ホリスティックな視点で見る、岸紅子さんの子育てと自分の愛し方(前編)
岸紅子さんのホリスティック子育て
- 名前
- 岸紅子
- お仕事
- NPO法人 日本ホリスティックビューティ協会 代表理事、美容家、環境省アンバサダー
- URL1
- kishibeniko@Instagram
- URL2
- NPO法人日本ホリスティックビューティ協会
【岸紅子さんのホリスティック子育て】
NPO法人日本ホリスティックビューティ協会の代表理事であり、美容家・環境省アンバサダーとしても活動する岸紅子さん。1児の母として子育てをする中で知り得たこと、感じたこと、学んだことが、今の岸さんを作っています。食べるもの、触れるもの、吸い込む空気。そのすべてが命の循環の一部であり、私たちは大自然や地球という包括的な森羅万象に包まれて生きていることを感じずにはいられません。岸さんが考えるコロナ禍での子育て、子どもとの触れ合い方、そしてママ達のこれからなどを聞きました。
(こちらは、前編です)
_________________________________
Bright Choice:
岸さんは、2018年に『親子のハッピーチョイス!』という本を上梓されていますが、本に記されている言葉は、パンデミックのいまだからこそ私たち子育て世代に響くものばかりです。
ーー本当にこのパンデミックで、私たちは右往左往させられてきましたよね。当初から、見極めをしっかりせねばと思い注視していました。本にも書きましたが、我が家では子どものアレルギーもあってインフルエンザの予防接種さえ打つことができないので、コロナ禍で改めて「自己免疫」の大事さを強く思いました。自分たちの免疫力を下げないことがベストな道だなと思い、心がけるようにしてきました。
Bright Choice:
除菌スプレーやマスクが常用化することに、やや不安も覚えますよね。こんな時だからこそ、子どもの生活で私たちが意識しなくてはならないことって、どんなことだと思いますか?
ーー私たちは動物として、除菌をしないと日常生活を送れない、といういことはないんですよね。でも今、社会生活をしていくなかでは、マスクを要求されるしお店に入ればアルコールスプレーをかけられてしまう。その瞬間、手にいた大切な常在菌も大部分は消え去ってしまうんですね。本来だったら、常在菌たちが私たちの身体にバリアを張ってくれているのですが、やっぱりいまの世の中は進んで除菌をやらざるを得ないのが現実です。この状況が続くと逆に免疫力を低下させたり、耐性菌を作ってしまうのではないかと懸念しています。除菌社会な今こそ、意識して発酵食を食べたり自然に触れたりして「菌活」することが必要だと思います。大切なことは、菌と共生をしていくこと。自分の味方になってくれる菌に、うまいこと身体をガードしてもらおう、というこということなんです。
Bright Choice:
娘さんがいらっしゃいますが、コロナ禍での学校のことや、家族の暮らしについて大変だったことはありますか?
ーー娘はいま、13歳で中学1年生です。このコロナ禍は、ちょうど進学のタイミングでした。実はコロナに入る直前まで、ニュージーランドの移住を考えて準備をしていたんです。現地の学校も決めていたのに、この先行き来が簡単にできなくなってしまうと判断し、急遽日本国内での進学に切り替えたことが、2年前の大きな決断でしたね。このまま東京で暮らすのか、どこへ進学するのか、何度も家族で話し合いました。結論としては、娘は中学受験をしました。ある大学の付属中学校1択で、それが本人の強い希望だったんです。同時に、いつか畑ができるような自分たちの土地が欲しい、半自給自足できるような生活がしたいとも考えていたので、山梨にもうひとつの生活拠点を持ったんです。
Bright Choice:
それはすごい決断でしたね。つまり今は、山梨と東京との二拠点生活ということですか?
ーー山梨では、畑をやったりサウナに入ったりしています。空気も水も違うから、呼吸もしやすくて。土いじりをしていたら、あっという間に時間も経ってしまうし、結構忙しいんですよ。学校や習い事が休みの時は、娘も一緒になって畑をやってくれています。
Bright Choice:
娘さんも、岸さんの考え方を理解しているのですね。娘さんはアレルギー体質で大変な苦労されたようですね。
ーーはい、本にも書きましたが、食べ物から予防接種、スキンケア、考え方までひとつひとつの選択が手探りで、二人三脚でアレルギー体質に向き合って直してきたというところがあります。その過程で互いの絆が強くなったし、お互いに学びがありました。
Bright Choice:
母と娘を結びつけるものって、小さい頃からの積み重ねが大事なのですね。
ーー娘とは、ひとりの人間として、子どもだけれども一個人として付き合って行こうと意識的にやってきました。まだ小さいときは、理解しているかどうかは分からないけれど、いつも「ナゼそうするのか」をきちんと説明してきたつもりです。「ママはこうだからこうしたとか、ママはこう思うんだけどあなたはどう思う?」など、親が説明責任を果たしたり、意見を聞くことは、彼女とのコミュニケーションで大事にしてきたことです。だから今、娘自身のことは、ほとんどすべて彼女が決めています。進学も、習い事も。何を食べたいかも。
Bright Choice:
岸さんが小さい頃から、娘さんときちんと対話を重ねてきたからこそ、コロナ禍の不安定な時でもお嬢さんが自分で進学先を決めることができたのかもしれませんね。中学受験はどこかで親の競走になりがちですから。
ーー私は娘に対して、いつ自分が死んでもいいようにしたいなって思っています。親の役割というのは、自立させてあげることだと考えているんです。もちろんお世話はするんですけど、基本的には子は天からお預かりしたものと思うようにしていて、成人したら社会にお戻しするものと思っているんです。チューしたりギュッて抱きしめたり、暖かいコミュニケーションはもちろん取るし、まともなご飯はたべさせるんですけど基本的には別人格で、本人の魂が望む生き方を自立してできればいいと思っています。
Bright Choice:
そのご飯の選び方も、しっかり対話されていそうですね。
ーー食べ物のトラブルがすごく多かった子だから。その都度お互いに対話して学んでいった感じです。「小麦はかゆくなるからしばらくお米にしておこうか」とか、「野菜食べないと、なんかウンチでないね」とか。小さい頃から自分の身体と向き合ったから、食事に関しては子どもの方が、意識が高いように思います。学校のお弁当も、5年生くらいから自分で作っています。オニギリ弁当の日もあれば、サラダボウルを持って行くこともあります。今はバレエに夢中になっていて、週6でレッスンに通っているくらいですから、身体のことも自分で考えているようです。そのまま放っておいても、3食コンビニ弁当とか絶対にしないと思うから、そういう意味では安心ですね。
Bright Choice:
毎日のようにバレエとは、すごいエネルギーですね。夢中になれることは幸せですが、親はどこまで付き合ってあげたらいいかと、考えてしまうことはありませんか。
ーー娘は、赤ちゃんの頃からバレエダンサーになりたいって夢がありました。10代の今は本当に、彼女は青春を生きてるなと思って眩しく見ています。世間目線で考えると、日本人でどこまで行けるのかとか、体格などの条件や言語の問題、可能性ばかりを考えてしまいがちですが、本来は、夢中になれるその時間こそが"幸せ"なんですよね。私は「Life is Time」だと思っているんです。肉体と五感を与えられて、いまこうして地球上にいるその時間こそが人生。情熱をもって、五感フル回転で充実した時間を過ごせていること自体が、幸せそのものなんじゃないかなって思います。
ーーー後半につづきますーーー
〈関連記事〉岸紅子さんのホリスティック子育て
ホリスティックな視点で見る、岸紅子さんの子育てと自分の愛し方(前編)〈本記事〉
ホリスティックな視点で見る、岸紅子さんの子育てと自分の愛し方(後編)