学校に行かない教育法とは?アメリカのホームスクーリング最新事情を解説

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アメリカで注目のホームスクーリング

所在地
アメリカ

現在、アメリカの3%前後の子どもが、既存の学校には通わず、家庭学習=ホームスクーリングを選択していると言われています。アメリカでは、ホームスクーリングが全ての州で正式に認められていて、いわゆる"普通の学校"からははみ出した子どもの受け皿、という認識ではなくなっているのです。型にはまらない教育を目指す家庭や、ギフテッド(先天的に突出した様々な能力・才能を持っている人)と認定された子どもの選択肢として着実に存在感を増していて、ホームスクーリングを選ぶ家庭はこの20年間で倍増。「親が家で教えるなんて、絶対無理!」というのが普通の反応かもしれませんが、ひとりひとりに合わせたカリキュラムを組んで学ぶことができるホームスクーリングが、子どもの個性や感性を輝かせるのは、自明でもあります。ホームスクーリングの卒業生の学力は既存の学校の卒業生より高いというデータもあり、個性の伸張や教育の多様性に注目する親の選択肢となっています。次回記事では、シリコンバレーホームスクーリングを実践する家庭の様子をお伝えします。

〈連載概要〉シリコンバレーのホームスクーリング事情
1. 学校に行かない教育法とは?アメリカのホームスクーリング最新事情を解説(本記事)
2. シリコンバレーのホームスクーリング事情:子どもを伸ばす「解き放つ力」

       
  • ホームスクーリングを選ぶ家庭は少しずつ増加

  • 学校のレベルに満足できない家庭もホームスクーリングを選択

  • 既存の学校の“ムダ”も省ける

          
  • アメリカではサポート体制が充実

  • ホームスクーラーが孤立しないシステム

  • シリコンバレーでホームスクーリングを実践するロベルトくん一家

  • 海外で徐々に増えており、アメリカでは3%前後(注1)の子どもが選択しているホームスクーリング。「学校に馴染めない子ども」「旅行家の親に同伴する子ども」といったケースが注目されがちでしたが、教育の多様性に注目する家庭が「ホームスクーラー」として家庭学習を選んでいます。

  • アメリカの親がホームスクーリングを選ぶ理由は「既存の学校環境への不安」が最多。続いて「学校のレベルに満足できない」「宗教上の理由」と続きます。先天的に優れた頭脳をもつ「ギフテッド」も、ホームスクーラーには多くいます。

  • 知能は高いけれど、集団生活になじめない/馴染む気がない子ども。ある教科だけが飛び抜けて出来る子どもーー。既存の学校では多くのムダな時間ができてしまうタイプの子どもでも、ホームスクーリングなら自由なカリキュラムで“強み”や感性をとことん伸ばすことができます。

  • とはいえ「親が勉強をみるなんて100%無理」というのが普通の感覚かもしれません。でも、アメリカには、オンライン授業や教材を提供してくれるホームスクーリングのサポート機関がたくさんあります。カリキュラムの構成と監督は親の役目ですが、授業をイチから全て作る必要はありません。

  • ホームスクーリングを始める際は、カリキュラムなどを州に届け、認定を受けます。カリフォルニア州では、ホームスクーリングを選んだ家庭をカウンセラーが訪問してくれますし、必ずどこかのコミュニティに属することになるため、学校に行かなくても子どもが孤立する心配はありません。

  • 昨今、簡単に口にされる「子どもの個性を伸ばす」という言葉を、本当の意味で実践するホームスクーリング。もちろん、親の一方は外で働くことができないなど、犠牲もあります。次の記事では、シリコンバレーでホームスクーリングをするロベルトくんファミリーの実情をお伝えします。