我が家に猫がやってきた! 猫がつないでいく母娘の穏やかな日常
子どもの未来をクリエイトする、国際政治学者の個性派子育て
- 名前
- 三浦瑠麗 / Lully Miura
- 家族
- 3人(9歳女の子)
- 所在地
- 東京都
- お仕事
- 国際政治学者
- URL
- 三浦瑠麗(@lullymiura) Instagram
ある日、娘が猫を飼いたいと言いました。それは私たちが長い間あたためていた考えで、最盛期は3匹もいたチワワたちが1匹ずつ旅立って、もういちばん下のテトちゃんだけになってしまっていたので、新しいペットを飼いたいと思っていたのでした。
多頭飼いしていたとはいえ、やはり生き物。猫を犬と一緒に飼うのは大丈夫なのか。トイレは、旅行の時はどうするのか。いろいろ悩んだ末、私たちは猫を飼おうと決めました。
小さい頃、猫を飼いたくて飼いたくて仕方のなかった私は、道端に捨てられていた猫を拾ってきたり、"おばあちゃん"のところにいる白い太った年寄り猫をずっとかまったり、猫にばかり惹かれていました。当時、犬の可愛さはまだわからなかった。昔は鎖につながれて屋外で飼われている犬が多かったもので、たいてい、小学生が登下校のときにワンワン吠えられて、怖がる子も少なくなかったのです。
祖母の家は自転車で20分ほど行ったところにありました。学校の後、祖母のところに自転車で訪ねては入り浸り、おいしいお菓子をもらって話をしたり、すっかりおばあちゃん子だった私。自分の会社を持っていて忙しく、きっぷのよかった祖母の手料理と言えば、スジャータのコーンスープ。そしてたまにつくる凝ったタンシチュー。あの頃は、ちょっとミルクで薄めたスジャータのコーンスープが好きで好きでたまらなかったのですよね......。
威勢のいい言葉がポンポンと飛び出し、人をあれこれ品定めしながら、あちこちに話題が飛んで放談し、ときたま台所へ行って煙草を吸う。「ママが心配するからもうお帰り」と、背中を押してくれるのは決まって祖母の方でしたが、私が帰るのはきっとさびしかったに違いありません。中学生の私にとっては、いやなことを全部脇において甘えられる、庇護者を独占できる時間でした。
祖母の家にいた白い猫は、ベランダからいつも餌をねだりに帰ってくるのでした。そうすると、祖母は刻んだ生のマグロをやって、贅沢に甘やかしていた記憶があります。外で生活する猫は、家の中で育つ猫と顔つきも違う。時々顔をけがしてきたりして、ワイルドな生活を送っていました。ペットというよりも、時折帰ってきていただく存在、というのに近いような可愛がり方でした。
さて、我が家に来た猫は、ベンガル種の王子さま。はじめ、小さくてふわふわと壊れ物のようだった"レオくん"は、オフィス内を闊歩し、私たちのベッドで眠り、別荘のログハウスの梁の上まで飛び乗って、王国を楽しみながら成長していす。
私はつらいことがあると、レオと一緒に丸まって寝ます。小さい頃とそれほど変わらない、猫のぬくもり。仕事に疲れたころには、「にゃあん」と甘い声を出して寄り添い、遊んでくださいとねだりに来るのがかわいらしい。
娘は、チワワと猫のトイレの掃除や餌やりなどをしっかりと覚えて担当しています。ランドセルを置いてまず駆け寄るのは、ママよりも"レオくん"のところ。自分を"お姉ちゃん"と呼び(チワワのテトちゃんは自分より年上なのでそう呼びません)、レオを"弟"と呼ぶ彼女は、毛布でくるんで赤ちゃんごっこに付き合わせたり、ままごと用の食器や人形ベッドをあてがったり、すっかり兄弟がわりに猫を扱っているのです。
最近では猫図鑑にはまってしまい、ありとあらゆる猫種の名前や特徴を覚えては、それの知識を披露します。一緒にいてくれるだけで十分なのだけど、レオはいろんなものを娘にもたらしてくれたようです。