国際バカロレアDP2年生、初めてのIA週間での学びを振り返って

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DP履修生が語る、国際バカロレア校のリアルな日常

名前
木村紗羅/Sara Kimura
所在地
パリ
お仕事
International School of Paris 学生
URL
International School of Paris

【DP履修生が語る、国際バカロレア校のリアルな日常】

9月最終週

9月最終週は、国際バカロレア">国際バカロレアのDP2年生となって、初めてのIA週間でした。IA週間とは通常の授業の代わりに1週間、IA=Internal Assessmentのみに取り組む期間のことです。
※ IA=Internal Assessmentとは、学校内の教師によって行われる「内部評価」です。国際バカロレアのディプロマプログラムでは、この内部評価とDP最終試験という外部評価(External Assessment)を併用して学習評価が実施されます。

私の学校では、今回は数学と科学のIAに磨きをかけられるよう、1週間のスケジュールが組まれました。私は生物学を選択しているので、学校のラボで実験を行い、先生に相談しながらデータ解析を進めました。

私のトピックは塩分濃度とイースト菌の発酵の関係について。6時間かけて5つの異なる濃度の塩水をそれぞれ5回ずつイースト菌と合わせ、二酸化炭素濃度を比較しました。IAのトピックは自分自身の興味=Personal Engagementと繋げられるものであることが大切です。私は、世界で最も廃棄されている食品であるパンに使われるイースト菌を理解することによって、フードロス削減に繋がるかもしれないという説明を添えました。

数学のIAに関しては、夏休み前から散々悩んで思いついたトピックを先生に提案。最初は数学的理論とうまく繋げられていないから、改良しない限り却下だと言われました。ですが3名の数学の先生からの助言をもとに細部を変えたところ、最終的には、うまくPersonal Engagementもできている良いトピックだとGOサインをもらえました。

トピックは、弟用のおにぎりケースの生産費を、最安値で抑えられる寸法を数学的に求めること。最終的にはその新しく改良したおにぎりケースを3Dプリンターで作るつもりです。

生物のIAに関しては、限られた時間内で実験を行うのは初めてだったので、データ採取がうまくいかなかった時は、とても焦りました。ですが、その時はためらわずに先生に助けを求め、冷静に考え直したら、良い結果になったと感じています。

初めてのIA週間を振り返ってみて、サイエンスの実験は特に、どの段階でもとりあえず写真で証拠を残すことが大切だと実感しました。後でデータ解析中に、唯一後悔したのはこの点です。

あとはインターネットで検索すると出てくる、高得点のIA例を参考に、自分の下書きと照らし合わせて改良していけば、実りの多いIAが書けると思います。


<連載概要> 「国際バカロレアの日々の学び」を実際の学習現場からお伝えする、木村紗羅さんの体験日記はこちらより
DP履修生が語る、国際バカロレア校のリアルな日常

       
  • サイエンスのラボで実験

  • 数学のIAでは、おにぎりケースをトピックに

  • ハードな1週間を支え合った友人たち

          
  • 塩分濃度とイースト菌の発酵の関係を調べるための実験装置を用意しました。塩分濃度を5回変えて、それぞれイースト菌と混ぜた時の二酸化炭素濃度を比較するという内容です。

  • 小学生の弟が使うおにぎりケースを低コストで生産するための寸法を数学的に求めるというトピックを提案。無駄のない寸法で作ることで使用する素材量を最小限に、生産コストも下げられるだけでなく、フードロス削減にも繋がるのではないかと思いました。

  • 毎回書いていますが、ハードなDP生活において、友人の存在は何よりも心強いものです。一緒に勉強したり、教え合ったりすることで、大変な勉強も楽しく、そして学びも深められると思います。