国際バカロレア・DP2年生も終盤。美術の最終展示会を終え、最終試験準備に全力投球。

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DP履修生が語る、国際バカロレア校のリアルな日常

名前
木村紗羅/Sara Kimura
所在地
パリ
お仕事
International School of Paris 学生
URL
International School of Paris

【DP履修生が語る、国際バカロレア校のリアルな日常】

4月某日。

前回の記事では、スキー休み中に、美術の試験を兼ねた最終展示会の準備について書きましたが、4月上旬には、その本番となる展示会が開かれました。

私の作品の多くは日常生活における物事のディテールを抽象的に描写しています。中でも特に追及しているテーマは顕微鏡で見た人間の体の細胞や、水面に映る雲、そして水や風によって侵食されてできた複雑な地形などがあります。

使っているマテリアルは水彩絵の具から布きれ、陶器やアクリル絵の具などと、バラエティーに富んでいるので、美術の先生には私の生徒としてのスキルが国際バカロレアの採点担当者に伝わりやすいだろうと褒めていただきました。国際バカロレアの美術は他の学科とはかなり独立して行うものなので、もともと美術が大好きな私にとっては、自由に個性的な作品を作ることができて、とても楽しい2年間でした。

地道にこなしたリサーチのおかげで、最終展示会では満足のいくような方法で作品を展示することができました。curatorial rationaleと呼ばれる作品の展示方法をどう工夫したか、また、展示を通して鑑賞者にどのような影響を与えることを望んでいるかを記すレポートも先生方に絶賛していただきました。恐らく、何人かの特定のアーティストがいかにして私の展示にインスピレーションを与えたかについて詳しく書けたからだと思います。

国際バカロレアの美術を受ける学生の方々には、積極的に休日などにミュージアムや個展などに足を運ぶことをおすすめします。必ず何かしらの形でそのリサーチが成果を生み出すはずです。

そして、いよいよ国際バカロレアの最終試験が5月にあります。

過去2年間で学んできたどの内容も出題される可能性があります。私は大学に条件付き合格をしているので、点数を落としすぎない限り安泰ですが、大学によっては最終試験でかなり高い点数を要求してくる場合もあるので、クラスメートの間ではかなり真剣な空気が漂っています。

今までのIAや口頭試験なども気を張って行ってきたうえでの試験なので、私は休養とのバランスを意識して試験休みを過ごしています。

対策としてはネットで見つけた過去問を解くほか、先生が与えてくださった練習問題を解いていくという形がほとんどです。が、あまりにも範囲が広いので、暗記できるものは限られています。そのため、とりあえず私はおおまかな考えが記憶に残るように生物学や経済学のコンセプトについての説明を読み返しています。

今の時期に精神的に追い詰められてしまっている生徒は、過去2年のエッセイ、レポートや口頭試験に自信が持てなかった人が多いので、地道に課題をこなすことの大切さをしみじみ感じます。

私の受けている美術は最終展示会、comparative study(大規模なアーティストリサーチのプロジェクト)、そして作品の制作過程を記録するprocess portfolioが最終試験に値するので、筆記試験は存在しません。なので実質今は残り5科目の復習を、無理なくすすめているところです。


<連載概要> 「国際バカロレアの日々の学び」を実際の学習現場からお伝えする、木村紗羅さんの体験日記はこちらより
DP履修生が語る、国際バカロレア校のリアルな日常

       
  • 美術クラスの最終展示会、私の展示作品

  • 作品のテーマは「人間の体の細胞」

  • 作品と一緒にポーズ

          
  • 空き時間には図書室で自習

  • 私の展示の一画。合計9作品を展示しました。

  • 人間の体の細胞を水彩絵の具で描いたシリーズ物の作品たち。

  • 水彩画だけでなく、今回の展示では陶器やアクリル絵の具、布切れなども使用して、作品展示法にも工夫を凝らしました。

  • 最終試験を前に、緊張感が漂います。授業の合間の空き時間には、図書室でクラスメートたちも各自で試験勉強を行っているところです。