都会の親子に「サードプレイス」を。あそびで広がる親子の時間

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ボーネルンドが示す「あそび」と「学び」の真価

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ボーネルンドショップ六本木ヒルズ店
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取材・文/秋山藍乃
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ボーネルンドオフィシャルサイト

港区・六本木ヒルズ。多くの外国人が居住し、多様な文化が交差するこの国際都市に、ボーネルンドの新たな「本店」が誕生しました。リニューアルを経て新設された「親子ラウンジ」は、単なる休憩スペースではなく、現代の都会の子育てが抱える「孤立」や「時間のゆとり」という課題に対する、一つの大きな答えとなっています。
今回は、前編で株式会社ボーネルンド コンシューマー事業本部長の橋本さんにリニューアルに込めた願いを、後編でEnglish STEAMクラスを担当するテニー先生に「あそび」を通じた子どもの成長と学びの真価について、じっくりとお話を伺いました。

【前編:都会の親子に「サードプレイス」を。あそびで広がる親子の時間】

----昨年10月のリニューアル以来、六本木ヒルズ店は「本店」として新たなスタートを切られました。コンセプトに掲げられている「都会で子育てをする親子の居場所」について、どのようなニーズを感じていらっしゃいますか?

橋本さん: 都市部では共働きの親御さんが非常に多く、お子さんが放課後に一人で過ごす時間が増えています。親御さん自身も、利便性の高い街に住みながら、実は育児において「孤立」を感じていらっしゃるケースが少なくありません。
そこで私たちは、ここを自宅でも学校でもない「第3の居場所(サードプレイス)」にしたいと考えました。実はこの親子ラウンジ、9歳(小学4年生)以上であればお子さんだけでも利用できるんです。新たな子育てコミュニティの場として、「親子のための、開かれた安心できる場所」であることを大切にしています。

----「親子ラウンジ」は、実際にどのような使われ方をされているのでしょうか。

橋本さん: 非常に面白いのが、お父様とお子様での利用がとても多いことです。お母様がお買い物を楽しんでいる間、ここを「待ち合わせ場所」にして、お父様とお子様が一緒に遊んで待っている。そんな光景が日常的に見られます。「ここに来れば遊び道具が揃っているから、外出時にわざわざおもちゃを持ち歩かなくて済む」というお声や、「少し騒いでも、周りの目を気にしすぎずに親子で向き合えるのがありがたい」といったお声をたくさんいただいています。

----店舗のデザインも、以前の重厚な雰囲気からガラリと変わりましたね。

橋本さん: はい、新たなコンセプトに挑戦しました。これまでは2008年のオープン以来重厚感ある作りでしたが、今回は「明るく、誰でも入りやすい店」を目指しました。

象徴的なのは天井に描かれた「虹」です。これはシールではなく、職人さんが大阪から来て手描きしてくれたものなんですよ。以前あった高い棚をすべて取り払ったことで、空間全体が広がり、ライトも増やして明るさを強調しました。床のデザインは、画家マティスの『マティスの猫』という作品からインスピレーションを得た、色彩豊かなものにしています。
窓ガラスも増やし、外から中が自由に覗けるようにしました。通りがかりの方が「何をやっているんだろう?」と足を止めてくださる。そんなオープンさが、新しいコミュニケーションを生んでいます。

----親子ラウンジでは、テニー先生の英語教室や、岩崎先生の国語レッスンなど、非常にユニークなプログラムが実施されていますね。

橋本さん: 私たちのプログラムは、一般的な「お勉強」とは全く違います。テニー先生の『ENGLISH LAB』では、先生が前に立ってリピートさせるようなことはしません。実験や工作という「遊び」に夢中になっているうちに、気づいたら英語を使っている......という「English through STEAM」のスタイルです。
お子さんの「もっとやってみたい!」という探究心を、テニー先生が魔法のように引き出してくれるんです。授業が終わった後、お子さんが目を輝かせて「今日はこんなことをしたんだよ!」と親御さんに一生懸命報告する姿。その瞬間、親子の間に新しい対話が生まれます。

----「あそび」と「言葉」は、切っても切れない関係にあるのですね。

橋本さん: はい。
現在、日本には35万人もの不登校のお子さんがいます。これは先進国でも類を見ない数で、私たちはこの社会課題に正面から向き合うべきだと考えて「プレイキューブ」にフリースクールを開講しました。
プレイキューブには、決まった時間割がありません。プレイリーダーと「今日は何をしようか」と相談することから一日が始まります。学校で「グレーゾーン」とレッテルを貼られてしまった子が、ここでは驚くほど言葉を発し、生き生きと遊び始める。お子さん自身が「ここなら毎日行きたい」と親御さんを説得して入会することもあるんです。
遊びの中で、自分の思いを伝え、友達の反応を見ながら社会性を育んでいく。遊びこそが、何にも代えがたい最高の学びであると、子供たちの姿が証明してくれています。

----「親子ニューロサイエンス(脳波測定)」という科学的なアプローチも導入されています。これにはどのような意図があるのでしょうか。

橋本さん: 親子の「考え方のズレ」によるストレス、つまり「ミスマッチ」を解消していただくためです。例えば、親御さんが「計画通りに進めたい前頭葉タイプ」で、お子さんが「直感で動きたい後頭葉タイプ」だとします。すると親御さんは、マニュアル通りに遊ばないお子さんを見て「どうしてできないの?」と不安になってしまう。
でも、脳波でその特性が可視化されると、「この子はインスピレーションを大切にするタイプなんだ」と納得できます。すると、「マニュアルを押し付けるのではなく、この子の発想を褒めて伸ばそう」と、明日からの接し方がガラリと変わるんです。

----都会で忙しく子育てをされている親御さんと接する中で、特に意識して伝えていることはありますか?

橋本さん: よく接客をしていると、「料理をしている間に、子どもが一人で集中して遊んでくれるものはありませんか?」と聞かれることがあります。そのお気持ちは痛いほど分かります。仕事や家事もありますし、ずっとあそびに付き合うのは難しいですよね。それに子ども自身も、一人で集中して遊びたい時や、自分のペースでチャレンジしたい時があります。だからこそ、「子どもが主体的に遊べるあそび道具」と、「見守れる距離感」が大切だと考えています。
例えば、積み木を一つ渡しても、子供は投げて終わってしまうかもしれません。でも、実は、「投げたら音がする」「ママが拾ってくれる」といった反応そのものを楽しんでいることも多いんです。ちょっと困ってしまう時期でもありますが、親御さんが隣で一緒に積んであげて、それが「ガシャン!」と崩れる瞬間を一緒に笑い合う。その数分間の共有が、お子さんにとってはかけがえのない経験になります。
特に今はAIが発達し、何でも即座に答えが出る時代です。でも、リアルな遊びには正解がありません。試行錯誤して、失敗して、「次はこうしてみよう」と考える。この、効率とは真逆にある「まわり道」のような時間こそが、人間ならではの知恵や社会性を育むんです。

----最後に、このラウンジを利用される親御さんたちへメッセージをお願いします。

橋本さん: 私たちは、この場所をきっかけに、親子の対話が一つでも増えることを願っています。プログラムに参加した帰り道、あるいはラウンジで一緒に遊んだ後、「楽しかったね」「次はあんなことをしてみたいね」と話し合える時間。それは、お子さんが成長してしまった後では取り戻せない、今だけの宝物です。
都会で子育てをしていると、つい「ちゃんとしなきゃ」と息苦しくなることもあるかもしれません。でも、ここでは肩の力を抜いて、お子さんと一緒に「あそび」に夢中になってみてください。
商品を買っていただかなくても構いません。ここで体験した「楽しかった!」という記憶を持ち帰っていただければ、それが私たちの使命である「子どもの健全な成長」に必ず繋がっていくと信じています。六本木ヒルズに来たら、ぜひ気軽に窓を覗いてみてください。いつでも皆さんの「第3の居場所」として、ここでお待ちしています。


ボーネルンド六本木ヒルズ店「親子ラウンジ」
営業時間:11:00~19:00(最終入場 18:00) ※特別プログラム実施時は利用時間が異なる場合があります。

利用料金:
基本(大人1人+子ども1人):1,650円 / 60分(ワンドリンク付き)
延長:880円 / 30分
追加1人あたり:880円 / 60分(延長 440円 / 30分) ※1歳未満のお子様は追加料金無料。

お子様のみの利用:
9歳〜15歳のお子様に限り、お一人での利用が可能です(1,650円 / 60分)。

貸切プラン:
お誕生日会や集まりに、ラウンジを貸切でご利用いただけます。
料金:33,000円(2時間・定員20名まで)
利用可能日:木・土・日曜日

【特別プログラム・イベント例】
親子ラウンジでは、専門家やプロ講師による多彩なプログラムを定期開催しています。
Ms.テニーのENGLISH LAB:STEAMをテーマに、あそびを通して探究心と英語を育む体験。
ちか先生の実は楽しい国語の時間:物語作りなどを通じて、言葉の豊かさと想像力を広げる授業。
親子ニューロサイエンス:脳波測定に基づき、親子の個性の違いを知り、より良い関わり方を見つけるワークショップ。
赤ちゃんとPLAY TIME / ボブルス エクササイズ:0歳からの発達に合わせたあそびや、親子でリラックスできる運動体験。
はじめてのお誕生日会:1歳を迎えるお子様の成長を祝う、六本木ヒルズ店限定の特別な記念イベント。

※各プログラムの詳細やご予約は、公式サイトをご確認ください。

       
  • 「親子ラウンジ」の人気クラス

  • 日本脳波トレーニング協会の共同プログラム

  • 貸し切りイベントも!

          
  • 大阪「プレイキューブ」

  • 人気の抱きぬいぐるみ「バンパス」

  • テニー先生の『ENGLISH LAB』では、実験や工作を通して英語をツールとして使います。ちか先生の『実は楽しい国語の時間』では、物語作りなどを通じ教科書で学ぶだけでない言葉の楽しさを学びます。遊びの延長で自然に「言葉」と触れ合える、特別な学びの場です。

  • 「親子ニューロサイエンス」は、脳波測定を通じて親子の「考え方の特性」を可視化する革新的なプログラム。自分と我が子の脳タイプの違いを知ることで、知らずに起きていた「親子のミスマッチ」を解消。子どもの個性を再発見するきっかけにもつながります。

  • 親子ラウンジは、貸切利用ができるレンタルスペースとしても活用可能。お誕生日会や季節のイベントなど、プライベートな集まりに最適。ボーネルンドのあそび道具に囲まれた特別な空間で、周囲を気にせず親子でゆっくりと、思い出に残るひとときを過ごすことができます。

  • 不登校という社会課題に対し、ボーネルンドが大阪で運営するフリースクール。決まった時間割はなく、プレイリーダーと「今日は何をしようか」と相談することから一日が始まります。「あそび」を通じて、学校で葛藤を抱える子も自ら通いたくなるほど意欲的に。遊びこそが最高の学びであることを証明しています。

  • 「バンパス」は、子どもの心に寄り添い、安心感を与えてくれる抱きぬいぐるみ。適度な重みが、まるで抱きしめられているような感覚を生み出し、不安な気持ちを落ち着かせてくれます。長めのアームで肩に掛けたり、ハグをしたり。あそびを通じて情緒を安定させ、自己調整力を育むサポートをします。