、私たちは四国や屋久島といった日本国内を旅することで、子どもたちがこの国における自分たちのアイデンティティを確立することを大切にしています。グローバル教育とは、まず自分たちの足元にある土地を知ることから始まります。


【英国式IB一貫教育が導く「知識の拡張」】

佐久間:MCTのアカデミックの柱は、英国式の教育基盤と国際バカロレア(IB)の融合です。PYP、MYPから将来的にIB DP導入を目指すこのプログラムが、他の東京のインターナショナルスクールとの差別化ポイントになるのはなぜでしょうか。

校長:マルバーンとIBのつながりは非常に明確です。IBが目指すのは、反復や暗記といった学習を超え、はるかに豊かで深い多角的思考へと生徒たちを導くこと。私たちは、英国式の厳格に基礎学力を構築する学びと、IBの教科横断的な学びを融合させています。

佐久間:そのIBのプロセスは、生徒の進路を切り開く上で、どのようなユニークなメリットをもたらすのでしょうか。

校長:私たちは、英語力、日本語力、数学的計算能力といった基礎知識の徹底を決して妥協しません。その上で、IBの哲学に基づく教科横断的な学習を通じて、生徒が異なる領域のアイデアを結びつけ、処理する能力を重視しています。教師の仕事は、その確固たる土台となる知識を与えた上で、子どもたちが自分自身の力でそれを超え、拡張する機会を提供することです。IBのスキルを使い、教師が予期しなかった創造的な方法で学びを応用する。この自律的な「知識の拡張力」こそが、生徒たちが将来、多様な分野で最も輝ける道を見つけるための決定的な強みになるのです。

佐久間:IBが目指す「暗記を超えた学習」を実現するために、生徒に最も必要だとお考えのスキルは何でしょうか。

校長:私は「グリット(やり抜く力)」だと考えます。私たちの教育は、生徒に常に知識の限界を超えて挑戦し、リスクを恐れないことを求めます。失敗を恐れて「安易な道」を選ぶのではなく、何度でも立ち上がって学習を深める精神力が必要です。私たちは、生徒に「あなたなら成し遂げられる」という信念を植え付け、その挑戦を心から祝福します。

佐久間:日本には「出る杭は打たれる」という言葉がありますが、MCTではその逆なのですね。

校長:その通りです。子どもたちが自分のユニークな才能や情熱(例えば、クラシックギターやアイススケートなど)を見つけたとき、私たちはそれをコミュニティ全体で心から祝福し、応援します。彼らの個性が受け入れられ、歓迎される環境こそが、素晴らしい才能を育む土台になるんです。


【全人的ケアの中心「ハウス・システム」・「パストラルケア」と卒業生への願い】

佐久間:生徒のウェルビーイングを重視したイギリスならではの「ハウスシステム」と「パストラルケア」については、まだ日本人の保護者に広く知られていないように感じられます。通学制のMCTで、このハウスシステムはどのように機能し、生徒たちの心の成長を支えているのでしょうか。

校長:ハウスシステムは、全日制の学校に採用するからこそ、生徒たちに総合的な教育を提供する上での基礎となるのです。

佐久間:具体的には、どのような仕組みなのでしょうか。

校長:MCTには6つのハウスがあり、生徒は年齢に関係なくハウスに所属します 。このシステムは生徒にアイデンティティと帰属意識を与えます。そして、年長の生徒が年少の生徒の世話をする家族のような縦のつながり(vertical through line)をつくります。これは、異なる背景や国籍の生徒たちを互いに触れ合わせるため、人々の間のつながりを育む点で非常にIB的であると言えます。

佐久間:ハウスシステムが、教室の外での協調性や共感性を育んでいるのですね。

校長:ええ。チームスピリット、良好な人間関係の構築と強化、そして何よりも心の安全性、つまりパストラルケアを実現するための重要な手段です。

佐久間:最後に、卒業生に最も望むことは何でしょうか。

校長:まずは何よりも、「幸せになってほしい」ということです。ただ、単純に「楽をする」という意味ではありませんよ。自分を豊かにするものを追求するための「不屈の精神」を持つことから生まれる幸せです。今の時代は、情熱をもって「これが好きだ」と言える想いがあれば、どのようなキャリアも築けると確信しています。それは、医師や弁護士でなくてもよいのです。私自身、経済学部で学びましたが、多くの人が憧れるような投資銀行やコンサルティングではなく、教育者としてのキャリアを選びました。今は、子どもたちの成長に日々触れられるこの仕事を心から楽しんでいます。

佐久間:好きなことを追求する「選択の自由」ですね。

校長:ええ。卒業生には、大人になって、住宅ローンや請求書といった困難に直面しても、情熱を失わず、退屈せず、本当に愛する活動を続けることを望んでいます。MCTで培った「グリット」と「信念」を胸に、自分に正直な道を選ぶ勇気を持ってほしいのです。


マカラム校長のお話を通して、マルバーン・カレッジ東京が、単なる高度な学術機関ではなく、「生徒一人ひとりが自分らしい人生を設計する場所」であることが印象的でした。都心の制約を超えた広大なキャンパスが育む心身の健やかさ、IBプログラムを通じて将来を自由に選べる教育プロセス、そして何よりも「グリット」と「信念」を心から応援するハウスシステムという温かいコミュニティ。この「Everyday Excellence」の哲学は、生徒たちを「大志」と「自分らしい幸せ」へと導く羅針盤となるでしょう。ここでは、グローバルな世界で、他人に流されることなく、自立した幸せな大人になるための道筋が見つかるかもしれません。


マルバーン・カレッジ東京イベントのご案内
国際バカロレア体験ワークショップ:The "Art" of Inquiry Workshop
日時:2026/1/17(土) 10:30-12:00
会場:Malvern College Tokyo Campus​​​​
概要:保護者向けセッション / 5〜16歳児対象セッション
The 'Art' of Inquiry Workshop に申し込む

学校説明会:オンライン・マルバーン・ミート
日時:2026/1/28(水)18:00-19:00
開催方法:ZOOM
マルバーン・ミート (説明会)に申し込む

School Tour:学期中の毎週金曜AM開催】
英語 10:00-11:30 / 日本語 11:00- 12:30
School Tourに申し込む 

       
  • コミュニティの熱意

  • 日本に根ざす探求

  • 伝統文化の融合

          
  • 未来を拓くサイエンス

  • 才能が開花する舞台芸術

  • 縦割りの繋がり「ハウス」

  • 保護者組織「フレンズ・オブ・マルバーン」によるブックフェスティバル。コミュニティが一体となり、生徒の学びに必要な環境と情熱を創り出す、パートナーシップの証です

  • 北海道や屋久島といった日本各地への校外学習(Malvern Expeditions)を通じて、レジリエンスとチームワークを育成。国際教育とは、この土地の文化を尊重し学ぶことだと体感します。

  • Sakura Culture Festivalでの日英茶文化体験。英国の伝統と日本文化を尊重するMCTの姿勢は、生徒にエチケットや異文化への意識、そして自信を育みます。

  • 最新設備を整えたサイエンスラボでの授業風景。STEMやデザインの教室では、3Dプリンタも活用し、生徒たちがクリエイティブで実践的な課題解決力を育んでいます。

  • ホリスティック教育の柱の一つである舞台芸術。生徒たちは照明からセットデザイン、公演まで全てを担い、年に4回の大規模な作品を上演。最高の才能を開花させます。

  • ハウス制でのファミリー形式の昼食風景。年齢に関係なく交流することで、強い帰属意識とチームスピリット、そしてパストラルケアの基礎となる共感性を育みます。