子どもの気持ちに寄り添う大切さを夜のオムツ卒業で気付かされて

モデル小泉里子が綴る、ポルトガルでの家族時間
- 名前
- 小泉里子/Satoko Koizumi
- 家族
- 3人(夫、4歳の男の子)
- 所在地
- ポルトガル
- お仕事
- モデル
- URL
- 小泉里子/Satoko Koizumi
- URL1
- SATOKO KOIZUMI 小泉里子
【モデル小泉里子が綴る、ポルトガルでの家族時間】
ポルトガルは年度末です。
5月6月は何かと学校イベントが多い月。もう少しばらつきを持たせてくれないかと思うくらい、ドカッとやってきます。
去年の9月から始まったEarly Year 3も4月まではなんのイベントもなかったのに、5月に入り遠足が2週間のうちに2度もあったり、6月は学校のお休みとポルトガルの祝日も重なって休みも多いし、年度末のクラス発表会や、大忙しなInternational Day、来年度に向けての書類提出や面談もあったりと、とにかくせわしない。
そんな6月真っ只中、少し前からですが朝起きるとオムツが濡れなくなった息子。たまーに濡れたりもしてたから、1週間おねしょがなかったら、パンツで寝てみようねと話してて、ついにその日がやってきました。
初めての夜、「今日はパンツで寝る!」と本人もなんだか嬉しそうで、パンツを誇らしげに履いて寝ました。
夜中に2回ほどトイレで起きるので、朝はパンツもシーツも綺麗なまま。今のところ1度も失敗なく順調にオムツ離れできていると思った矢先、トイレで起きる時に夜泣きをするようになってしまいました。最初は怖い夢でも見たかなと思ったんですが、毎日のように続くので、きっとおねしょへのプレッシャーなのかと思いました。
いろいろ調べてみると、オムツが取れたことでの心理的プレッシャーがあるとのことで、そのため眠りが浅くなったりストレスがかかったりするのと、また4歳児は心や身体が大きく発達する時期なので、その節目に夜泣きが出る子もいるとのことでした。
そこである日の朝、この日もおねしょをしなかったことを褒めつつも、「でもたまにはおねしょしちゃってもいいんだよ」と話してみました。そしたら「え!失敗してもいいの?」と返答した息子に、ハッと気付かされました。
今まで何事にも、「できるようになろうね」と当たり前のように伝えていたこと。できた時にやたらと褒めすぎたこと。それが成長という喜びだと思っていたし、何事も早くできるようになることが良いと思ってた自分に気付きました。
まったく見えていなかったのは「息子の気持ち」。
できたことだけを褒めることで、失敗しないようにと自然とプレッシャーになっていたんだなと思います。そう思ったら他にもいろんな場面で彼の気持ちを抑え込んでいたようにも感じました。
友だちと遊んでいる時に、おもちゃなどを上手にシェアできなかったら「シェアしないとダメだよ」とか、もちろんシェアすることを教えるのも必要なことだけど、息子のその時の気持ちを聞いてあげることも大切だなと。シェアしなかった時の気持ち。きっと何か理由があると思う。なんとなくシェアしたくない時だってあると思うし、逆にその気持ちをシェアすることで私も息子をもっと理解できるようになるし、息子も自分の気持ちを口に出すことで自分自身の思いがより分かるようになるのかなと思います。
交通ルールやマナーなど、これはこうと教えることもありますが、友だちと遊んでいる時や人と接する時は、もう少し彼の気持ちに寄り添うことをしてみようと思いました。
「こうするんだよ」と教えることで、息子は自分の気持ちを優先するよりも親を喜ばそうとか、怒られないようにするためだけの行動になっているんじゃないかなと。それは本来、私がしたい子育てとはまったく違うことをしてきたような気がして、反省しました。
「おねしょしてもいいんだよ」と言った日から、初めての失敗がありました。その朝「おしっこ出たね」とだけ言いました。そしたら「うん! 出た」と息子はいい、その日から自分でパンツで寝るかオムツで寝るか決めるようになりました。そして夜泣きもパタッとなくなりました。
せわしない年度末、タスクをこなすことで精一杯になりがちですが、オムツ卒業の瀬戸際、息子の言葉に耳を傾け、今一度子育てについて考えさせられた事案でした。
〈小泉里子さん連載〉
モデル小泉里子が綴る、ポルトガルでの家族時間