【自然と遊び、生きる力を育む。子どもが主役の移住体験が叶う国内保育園留学】
連載第2回　自然が遊び場！大人も子どもも世界が広がる、保育園留学での感動体験
（第1回「育児も仕事も諦めない！保育園留学事業はじまりのストーリー」はこちらより）

ブライトチョイスでは、幼少期に子どもが夢中になれるような経験をたくさんさせてあげることが、子どもの「自分らしく生きる力」を育むと考えます。自然体験もその1つ。しかしながら、都会で生活していると、自然の豊かな地域で子どもにのびのびと遊ぶ体験をさせてあげたいと願っても、実現するのが難しいというのが現実です。

そんな都会の子育てファミリーの悩みに寄り添う「保育園留学」という1～2 週間の暮らし体験をご存じですか？2021年11月の事業スタート時からこれまで1500組以上の親子が保育園留学を経験し、今も希望者が後を絶たないといいます。

今回は、保育園留学事業を主宰する、地方創生スタートアップ企業「キッチハイク」代表取締役CEOの山本雅也さんにお話を伺いました。当時2歳のお嬢さんとの保育園留学をきっかけに、北海道の小さな町に移住することを決意した山本さん。その子育て観、人生観や、保育園留学事業が描く未来のビジョンには、子育てを謳歌するためのヒントが詰まっていました。

―第2回は、保育園留学での過ごし方や、留学に行かれたファミリーの感動体験談を伺っていきたいと思います。保育園留学に行かれるのは、どんなファミリーが多いのでしょうか。

「保育園留学を希望される方は、ほとんどが都市部に暮らす共働きファミリーです。両親共にそれなりのキャリアも責任も積み重ねてきているけれど、同時に理想とする子育てを両立できずジレンマを感じている方が多いですね。皆さん、幼少期の子どものためにもっとできることがあるんじゃないか、そんなモヤモヤを抱えています。働いているので日中は子どもを預けたい、長期の休みを取って旅行に行きたい、家族で思い出作りをしたい。保育園留学は、そういった共働き家庭のニーズを網羅しています。ご家族全員で留学するファミリーもいれば、平日は母子で来て週末だけお父さんが合流するファミリー、お母さんとおばあちゃんの三世代で来るファミリーもいらっしゃいます」

―約2週間地方でリモートワークをしながら子どもと生活するとなると、準備もなかなかの大変さになりそうですね。

「保育園留学には、地域の保育園での一時預かりと、すぐに生活がスタートできる環境が整っている宿泊施設がパッケージになっています。滞在先としてご紹介するのは、弊社が保育園留学のご家族向けにプロデュースした専用の寮や、地域にある宿泊施設や移住者向けの住宅等です。全室Wi－Fiを完備しているのはもちろんのこと、乾燥機の設置や、レンタカーのサポート、スノーウェアのレンタル等、生活に関する不安はできるだけ取り除けるように準備をしています」

―さまざまな留学先がありますが、経験された方はどんなことに感動するのでしょうか。

「保育園留学では地域の特色を生かしたさまざまな体験ができますが、地域の子ども達の遊び方が、留学生にとっては新鮮で大きな刺激になるようです。例えば、雪の日に年長さんがソリの上に立ってスケボーみたいに乗って楽しんでいるところを見ると、小さい園児もそれに憧れて挑戦するんです。最初は慎重だった留学生も、その様子に刺激を受けてどんどん挑戦するようになるんですね。泥んこ遊びも、最初はなかなか思い切って遊べなかったのが、日を追うごとにどんどん大胆になって、帰る頃には全身泥だらけで遊べるようになるそうです。我が子が色々なことに挑戦するようになったり、感性が開かれていくことに感動する親御さんは多いですね」

―先生方も、自然遊びの引き出しが豊富な方が多いのでしょうね。

「先生方は、子どもたちの自主性や創造性を引き出すような提案が本当に上手だと思います。例えば、北海道浦河町の『森のようちえん』という園では、園庭だけで遊ぶのではなく、雨の日も風の日も毎日森に行ってフィールドワークを行っているんですね。森で遊んでいる子ども達は、遊びがとてもダイナミック。森では、先生方が先回りして危険を取り除くようなことはせず、多少危険なことも子どもたちが自分で判断しながら挑戦します。こういった経験は、なかなか都市部の園ではできないと思います」

―都会の子ども達と地域の子ども達が交流することによって、様々な化学反応が起きそうですね。受け入れ先の子ども達は、留学生に対してどのように感じているのでしょうか。

「保育園留学の受け入れを実施している地域は、過疎化している地域が多いので、子育て世代が少ないんです。そうすると、子ども達も小中高と顔触れが変わらない中で成長していくことが多いので、東京のような全然違う地域から子ども達が来てくれると、地域の子ども達にとっても世界が広がるきっかけになります。東京の子どもがマンションの30階に住んでいると聞くと、『あの子は空に住んでいるらしいよ』なんて言いながらみんなで30階の高さってどんなだろうと想像してみたり。だから、保育園留学は留学する子どもだけではなくて、受け入れる側の在園児にとってもメリットがあると先生方からもお声をいただいています。」

―子どもが主役の保育園留学ですが、大人にとっても都市部の生活では味わえない貴重な体験ができそうですね。

「受け入れ地域によっては、ご家族が来るタイミングでウェルカムパーティーを開いてくれるところもあります。そうすると、親同士もつながりができるんですね。スーパーで買い物をして大荷物を抱えてバス停に立っていたら、車で通りかかった園のお母さんが『そんな大荷物でバスに乗るのは大変でしょう』と車に乗せてくれたという体験談もありました。あとは、名産品を使ったおかずをお裾分けしに来てくれたり、家の田んぼで田植えをさせてくれたり。そんな良い意味でのお節介や声の掛け合いって都市部ではなかなかないことなので、とても温かい気持ちになりますよね」

―野山を駆け回ってのびのびと遊ぶ子ども達、子どもの自主性を重んじて色々なことにどんどん挑戦させてくださる先生方、分け隔てなく親切であたたかい地域の方々。都市部にはない経験を経て、親御さんの子育て観や人生観にも大きな変化が生まれるのではないでしょうか。

「これまでに1500組以上のご家族が保育園留学を経験されましたが、25%くらいの方がリピーターで、同じ園を2度3度と訪れています。保育園留学をきっかけに、僕のように本格的に移住をされた方もこれまでに4家族いらっしゃいますよ。あとは、『受験をやめました』という声も聞いたことがあります」

―都心で子育てをしていると、山ほどある選択肢に戸惑い、「〇〇しなきゃ」「××もしなきゃ」という考えにがんじがらめになって疲弊しまうことも少なくありません。時には、親である私たちも、都心ならではの子育て観から離れ、新たな視点をインストールするきっかけが必要なのかもしれませんね。
第3回は、20年後30年後の子ども達の未来を見据えた、保育園留学のこれからのビジョンについてお話を伺います。

【自然と遊び、生きる力を育む。子どもが主役の移住体験が叶う国内保育園留学】
第1回: 育児も仕事も諦めない！保育園留学事業はじまりのストーリー
第2回: 自然が遊び場！大人も子どもも世界が広がる、保育園留学での感動体験(本記事)
第3回: 保育園留学が見つめる未来。無限の可能性を持つ子どもたちのために