40代のいまだからこそ! 新ブランド立ち上げに込めた本当の思いとは

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子育てとボランティア活動のグッドバランス

名前
田丸麻紀 / Maki Tamaru
家族
4人(夫、9歳と5歳の男の子)
所在地
東京都
お仕事
俳優、モデル
Info
取材・文/須賀美季 
URL1
田丸麻紀(@tamarumaki)Instagram
URL2
Adé

田丸麻紀さん、ボランティアのある生活②】

トレードマークのショートヘアと、天真爛漫な笑顔が印象的な俳優の田丸麻紀さん。私生活では、9歳と5歳になるふたりの男の子のママとして奮闘しながら、子育てを楽しむ姿が印象的です。ファッション誌のカバーを飾るトップモデルとしても活躍し続ける田丸さんが、長年にわたり公にすることなく力を入れ、いまやライフスタイルの一部となっているのがボランティア活動でした。田丸さんはいま、どのような思いでボランティアに取り組むのか、さらに子育てや自分らしい生き方について、インタビューしました。


(こちらは、第2回目の記事です。第1回目はこちらから。)


Bright Choice
この4月に、ご自身のブランド「Adé」の立ち上げがありましたね。ファッションだけでなく、食器やフレグランスなどライフスタイル全般にわたって素敵なものがラインナップしています。この新しいブランドは、どのようなコンセプトで生まれたのですか。

――そうですね、若かりし頃だと作れなかったテイストのブランドだなと、自分でも思います。なぜかというと、かわいいことを目指して、ファッションでもちょっと無理することができる年頃とは違って、40歳半ばのいまは、本当に必要なもの便利なもの、現実的なものの中から、さらに日常を豊かに楽しく、ご機嫌にできるようなものを集めていこうという思考に変わったからです。もの選びができるいまだから、作る理由があったブランドかなというふうに思います。

そして、「Adé」の立ち上げは、実はちょっと順番が違うんですね。もともと何か自分のブランドを作ろうということで始めたのではなく、慈善団体やボランティア活動に対して、お金を生むサポートができる仕組みを作りたいと思ったことが、そもそものスタートだったんです。


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田丸さんの根っこには、本当に「助け合い」の精神が根付いているのですね。

――いまの私ができることは、もしかしたらもの作りをすることなのかもしれないと、ある時思いました。そして、そのことに賛同してくださる方が私の作った物を買ってくださることで、また別の人が幸せになれる可能性がある。そうやって、幸せの輪が広がっていくかもしれない! と感じて、「Adé」というブランドが生まれたんです。


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事業を始めるということは、ひとつの企業の代表としてさまざまなことを回していかなくてはいけないという、これまでのモデルや女優の活動とはまた違ったご苦労があったのではないですか。

――もう、毎日大変です! 15歳からモデルやタレントなどの仕事しかしてこなかったので、その時とまったく違う頭脳をフル回転で使っています(笑)。関わる人もやはりガラッと変わりますし、いままでとはまったく違う環境に身を置いてると、毎日感じています。もっと早くに始めておけばよかったのでしょうけれど、逆にもっと若い自分ではこなせなかったかなとも思うので、これ以上遅くなるよりは、よいしょと重い腰を上げてスタートできてよかったなと思っています。


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なぜ、タイミング的に"いま"だったんでしょう。

――下の息子もまだ4歳なので、決して日常にゆとりのあるような状況ではないんです。でもやはり、この数年のコロナ禍という時間の中のさまざまな葛藤から出した自分なりの答えと、コロナの明けたいま、というのは、私にとってすごく大きかったと思います。


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誰かのためになるブランドということで、現在「Adé」は、「Make-A-Wish」という団体の活動を支援しているそうですね。病気の子どもたちの夢をかなえるというこの団体に絞って支援することは、最初から決められていたのですか。

――まず、芸能活動を主とする私個人が、ある特定のボランティア活動や慈善団体を支援することは、正直、賛否両論いろんな声があるんです。ですので、芸能事務所の多くが実は公なボランティア活動を認めていなくて、私もこれまでは自分自身を表に出さずに活動をしていました。海外ではボランティア活動を全面に出されて活動されている方は多いし、社会にきちんと受皿もあるのに対して、日本においてはまだまだ難しいのが現実だったりします。でも、このタイミングで所属事務所との話し合いもあり、きちんと理解を得てもらって、堂々と参加させてもらえることとなりました。

Make-A-Wish」を選んだのも、正しい団体をスクリーニングできるエージェントを通じて、実際に活動団体の方々とお話させていただいだき、私自身がすごくマッチしたということで、選ばせていただいたんです。


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ボランティア団体や慈善団体が、正しいものであるかどうかをスクリーニングするエージェントが存在するんですね。

――そうなんです。ボランティア団体って、ものすごくたくさん存在するじゃないですか。でもそれがきちんとした団体かどうかは、判断が難しいですよね。企業がボランティア活動をするときは、数ある団体をスクリーニングするエージェントを活用するんです。自分たちの会社ができること、手伝えること、そして考え方が見合うような団体をあげていただき、最終的には面接という形で直接お話させていただきます。このように、正しい団体をスクリーニングできるというは、誰かを助けたいと思っている一般の方々にとっても大切なことだなと感じました。


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Make-A-Wish」は、具体的にどのような活動をされている団体なのですか。

――アメリカで立ち上がった団体なのですが、難病指定を受けていたり、末期の病を抱えているような子どもたちの、夢(ウィッシュ)をかなえるという活動をしています。アメリカで、警察官になりたかった難病の男の子の夢を実現するため、多くの大人たちが動き、ある州で少年が本当に警察官として認定されたという出来事から、立ち上がった団体なんです。

Adé」では、「Make-A-Wish」 の取り組みから、いま1人の女の子のウィッシュをかなえるサポ ートをしています。その夢実現のためのサポート活動が私たちの直近の目標かなと思っています。 他には、 「Make-A-Wish」 の活動を広める広報的な活動や、チャリティのMCなどにも参加しています。


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子どもって、夢や憧れる力がすごく強いですよね。それを感じる瞬間もありますか。

――例えば「AIMS」で出会う子どもたちが、「今日ここに来たのは自分のためじゃなくて、お父さんの時間をとってあげてほしいからなんだ」と耳にしたり、「Make-A-Wish」でも子どもたちの口から語られる夢が本当に素直で、やっぱり大人のようにいろんなものをまとってないので、その素直さが力強さに通じていると感じることが多いですね。大人では動かせられない強いエネルギーを、子どもたちは持っているなと感じます。


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ご自身のボランティア活動において、今後新たに注力していきたいことはありますか。

――私は日本に暮らし、日本人としてここに存在しているので、日本という国の何かになれるような活動については、今後もアンテナを立てて見つけていきたいなと思っています。「AIMS」や「Make-A-Wish」など、いまは子どもたちをサポートするボランティア活動を主にしていますが、45歳の私がこれから歳を重ねて、60歳70歳になった時、もしかしたら同世代のサポートをしたいと思う気もしますし、そのときの自分がどういうことを思っているのかなっていうのは、いまから興味があるところです。


(田丸麻紀さんのインタビューは、第3回に続きます。)


〈連載概要〉
田丸麻紀さん、ボランティアのある生活

第1回:ボランティア活動は、ごく自然にある「助け合い」という気持ち
第2回:40代のいまだからこそ! 新ブランド立ち上げに込めた本当の思いとは(本記事)
第3回:子育ては、小さな幸せと感謝の連続。笑顔あふれる毎日の作り方

       
  • 「Adé」

  • Make-A-Wish

  • Make-A-Wish

          
  • 田丸麻紀さんが出がける「Adé」の商品は、オンラインから購入可能。日常をさりげなく豊かにしてくれるようなテーブウエアから、アクセサリ、キャンドルフレグランスなどがラインナップ。

  • 3歳から18歳の、夢に立ち向かう難病を抱えた子どもたちをサポートする団体が「Make-A-Wish」。彼らが思い描く夢をかなえることで、生きる力や病気と戦う勇気を持ってほしいと1980年にアメリカで設立されました。当時、設立のきっかけとなったのが、少年の「警察官になりたい」というひとつの夢でした。

  • 「Make-A-Wish Japan」がサポートした松尾夢華さん。活発だった彼女は、15歳の時に骨肉腫を患いました。左足を切断した後、高校3年生の時に癌は肺に転移し、余命宣告を受けました。「赤いドレスを着てミッキーと写真が撮りたい」という彼女の夢が実現され、家族に囲まれた幸せの時間となりました。それは、18歳でこの世を去った夢華さんにとって、かけがえのない時間だったはずです。