絵本と一緒に、小さなこころも成長していく

俳優 野波麻帆、オシャレも遊びも満喫の家族時間
- 名前
- 野波麻帆 / Maho Nonami
- 家族
- 4人(8歳と6歳の女の子)
- 所在地
- 東京都
- お仕事
- 女優、「himher」デザイナー
- URL1
- 野波麻帆(@mahononami)Instagram
- URL2
- himher
【俳優 野波麻帆、オシャレも遊びも満喫の家族時間】
娘たちがまだ字が読めない小さな頃から、寝る前に絵本を読んであげる事が日課だった日々。小学1年生と3年生になった今は、就寝前に読書の時間を作り自分たちで本棚から好きな本を持ってきては、黙々と1人で読むようになりました。
それでもたまに、「今日はママに読んで欲しい」と、2人で決めて持ってくるお気に入りの絵本が何冊かあります。私も大好きな絵本。何故か私が小さい頃から読んでいて大好きだった何冊かは、子どもたちのお気に入りリストに入っています。今日はその中から2冊ご紹介しようと思います。
まずは、レオ=レオニの『フレデリック』。
レオ=レオニのシリーズの名作『スイミー』も娘たちは大好きなのですが、この『フレデリック』は、私が小学校2年生の頃、学校の学芸会で演じた演目でした。私は主役のフレデリックを演じたのですが、今でもその台詞を覚えています。
仲間のネズミたちが忙しく冬眠の準備をする中、フレデリックはマイペース。のんびり色を集めたり、詩を集めて冬眠中の疲れて飽きてしまったネズミたちの人生に彩りを与えるのです。忙しく冬眠準備の為に働いているネズミは、「フレデリック、君は一体なにをしてるんだい」と声をかけます。空を眺めながら彼は、「僕は色を集めているんだよ、、、」と。
小さい頃からマイペースで、授業中も窓の外ばかり見て色んな物語を作ったり空想ばかりしていた私。主役に決まってすぐ個人面談があった時、母は担任の先生に「野波さんにピッッッッッタリの役なんですよ!」と言われたそうです(笑)。母も本番を見て、「あの役は麻帆そのまんまだったわね〜」と笑っていた事を、娘たちに話しながらこの絵本を読んだら、「ママってちょっと変わってる子だったんだねぇ」と、クスクス笑います。
皆と足並み揃えてやらなきゃいけない時も勿論あるけど、物事の見方は1つだけではない事。オリジナルな考え方があっても怖がらないで意見出来る人であって欲しいと思うのです。そんな思いを知ってか知らずかはわかりませんが、去年長女の2年生の保護者面談の時、担任の先生に「算数の計算の考え方では、例えクラスの1%であっても手をあげて自分の意見をしっかり説明する事が出来ます。しかもその考え方はとてもオリジナルで間違っていないので他の生徒たちが驚いて、面白い!なるほど!という声があがるので凄く刺激になっています」と言われた時は、あ、この子もフレデリックだ(笑)、と笑ってしまいました。
そしてもう1冊が、『ないた あかおに』。
この本は読み聞かせの時から、私が泣かずして最後まで読み切る事が出来ない本です。最後の青鬼からの手紙を読み上げる場面で、娘たちと3人揃って一緒に泣いてしまいます。
近くの村に住む人間たちと友達になりたい心の優しい赤鬼がいます。その気持ちを知った遠い谷に住んでいる友達の青鬼が、わざと人間に悪さをします。自分はヒール役に徹し、そこへやってきて人間を助けた赤鬼をヒーローにしてあげて人間たちと仲良くさせてあげるのです。そして赤鬼のために手紙を残して青鬼はどこか旅へでていなくなるという結末。手紙には「どこにいようと きみをおもって いるでしょう。きみの だいじな しあわせを いつも いのっているよ 。どこまでも きみの ともだち あおおに。」と書かれているのです。あかおには近くにいる人間と友達になりたかったけど、本当にあかおにを想っている人は遠い場所に住んでいたあおおにだったことに気付き泣くというお話。
私はこの本を通じて、「愛は、物や人ではなく心で感じるもの。大事な物、大切な事は意外に目に見えないことが多いという事。自分にとって本当に大切なものをちゃんとわかっておこうね」と、娘たちに話しました。
この本を初めて読んだ時、次女は幼稚園に入ったばかりでまだ3歳でした。ママっ子でひとときも私のそばから離れない子だったのですが、1度も泣かずに登園し1ヶ月が経った頃、「どう?ママはいつも心の中にいるから幼稚園にいても寂しくないでしょ?」と聞くと、初めて目にいっぱい涙を溜めて「うん。ママはいつも心の中にいるよ。だっていつもママを思い出しているから」と、ポロポロ泣いて言ったのです。
その時、離れて寂しいけど、愛が心にあるからなんとか踏ん張って頑張っている園での娘の様子が鮮明に目の前に浮かんできて、一緒に泣いて抱きしめた事がありました。
もう読み聞かせではなくなって、1人で読める年齢になってしまった娘たち。自分の想像の世界を膨らませながら読む読書タイムは最高に楽しいものです。でもたまにはこうやって、大好きな絵本を一緒に読む事は私たち親子にとって、とても良い時間。いつか娘たちが家族を持ち、子どもが産まれたらどの本を手に取ってくれるかなぁと想像が膨らみます。
その時はきっと、青鬼のように私たち親は少し遠く離れ、「こころから こどもたちの だいじなしあわせを いのっている」でしょう。。。。♡
〈野波麻帆さん連載〉
俳優 野波麻帆、オシャレも遊びも満喫の家族時間