子育ては、小さな幸せと感謝の連続。笑顔あふれる毎日の作り方

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子育てとボランティア活動のグッドバランス

名前
田丸麻紀 / Maki Tamaru
家族
4人(夫、9歳と5歳の男の子)
所在地
東京都
お仕事
俳優、モデル
Info
取材・文/須賀美季 
URL1
田丸麻紀(@tamarumaki)Instagram
URL2
Adé

田丸麻紀さん、ボランティアのある生活③】

トレードマークのショートヘアと、天真爛漫な笑顔が印象的な俳優の田丸麻紀さん。私生活では、9歳と5歳になるふたりの男の子のママとして奮闘しながら、子育てを楽しむ姿が印象的です。ファッション誌のカバーを飾るトップモデルとしても活躍し続ける田丸さんが、長年にわたり公にすることなく力を入れ、いまやライフスタイルの一部となっているのがボランティア活動でした。田丸さんはいま、どのような思いでボランティアに取り組むのか、さらに子育てや自分らしい生き方について、インタビューしました。


(こちらは、第3回目の記事です。第2回目はこちらから。)


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積極的にボランティア活動をすることは、ご自身の子育てに良い影響はありますか。

――母である私がボランティア活動をしていることは、息子たちも良く知っているのですが、私からわざわざ息子たちに、こうあるべきだとか、こうする方がいいなんて言ったりすることはないんです。ボランティアに関しては、彼らがどんなふうに咀嚼して理解していくのかなと、そしてどんなふうに彼らの中で芽生えるものがあるのかなというのを、そっと見ているという感じですね。

それよりも、24時間が本当にあっという間で(笑)。毎日ドタバタして時間がないし、忙しくしているように私のことは見えていると思うんです。でもどこかで、母親っていうのはそんなものでいいのかなーというふうにも思っています。「ママはいつも忙しいから、自分のできることは自分で頑張ってやっていこう」と思ってもらえたら。自分でできる第一歩が彼らの成長になればいいなって、考えています。


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お子様たちは、ボランティア活動に参加されていますか。

――地域のゴミ拾いなどに参加したり、ニュースで世界的な災害を目にした時には、何か自分たちにもできることをと調べたりして、これなら参加できるかもというふうに親にプレゼンしてくることもあります。最近だったら、オーストラリアの山火事で野生のコアラが大きな被害に遭ったというニュースを目にして、自分の貯金箱からどれくらい寄付したいと、そのためにはどういうふうにしたらいいのかを、私も一緒にパソコンで調べたりしました。

私の活動や夫婦の会話を聞いているのもあって、ボランティアには自然と興味があるようですね。たとえば本屋さんに行って「1冊だけ好きな本を選んでいいよー」と言うと、ボランティア関連の本を選んで持ってきますので、彼らなりにアンテナが立っている部分はあるのかなとは思いますね。


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コアラの話題もそうですけれど、ボランティア活動と社会問題は密接に繋がっているので、子どもたちに世の中の問題を意識させる上で、活動に触れさせることはいいですよね。

――そうですね。それが特別なことじゃなくて、まるで呼吸するかようにごく普通に日常的な生活の一部になっていけば、サポートする側にとってもいいなと思います。


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今社会的に、インクルーシブという考え方が根付き始めています。すべての人が分け隔てなく共存していくために、ボランティア活動は不可欠になりそうですよね。田丸さんが、ボランティアを通してご自身の中で課題に感じていることありますか。

――ボランティアについて深く勉強し、入り込めば入り込むほど、ややこしいこともいっぱいで、自分の感覚っていうのがわからなくなっちゃうこともあるんです。こうなればいい、ああなれなればいいっていう理想だけじゃなくて、本当に手を取り合えるのだろうかというネガティブな思いもあったりします。余計な心配まで並べてしまうこともあるんですが、最後は、本当にシンプルに「助け合い」っていうところにたどり着ければいいのかなと思うようにしています。どういう条件の人であろうが、どういう価値観を持っていようが、難しく考えないことが良いのかなと。ボランティア活動すべてにおいて、迷ったときは、一番シンプルな形に立ち戻るようにしています。


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二人の息子さんたちは多感な年齢だと思いますが、毎日の子育ての中で、大切にしていることありますか。

――男の子というのもあり主人の方が子育てにはイニシアティブがあって、男の子はこんなふうに育ったらいいなーという思いが強そうではありますね(笑)。子どもたちがインターナショナルスクールに通っているのも、世界を感じて生きていければいいなということで選んだのだと思います。私の考えとしては、英語なら世界中の人と友達になれていいじゃん!みたいな、もっと本当に薄っぺらいものだったりもして(笑)。この間子どもたちに、私が死んだら最初に思い出す言葉は何? と聞いたんです。そしてら、「頭悪くてもいいから性格だけ悪くなるなー」って言っていたので、それこそが、私の子育て論かもしれませんね(笑)。


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それってシンプルですが、生きていく上でものすごく大事なことだったりしますね。

――そうですよね! とりあえず、性格だけ良ければ生きやすいだろうなと(笑)。それが、親としてのささやかな願いです。


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今後、息子さんたちを海外で学ばせたいなど、考えていらっしゃいますか。

――彼らが、いつか行きたいと思う国がでてきて、やりたいことが明確にできた頃に、きちんと彼らに聞いてみようかなと思います。なので、親のプランみたいなものは、うちではほぼないですね。彼らが言ったときに、それをサポートできるような準備だけはしておこうとは思っています。


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お仕事に加えて、新しいブランドの立ち上げやボランティア活動もやられて、さらにおうちでは2人の男の子のママ! 時間がない中、どうやって毎日を工夫して過ごされているのですか。意識していることなどあれば教えていただけますか。

――日々のやりくり的なことで言うと、私も本当にまったくできてないから、夜な夜ななんか笑いながら泣いてるようなときもあって、主人からしたら「壊れた?」って見ていると思います(笑)。でもそれを充実だとも感じられるんですね。できないことで自分を追い詰めることなく、少しずつ発散しながら、とりあえず次の日に向けて心も体も整えて、準備をして生きていこうって心がけています。

皆さんそうだと思うのですが、私にとっては朝時間がすべて! 5時台には起きてお弁当を作ったり片付けをしたり、学校のことでダブルチェックしたり、バタバタしながら6時台には息子たちをバス停に連れて行かなくてはいけないという毎日です。自分の仕事は、お昼の12時を目指してやりきろうと思ってがんばっています。


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疲れを見せないキラキラとしたオーラが印象的な田丸さんですが、精神面で気をつけていることや、セルフメンテナンス方法はありますか。

――精神面的なところでいうと、定期的にコーチングを受けています。日々やることが多すぎて、毎日に入りきらない!とパニックになっても、それをそのまま置きっぱなしにできないようなこともあるので、ちゃんとコーチングで整えながら、きちんと準備ができるようにしています。だからこそ、周りのいろんな方のサポートをできるだけ受けながら、進めていこうと思っています。


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子育てをしていく上でも、これからの社会で生きていく上でも必要な、田丸さんがおっしゃる「助け合い」精神みたいなことは、息子さんたちにはどのように伝えていますか。

――例えば、子どもたちのやり取りの中で、どちらかが助けてもらってるように見える瞬間があったら、それを拾って自覚させるようにしてます。「いまお兄ちゃん、弟に助けてもらったよね。ちゃんとありがとうって言った方がいいよー」とか、小さいことでも気にかけるようにしています。やってもらったこと、助けてもらったことに対して、相手にきちんと感謝を持てるよう、そのとき自分はどんな気持ちになったのか、そしてそれをどんなふうに戻さなきゃいけないのかということを、自然と一つの線にできるようになってもらいたいなと思っています。


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小さなことでも感謝するということは、小さなことにも意味があると思えますね。その積み重ねは、子どもたちの行動力やアクティブな精神にも繋がっていきそうですね。

――はい、小さなことに感謝できるようになることは大事だと思います。感謝ができると、小さな出来事でも自分が幸せだって思えるから、それが積み重なって幸せが多く感じられていく。そしてそれが行動力になるっていうのは、きっとあると思います。子どもでも、自分もこういうことをやってみようとか、こういうふうに思ってもらえるようなアクションを起こしてみようという、行動力につながっていくのかなと思いますね。

我が家では、いつも寝る前に、3つだけ「今日ハッピーだったこと」を言うようにしています。特になんてこともない1日だったかもしれないけど、探せば実は発見があるはずなんです。息子たちも、「最初はすぐには出てこなかったけど、考えたら結構いい1日だったじゃん」って、感謝を持って次の日に立ち返ることができる。そんなサイクルをキープできたらいいなと思って、毎日やっている行動のひとつなんです。


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素晴らしいですね。なかなか日本人にはないメンタリティですよね。ご自身の子ども時代と比べて、息子さんたちとの違いも感じたりしますか。

――私達の幼少期の水準より、息子たちははるかにいろんなことを「学び」として獲得できてるなと思います。ボランティアだけじゃなく、SDGsのような自然環境のこと、自分たちが生きている背景やそこに対する価値観のこと、あと将来についても持っている意識が全然違うと感じます。


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田丸さんはボランティア活動を通じて、社会をより良くすることにアンテナを張られています。その原動力って、どこから来ているのでしょうか。

――ボランティア活動はライフワークとして自分の一部になっていましたが、若い頃の私は本当にちゃらんぽらんで(笑)。頭を使って何かと関わってきたことがなかったので、大人になった今は、明確に誰かのためになりたいというふうに真剣に思えるようになったんです。感覚が変われば価値観も変わり、意識も変わり考え方も変わる。その大きな変化の境目って何だったのかなって考えると、私にとってはやはり結婚であったり、母になったことが大きいのかなと思います。「助け合い」という気持ちは、昔から自分に持ち合わせてきたものかもしれないけれど、その気持ちにいまようやく向き合うことができて、同時に自分自身が整ってきた事で動けるようになったのかなと思います。もしかしたら遅いのかもしれないけれど、私にとっては、40代になった"いま"だったのかな。

誰かのために動くことは、巡り巡って自分自身も救われる思いになることがありますよね。気づかされることも、感謝を感じることも多いはずなんです。これからは、新しくそんな経験をしてみたいと思う同世代の女性たちに、ボランティアというキッカケをうまく繋いでいけたらいいなと思っているんです。



〈連載概要〉
田丸麻紀さん、ボランティアのある生活

第1回:ボランティア活動は、ごく自然にある「助け合い」という気持ち
第2回:40代のいまだからこそ! 新ブランド立ち上げに込めた本当の思いとは
第3回:子育ては、小さな幸せと感謝の連続。笑顔あふれる毎日の作り方(本記事)

       
  • 家族旅行

  • 散歩道

  • ジャンケン

          
  • 家族の時間

  • 家族の旅行先を考えていた時、「人生で一度は見たい景色」を家族みんなで出し合いました。その中の1つとしてあがったのが「カッパドキアの気球」。家族みんなにとって、忘れられない景色となりました。

  • 夏の夜、家族でお散歩をしていた時、こんなユニークなベンチを見つけました。

  • 我が家では、細々とした事は結構ジャンケンで決めたり解決したりしています(笑)。

  • 家族旅行に行った時、主人がふとカメラを向けてくれた瞬間。主人は、思い出を作ることにとてもこだわりがあります。旅行先でも、その場の音楽や香りなどの思い出をよく大切にしています。その延長で、旅先ではいつも家族にカメラを向けてくれます。