子育ての手持ち時間は短いからこそ子どもと過ごす時間を楽しみたい
エッセイスト久住あゆみが綴る、年子男子の子育て日記
- 名前
- 久住あゆみ / Ayumi Kusumi
- 家族
- 4人家族(夫、8歳と7歳の男の子)とミニチュアダックスのココ
- 所在地
- 東京都
- お仕事
- エッセイスト、元モデル(お休み中)
- URL
- 久住 あゆみ / Ayumi Kusumi インスタグラム
- URL1
- 「1 + 1 」ブログ
【エッセイスト久住あゆみが綴る、年子男子の子育て日記】
先日のこと。
私にとってとても大切な女の子ふたりが
成人を迎えたので
お祝いのディナー会を開催することに。
平日だったので次の日を考えて早めのスタートにしようと
17時半に集合したのに気がつけば0時半...!
友人が経営する三軒茶屋のナポリピッツァのお店で
泣いて笑って食べて飲んで(〆のリモンチェッロ...アルコール度数40°。何杯おかわりしたかな?)
プレゼントにお花にケーキ、
たくさんのハグで盛大にお祝いした。
彼女たちのうち、
ひとりはこの春から海外へ留学に行くことに。
あかちゃんのころからずっと
とても近い距離で成長を見守らせてもらっていたので、
嬉しいやら、心配やら、頼もしいやらで
感慨深さもひとしお。
ふたりのおかあさんは私の大切な友人。
子育ての大先輩でもある。
子どもが20歳という節目を迎えるって
どんな心境?と問うてみると、
「あっという間だった。
いろいろあった気もするけど、
本当に幸せで楽しかった。」
感無量といった表情で、そう微笑んだ。
「先輩として子育てのアドバイスって何かある?」
とも聞いてみるとこんなメッセージが。
「私たちもまだまだ子育てが終わった。って
わけじゃないけど、これまでを振り返るとね、
子育てって、その最中は余裕がないことも多いし、
自分のやり方にこれでいいのかな?って不安になったり、
子どもを見ていて信じてあげられる時もあれば、
この子、このままで本当に大丈夫かな、、?と
急に心配になったり。。
そんな感情の揺れも付き物だった。
だけど、そんなに心配しなくていい。大丈夫。
子どもは自分で育っていく強さを持ってる。
愛情さえ伝わっていたら、あとはすくすく育っていく。
それより何より、とにかく今を、
子どもと過ごす時間を楽しんでほしい!
本当に時が過ぎるのは早く、貴重なひとときだから」と。
今の私にとって、
子どもたちと毎日一緒に過ごせることは
ごく当たり前のことで「貴重なひととき」だなんて
なかなか実感しづらいことだったりするけれど
そんなに遠くない未来に私にもそう振り返る日が必ず来る。そう考えると「今」が途端に輝き出す。
子どもたちと過ごすこの日常を
「貴重なひととき」として、
噛み締めて、焼き付けて、楽しみたい。と
少し焦る気持ちを持って、思う。
長男は今年9歳、次男は8歳を迎える。
ふたりとも家では甘えて抱きついてきてくれるけど
外ではだんだん恥ずかしがるようになってきた。
きわめて健全な成長だと理解しつつも、
「無邪気に甘えてきてくれるのはあと何年...?」と
少しセンチメンタルな気持ちになってしまう。
現実的に考えて、あと3、4年かもしれない。
....え、そんなにすぐ?
拍子抜けするほど短く感じる。
今できることは、
もっといっぱい可愛がることだ。
ハグもほっぺにキスもこれまでの倍しよう。
「ママ、今日は一緒に寝て?」と言われて
「ひとりで寝ようね〜」と、たしなめずに
彼らのベッドで小さく丸まって手を繋いで眠ろう。
「ママ、キャプテン翼一緒にみよう?」と誘われて
「今、ちょっと忙しいからふたりで観てて」と断らずに
行ける時はソファに行って、
ふたりにぴったり寄り添って真剣に観よう。
子育ての手持ち時間は
わたしが考えている以上に短い。
今日、この、目の前の彼らと、もっと楽しみたい。
彼女たちの言葉を聞いて、決心。
息子たちが20歳を迎えるその時、
わたしは振り返って何を思うんだろう?
今、何気なく過ごしている日々そのものが、
いつか振り返るであろうシーンのひとつひとつとなる。
「今」を大切に生きることは、
未来の自分と子どもたちにアルバムを贈ること。
子育てはいつかは終わってしまうけど、
大切に紡いだ心のアルバムは決して色褪せない。
成人を迎えた娘たちを
優しく、少し寂しそうに、
でも誇らしげに穏やかな微笑みで見つめる友人たちの
美しい横顔に、子育てにおいて
本当に大切なことを教えてもらった気がする。
幸せな一夜だった。
成人、おめでとう。
これからも見守らせてね。
<久住あゆみさん連載>
エッセイスト久住あゆみが綴る、年子男子の子育て日記