国際バカロレア、DPコースで、日本語で日本文学の教養を身につける

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DP履修生が語る、国際バカロレア校のリアルな日常

名前
木村紗羅/Sara Kimura
所在地
パリ
お仕事
International School of Paris 学生
URL
International School of Paris

DP履修生が語る、国際バカロレア校のリアルな日常

3月23日(火)国際バカロレア校で学ぶ、日本文学の授業

パリの現地校や日本人学校が候補にあったにも関わらず、フランスに来て国際バカロレア校に通うことにしたいちばんの理由として挙げられるのは、国際バカロレア教育を通して、グローバルなコミュニケーション力に磨きをかけたいという思いがあったからでした。でも、進学の決断をした頃は、まさか国際バカロレア校で、日本語の教養を身につけられるとは思ってもいませんでした。

パリに来る前、中学生の頃に住んでいたロンドンでは、1年ほど日本語の塾に補修校の代わりで通っていました。
国語の授業の課題で出された内容は「何十字以内で説明をしなさい」といったものが多く、表現力を磨き、日本語で物事について深く考える力を身につけるというよりは、日本の高校受験対策のようなものでした。
長期的、いやそれ以上に、一生涯心に残るものとは、短期間で点数アップを目指して積み上げた学力では作れないのかもしれないと思い、結局塾は辞めました。過去に解いた問題を久しぶりに見返したときにそう実感したのです。
それに比べると、国際バカロレアの日本文学の授業で私が学べている内容は、課外活動など、学校外でミーティングをするときや、日本の家族と世間話をするときにも使える実践的なものです。

毎週火曜日に作品内容の分析を行うと決まっている今日の授業では、カフカの『変身』をクラス全体で話し合いながら読み進めました。主人公が昆虫に変身してからの出来事を描いているこの作品は、元々ドイツ語で書かれたものですが、日本語の授業なので日本語訳を読んでいます。
ディスカッションの内容としては、「本作品において変身したのは本当に主人公・グレゴールなのか? むしろ変わったのは家族ではないのか?」など、IO(Internal Oral: 口頭試験)のヒントとなるものが大半を占めています。

国際バカロレアの外国語クラス(私の場合は日本文学)を受ける場合、必ずIO(Internal Oral: 口頭試験)の点数が、最終成績の一部を占めます。その対策の準備として、課題図書を読んでいる最中に、先生はその作品で使えるIOのトピックを提案してくれます。
IOで必須なのは、グローバルイシュー=世界共通の普遍的なテーマと繋げることです。例えば、『変身』においての家族の概念となると、現代の核家族化との比較なども考えられます。
リサーチするグローバルな問題と作品の内容を繋げ、それを最終的に口頭試験でスピーチのように披露し、スピーチ後の試験官の質問に答えるというプロセスは、社会についての学びが多く、確実に教養が得られると思います。

<連載概要> 「国際バカロレアの日々の学び」を実際の学習現場からお伝えする、木村紗羅さんの体験日記はこちらより
DP履修生が語る、国際バカロレア校のリアルな日常

       
  • 日本語訳や日本語原文で読む課題図書

  • 日本文学クラスのノートは、基本日本語で

  • 日本の学生とオンラインで繋がる

          
  • 日本文学クラスの同級生たち

   
  • 今、クラスで取り組んでいる作品は、フランツ・カフカの『変身』。日本文学のクラスですが、必ずしも日本人作家だけを取り上げるのではありません。ディスカッションでは、人種や時代を超えて共有される問題を掘り下げるからです。

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  • 授業で取り上げられたカズオ・イシグロ、安部公房、松尾芭蕉など、それぞれの作品の内容についてのメモや時代背景などを日本語でまとめて。この作業も実践的な日本語能力を磨く力になっていると思います。

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  • 昨年参加した文科省主催のオンラインイベントなど、日本の同世代の学生と繋がる機会も多いです。最近では、自分の考えを、論理的にわかりやすく日本語で伝えられるようになってきたなと実感できます。

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  • 日本文学クラスの同級生は、2年前まで漢字も書けなかったのに努力して読み書きをマスターした子や、日本で教育を受けたネイティブだけど、国際バカロレアでの授業とのギャップを感じて苦戦しつつも頑張っている子など、さまざまな背景を持っています。

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