鶏一羽を丸ごといただく特別な日。我が家のクリスマスのレシピ
子どもの未来をクリエイトする、国際政治学者の個性派子育て
- 名前
- 三浦瑠麗 / Lully Miura
- 家族
- 3人(11歳女の子)
- 所在地
- 東京都
- お仕事
- 国際政治学者
- URL
- 三浦瑠麗(@lullymiura) Instagram
【子どもの未来をクリエイトする、国際政治学者の個性派子育て】
今年のクリスマスは、いつも通り軽井沢で。恒例のローストチキンを作ったのですが、今回はスーパーではなくインターネットで新鮮な熊野地鶏の丸鶏を注文してみました。一羽まるごとなので、レバーや砂肝、そして首部分もついてきます。ローストチキンのつくり方は毎年いろんな方法を試していますし、鶏の大きさによっても異なりますが、今回の焼き方は満足な仕上がりになりました。
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【我が家のローストチキン】
①まず丸鶏を室温に戻して、内側にも外側にも塩をしっかりしておきます。表面がなめらかにしっとりと光るほど塩がしみ込むと、柔らかな肉質になります。
②ニンニクひとかけとお好みのハーブを丸鶏の中に潜ませておきます。ハーブはだいたいタイムを使いますが、もちろんローズマリーを加えても。
③別に買っておいた鶏ガラを1時間以上煮込み、よくアクを掬いながら出汁を取リます。白ワインを加え、ひと煮立ちさせておきます。
④ニンジン、タマネギ、セロリをみじん切りにし、フライパンでタマネギから順に炒めていきます。塩胡椒をしたら、洗ったお米を加え、ニンジンの葉を刻んだものを加えて少し炒めてから、③の鶏がらスープとローリエ、タイムを加えて煮ていきます。さらに、ニンニクを細かくみじん切りにしたものを加えます。
⑤お米に火が通ってリゾット状になったら味見をして、必要ならば塩を足し、水気を飛ばしたものを丸鶏のおなかにスプーンで根気よく詰めていきます。少し入れたらスプーンの背でぐっぐっと押すと隙間なく詰めることができます。先にフレッシュなタイムの枝を入れておくことで、鶏の臭みが焼いている間に抜けていきます。
⑥市販のローストチキン用の金串で鶏皮を縫うようにして入り口を閉め、アルミの焼き皿におきます。周りには皮付きのジャガイモと皮付きのままのニンニクを並べます。オリーブオイルをたっぷりと回しがけ、240度で25分焼きます。その後、火を180度に弱めて50分。
今回はシャモと交配してつくった大きなしっかりとした品種の地鶏なので、小ぶりのものと違って長く時間がかかりました。途中、何度か焼き油をスプーンで鶏に回しがけると、パリッと美味しくなります。
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昨年のローストチキンの付け合わせはカブでしたが、カブの場合は途中から投入しないと焼けすぎて水分がなくなってからからになってしまいますね。葉つきのニンジンが手に入らなければセロリの葉で十分ですが、香わしさが違うので、わが家ではハーブやネギのかわりにと、新鮮なうちに葉をまとめて冷凍して使っています。わが家で使っているニンジンは、「ひとみ五寸ニンジン」という珍しい品種で、友人の古川原農園さんが毎回届けてくれるもの。ぱりっと割れてしまうことも多く、農家さんや流通の業者からは扱いにくいニンジンだそうですが、甘み、香しさ、ぱりっとした食感、どれをとっても満点です。これを食べて、やっぱりニンジンは嫌い、と言った子は見たことがありません。
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【残った鶏ガラ出汁のカブのポタージュ】
①残った鶏ガラ出汁に、タマネギ、セロリの葉とニンジンの葉を加えて煮て引き上げ、皮を厚めに剥いたカブ数個を、4つ割りにしたものをいれて、軟らかくなるまで煮ます。
②ミキサーでクリーム状にし、お鍋に戻して塩と胡椒で味を調え、火を加えて水分量を調整します。
カブのポタージュはやさしい味。鶏ガラから出汁をとることで、市販のブイヨンを使った場合よりもさらにやさしい味わいになります。本来、ポタージュは野菜の味だけでもいいのですが、余分な脂を丁寧に掬い取ったクリアな鶏ガラスープは、素材の味を邪魔することなくうまみを足してくれます。
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オーブンをのぞいてそわそわしている娘は、いつもより丁寧にテーブルセッティングをして回ります。彼女のお気に入りのラベンダー柄のペーパーナプキンに、ほぼクリスマスのときしか登場しないノリタケの赤と緑のお皿。
いよいよ食卓にローストチキンが登場すると、ため息が。おかしいのは、ローストチキン自体はオーブンが勝手に調理をしてくれるので、(スタッフィング用の鶏ガラ出汁さえ市販のものを使えば)そんなに手間ではないのですが、こんなに喜んでくれること。ご馳走のイメージの原点なのでしょうね。娘には骨付きの大きな鶏もも肉を、夫には少なめにした反対側のもも肉を。年々脂がしんどくなってきているわたしは、まずは筋膜に近い所の白身をいただきます。アメリカではモモ肉をレッドミート、胸肉をホワイトミートと言いますが、白身の方が高級だとされています。それをスロークックすることで柔らかくうまみを引き出しつつ、モモ肉にもしっかりと火を通すというのが、難しい所といえばそういえるかもしれません。肉汁と焼き油が一体となったソースを回しかけつつ、皮ごと焼いたニンニクを剥いて、ナイフでバターのように中身を少しずつ肉に載せながらいただく。スタッフィングも、フライパンに余ったものではなく鶏の中でじっくりとうまみを吸わせたものが一番おいしい。
ローストチキンは食後にはさみを使いながら最後まで捌き、残りも余さず頂きます。細かな肉はグリル野菜と一緒にタッパーウェアに入れて上から焼き油で覆います。骨とガラはもう一度スープを取るために鍋へ。水を張って残りの香味野菜のくずを入れ、火にかけて出汁を取ります。これはまた次の日のスープに取っておきます。レバーや砂肝はソテーして料理酒と醤油で味をつけ、小ネギを刻んで上から散らし、赤ワインのお供に。
鶏一羽を丸ごと余さず食べきることは、子どもにとっても良い教育なのかもしれません。野菜も寒さが本格化して甘みがのってくるこの季節。家に籠って子どもと料理をすることは、冬休みならではの楽しみですね。
〈三浦瑠麗さん連載〉
子どもの未来をクリエイトする、国際政治学者の個性派子育て