「自分のことは自分で」を目標にした夏休み|抱っこもいよいよ卒業!

モデル小泉里子が綴る、ポルトガルでの家族時間
- 名前
- 小泉里子/Satoko Koizumi
- 家族
- 3人(夫、4歳の男の子)
- 所在地
- ポルトガル
- お仕事
- モデル
- URL
- 小泉里子/Satoko Koizumi
- URL1
- SATOKO KOIZUMI 小泉里子
【モデル小泉里子が綴る、ポルトガルでの家族時間】
今年の私たちの夏休みの家族旅行は、オランダから始まりました。行き先は初めてのオランダ、アムステルダム。現在はスペインに暮らす次男くん(息子にはお兄ちゃん)の学校見学も兼ねていたので、4人旅でした。
息子の仲良しくんはオランダ人なので、それだけで行く前からなんだか親近感が湧いてた私。
彼の両親から「アムステルダムでは自転車」と言われてはいたものの、今回の旅で自転車に乗るなんてまったく考えていなかったのですが、行ってみたら納得しました。だって、もう本当に自転車だらけ! その理由は自転車の方がどこに行くにも近いから。車だとものすごい遠回りになってしまって、かかる時間も倍になってしまうんです。
なので歩いている人より多い自転車人口。車より自転車にぶつからないように気をつけて歩かないといけないくらいです。街中の運河沿いには、これでもかと言うほどに自転車が停められていて、しかも運河には柵もないから、あれは絶対に落ちているに違いありません。自転車がなくなったら、盗まれたというより、川に落ちたと思った方がbetterだと思う(笑)。
そんなことを思いながらのアムステルダムは、季節も良く、のんびりしていて気持ちが良かったです。
次男くんの学校やジムの見学、街の雰囲気を見るのがメインな今回の旅。結構歩くかなと思ってはいたけれど、なんでか急に脱ストローラーをしようと思ってしまって、ポルトガルから持っていくのをやめたんです。
これがこの旅の最大のミス。
息子には頑張って歩こうねと言ってたんだけど、そんな急に歩けるわけもなく、まだまだ難しかったみたいです。
3人で順番に息子を抱っこしながらの街歩きは、もう本当に疲れて、滞在2日目にストローラーを求めて、ネットで検索しまくったのですが、近場ですぐに買えるところがなく、虚しくも断念...。
しょうがない、抱っこなんてあと何年できるか分からないしと自分を奮い立たせ、頑張って抱っこで乗り切ったアムステルダム旅でした。
でもここで旅は終わらないんです。お次はなんとスイス。
スイス内では移動も多いうえに、山歩きも計画した私。
自分を恨む。
ま~、筋トレしてるパパも、格闘技にハマってる次男くんもいるし、とにかくみんなで力を合わせて、いざスイスへ飛び立ちました。アムステルダムからチューリッヒまでは2時間。スイスはEUではないけど、シェンゲン国なので入国審査はなく国内移動な気分でした。
さて、今回の目的地はスイスのツェルマット。
空港から電車で3時間。時間によって乗り換え回数が異なるけど、私たちは2回の乗り換えで、ツェルマットに到着しました。途中の車窓から、もうすでに感動してた私たち。目の前に聳え立つ山々が綺麗すぎて、リアルなのか疑ってしまうほど。
ツェルマットではガソリン車の乗り入れが禁止されてるので、街中で走ってる車は全て電気自動車。なので、あまり見たことがないような車が走ってたり、海外では珍しい電気自動車の軽トラなんかもあったり...。基本はどれも小さい車でした。街全体も小さいので、歩行者も自動車も、動物たちまでもが同じ交通ルールのなかで共存してる感じ。着いた日はあいにくの雨模様だったけど、木々や土の香りがして、7月なのに肌寒い感じは、もはや別世界にきた気分でした。
さて、ツェルマットでも息子の抱っこ攻撃は治ることなく、パパとお兄ちゃんは絶対に抱っこしてくれるって分かってるから、甘えたい放題。そんなもんだから、本当に歩かせるのにひと苦労でした。
登山鉄道に乗り、それから30分のハイキングでたどり着くレストランに行く道中、空気も景色も綺麗で、こんなところで歩く楽しさを知って欲しいとの思いで、泣いても少々厳しく歩かせることに。途中見かねた次男くんが抱っこしてくれたけど、それでもこの旅では一番歩いていたかな。お気に入りの石を見つけたり、生き物や花を探したり、次なる抱っこポイントを決め、そこまでは頑張って歩いたり、疲れた疲れたの連発だったけど、なんとかレストランまで辿り着くことができました。
予約の時間はとっくに過ぎてしまったけど、お店の方もよく頑張ったねと言ってくれて無事に楽しみにしてたマッターホルンを眺めながらのランチ...とはいかず、また厚い雲に覆われて見えなかったマッターホルンだったけど、それ以上に珍道中で楽しかったハイキングになりました。
そんなオランダ、スイスの夏休み前半の旅を終え、後半のタイと日本へは迷わずストローラーを持って行きました。
9月からひとつ上の学年になる息子。今までとは違い、親が教室まで着いていけないので、自分の荷物や持っていった水筒を指定場所に置いたり、持ち帰るものは自分でカバンに入れたりしないといけないから、この夏休みは、自分のことは自分でやる!をテーマにして、少しずつ練習させようと思っていたのですが、それにしては急にぶっ込みすぎた今回の旅でした。
でもこの夏休みが明けたら、週末は1日ハイキングに行こうと決めていました。
そして迎えた夏休み明けの最初の週末。
私は完全なるベストコースを提案することができました。家から徒歩5分の息子も大好きな市場を通って、裏手から上り坂だけど軽いハイキングコースがあり、そこを上り切ったら息子が気になっていた自転車パークに着くというコースでした。
私も初めて歩く道なので、どれくらいの坂道なのか少し心配で。なんせ息子の自転車があったから。市場までは本人が乗って行くとしても、そこから上り坂、さすがにそこは乗らないだろうから、自転車ごと押すか、持つかのどっちか。それを覚悟しての出発でした。
市場を抜けて、見えた上り坂があまりにも急すぎて、一瞬行くのにためらったけど、その先はなだらかな坂で、軽く背中を押しながらゆっくりゆっくりと進んで行きました。大人の足だったら15分くらいの道のりを40分かけて公園に到着。なんとかここまでは抱っことも言わずクリア。
公園は思った以上に楽しくて、そこから3時間はずっと自転車パークで、何かに取り憑かれたかのように夢中で同じコースをぐるぐる回っていました。
さて、帰りはずっと下り坂。ブレーキをしながらゆっくり降りるかなと思いきや、ほぼ歩きで家まで到着。気づいたらこの日は一度も抱っことは言わなかった息子。
もう本当に嬉しくって、何度も何度も抱きしめました。そしてこの日は、自分で歩けた記念日になりました。
〈小泉里子さん連載〉
モデル小泉里子が綴る、ポルトガルでの家族時間