アートで広がる子どもの未来!音楽教育が子どもたちにもたらす効果とは?
カリフォルニアの音楽学校に通う日本人ファミリー
- 名前
- 野田瑞希
- 家族
- 4人家族(12歳と7歳の女の子)
- 所在地
- カリフォルニア州オレンジカウンティ
- お仕事
- バイオリン講師
- URL
- 長女奏さんインスタグラム
海外エリートの間では、すでに常識の「STEAM教育」。Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Mathematics(数学)の4つに「Arts」(アート)を加えた最先端の教育理念で、現在は理数科目の効果をも高める"アート教育"に注目が集まっています。今回は、アートの中でも「音楽」が子どもたちにもたらす効果を、カリフォルニアで音楽講師を務める野田瑞希さんに伺いました。
お母さまがピアノの先生という瑞希さん。自身と同じく、長女の奏(かなで)さんにも3歳からピアノを習わせています。そして、夫の転勤に伴って移住したカリフォルニアで、奏さんが入学したのがOPUS119という音楽学校です。現在12歳の奏さんは、アメリカ南西部のジュニアコンクールで2位に入賞、ニューヨークのカーネギーホールで演奏したこともある実力の持ち主に。
奏さんの自宅での練習時間は、ピアノが1日3時間、8歳から始めたフルートが1時間半。もちろん学校でもレッスン、週末にはもっともっと練習します。にもかかわらず、彼女の将来の夢は......なんと、獣医さん! これほどの練習をこなす奏さんですが、教養科目の成績も良いのです。実際、OPUS119の卒業生は、ハーバードやスタンフォードなどの最上位大学に進む生徒も多いとか。音楽学習のメリットを、瑞希さんはこう語ります。
「音楽教育は、未来のミュージシャンのためだけのものではありません、記号(楽譜)を読み解き、音を聞き、テンポを安定させ、道具を操るーー音楽ではこれらを全て同時に行うのため、脳への理想的な刺激になります。また、音楽は毎日の練習が必須なので持続力と自主性が身につきますし、記憶力も強化されます。そして、演奏会は緊張感をコントロールするレッスンになり、強いメンタルが育ちます。何より、自分を表現する"媒体"を持っていることは、子どもの自信に繋がるんです」
また、アメリカの大学の選考基準には専攻以外の課外活動も含まれるため、アートの実績は理系学部の入学にも有利に働きます。
「アメリカの大学では専攻を2つ取る『ダブルメジャー』も一般的。たとえ芸術家を目指していなくても、アートを本格的に学び続ける生徒は多いんです。奏の目標は、大学で生物学と音楽を学んだ後に、鳥類研究の権威であるコーネル大学に進むこと。もちろん、練習と勉強の両立は本当に大変ですが、好奇心と情熱を糧に、夢をかなえてほしいと願っています」