自然に囲まれた別荘は、リンゴ狩りのシーズンが到来

子どもの未来をクリエイトする、国際政治学者の個性派子育て
- 名前
- 三浦瑠麗 / Lully Miura
- 家族
- 3人(9歳女の子)
- 所在地
- 東京都
- お仕事
- 国際政治学者
- URL
- 三浦瑠麗(@lullymiura) Instagram
軽井沢の森の中にぽつんと一軒建ったわが家。森の朝は目覚めが最高です。朝6時ごろ、鳥のさえずりと、黒に白い猫柄のカーテンの隙間から漏れてくる日差しで自然と目が開きます。カーテンから外をのぞくと、思わずため息が出るような見事な紅葉でした。
7年前、この地に約1000坪の土地を買ったとき、ここには長いこと使われていない古家が3軒建っていました。そのうちの母屋の周りをぐるりと取り囲むようにモミジの古木が生えています。持ち主だった女性には子どもがおらず、別荘は何十年も前に甥御さんが相続したといいます。その後何度か別荘には行ったのだけれど、もう年齢もあってメンテナンスもしんどい、ということで売りに出されていました。目を凝らすと、雑木林になってしまった庭にかつて植えられたドウダンツツジなども見分けることができ、ここにどのように庭を作っていこうかと想像力が刺激されたものでした。
そのモミジのうちの一本は、枝が長く横に張り出していて、そこにロープと木でできたブランコをつるすことになりました。草花を植えようと庭に鍬入れしていると、鍬にあたるものがあるので掘り起こしてみると、浅間石がごろごろと出てきたこともありました。昔の花壇のうえに数十年かけて腐葉土が降り積もり、眠ってしまっていたのです。掘り起こした浅間石を使って、斜面の土を押さえる石垣を手作りしました。
軽井沢の秋は、朝に晩にひんやりとした肌寒さを感じるところから始まります。私が一番好きな花は萩。はかなげな風情でありながら、こぼれ落ちるほどに咲く豊かさがいとしい。そして、萩が散った後にモミジが真っ赤に色づくのですが、このころになると冬枯れに向かう樹の最後の力を感じさせられるようで、身も心も引き締まってきます。
秋の楽しみは、バーベキューとリンゴ狩り。夏の間のバーベキューもいいのですが、虫が少なくなる秋の方が実は野外調理に適しています。シナノドルチェ、秋映え、シナノゴールド。ジューシーでしっかりとしたリンゴを味わうために、私たちは車で上田の方まで足を延ばしてリンゴをたくさんもぎにいきます。農園を管理するおじさんが、食べごろのリンゴの木を教えてくれ、娘はハシゴに登って教わった通りくるっとひねってリンゴをもぎます。赤い実を抱えていくと、おじさんがくるくる回るハンドル式の皮むき器で目にもともらぬ速さで皮をむき、芯をとってお皿に並べてくれます。その間、僅か12秒。
うちに帰ると、キッチンにリンゴの香が漂います。外では気づかなかった甘い香り。さて、リンゴタルトでも作ろうか。