国際バカロレアのテストは、どのくらいの難易度? その内容と対策について。

DP履修生が語る、国際バカロレア校のリアルな日常
- 名前
- 木村紗羅/Sara Kimura
- 所在地
- パリ
- お仕事
- International School of Paris 学生
- URL
- International School of Paris
【DP履修生が語る、国際バカロレア校のリアルな日常】今回は、国際バカロレアのプログラムにおける試験についてお話ししたいと思います。
私が現在通っているインターナショナルスクールは、2学期制で、1学期目は始業式のある9月から翌年の1月中旬まで、そして2学期目が1月中旬から夏休み直前までです。
国際バカロレアにおいては、DPの模擬試験期間の4日間と本番試験の2週間以外、特に決まった試験期間はありません。ですが、1ヶ月半に1回程、かなり集中的に全教科の試験や課題が重なるので、国際バカロレア生の試験期間はその時だと言えると思います。
【内容も多岐に渡る試験】
私の場合、いわゆる筆記試験は、MYP生のときは、9教科のうち6教科(理科、数学、社会、母国語・日本語、英語、第3言語・仏語)、DP生の今では、選択している6教科のうち、美術を抜いた5教科(経済学、生物学、英語リテラシー、日本文学、数学)で行っています。
国際バカロレアにおいての試験は、主に、インクラスエッセイか多項選択式と長文回答の両方が求められるテストがあります。どの試験も範囲が広く、問題の形式も様々なのでとてもチャレンジングです。
DPでは、どの教科の試験も難易度が非常に高く、特に経済学の45分に及ぶインクラスエッセイは、試験前に冷や汗をかいてしまいます。インドのハイブリッド車とイギリスの太陽光パネルの補助金について書いたテストについては、「DP生の一日って? 授業は難しい? その疑問の一部にお答えします」の記事で詳しく説明しているので、ぜひご覧ください。
それ以外では、MYP生のときの日本文学の授業で、冬休みと夏休み直前の年2回行われていた試験が、とても難しいものでした。
8年生から10年生まで、兼好法師による『徒然草』に表現されている無常観の意味、島崎藤村の『破壊』に描かれている部落問題と現代においての差別問題の比較、森鷗外の『高瀬舟』においての安楽死の経緯などについて、1時間半で400字詰めの原稿用紙8〜10枚のエッセイを書いていました。
そのような試験をこなすには、作品を完璧に理解する必要があるうえに、現代との比較を多く求められるので、テスト前に様々なニュース記事を読みあさっていたのをよく覚えています。
理科系の教科の試験でよくある、多項選択式問題のあるテストは、どちらかと言えば、単語の暗記でなんとか切り抜けられるのですが、それを文章に組み立てなければならないインクラスエッセイは、試験の中でも最も困難だと感じます。
【試験をうまく乗り切るコツは】
やはり授業内容を定期的に復習するだけでなく、授業以外のことにも関心を高く持って、そこから学ぶ姿勢が大事だと思います。
国際バカロレアの試験では、教養を試す問題が多く出されるので、授業では学ばなかった時事問題などを試験の解答に含めると、先生から一目おいていただけることが多いです。たくさんのことに関心を持てる生徒が、国際バカロレアの試験にいちばん強いと言いきれます。
<連載概要> 「国際バカロレアの日々の学び」を実際の学習現場からお伝えする、木村紗羅さんの体験日記はこちらより
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