子どもたちと過ごす日常から、多様性やダイバーシティを考える
俳優 野波麻帆、オシャレも遊びも満喫の家族時間
- 名前
- 野波麻帆 / Maho Nonami
- 家族
- 4人(8歳と6歳の女の子)
- 所在地
- 東京都
- お仕事
- 俳優、「himher」デザイナー
- URL1
- 野波麻帆(@mahononami)Instagram
- URL2
- himher
【俳優 野波麻帆、オシャレも遊びも満喫の家族時間】
気が付けば、もう1年の半分が終わろうとしています。気候も良く過ごしやすい日々から、ジメジメと纏わりつく暑さを感じ始めた今日この頃。暑い暑い夏ももうすぐそこに。そして、ママ達も大忙しの夏休みも迫ってきました!(笑)
先日、子ども達の靴が続々とサイズアウトしてしまったので、原宿へお買い物に。途中見晴らしの良いカフェでお茶をしながら原宿の街を歩く人達を観察してみると、少し意外な事を発見しました。
着ている洋服や身につけている小物、髪型なども、皆似たり寄ったりで個性をあまり感じられなかったのです。
昔よりも多様性を意識した時代になっているからこそ、もっと個性的な格好の人たちがいるんだろうと期待、というか少し思い込みもあったのかもしれませんが、なんだか肩透かしを食らった気分に。
大量生産で単価が安いファストファッションが売れている今だから、このように皆なんとなく一緒で個性がないのだろうか、と考えましたが、とは言え、そんな中でも工夫すれば個性は出せるはず......。やはりまだまだ日本は、島国特有の「和を重んじる」文化ゆえに、皆同じで皆安心、という心理が働いているのでしょうか。
同じ小学校へ通う2年生と4年生の娘達の学校には、制服があります。パンツスタイル、スカートスタイルの2種類があるのですが、どちらを着ても自由。皆、思い思い自分らしい制服を選んで着て行きます。
ある朝、子ども達を学校へ送っていく通学路で、一緒に向かう姉弟らしき姿が。お姉ちゃんが長女と同じクラスだったので声をかけて一緒に登校しました。
その日、下校した長女に、
「〇〇ちゃん、弟くんがいるんだねー!」
と声をかけると、
「違うよママ、妹だよ。でも産まれてからずっと男の子だと自分のことを思ってるから男の子の格好しているんだよって、〇〇ちゃん(お姉ちゃん)が教えてくれたよ」。
と。そこにはまったく負の気持ちがなく、「そう思ってるんだから当然だよね!」というような感じがあふれていたので、こちらも「そっか!」と、なんだか晴れ晴れとした気持ちに。彼女がそう思えるきっかけになったのは、仲良しのクラスメイトの存在が大きいように思います。
その女の子はすでに皆に、「私、男になりたいから」と話していて、パンツスタイルで登校しています。スポーツも万能で野球も大好きで人気者。クラスの皆は、彼女を理解し受け入れ尊重し、差別することはありません。
先日、車を運転して家へ帰ろうとしていた私は、たまたま長女の下校途中に遭遇。長女とその彼女は肩を組んで男女6人くらいの友人達と談笑しながら、皆でワイワイ楽しそうに下校する光景をみて、なんて素敵なんだろうと胸が熱くなりました。
私達の時代の学生生活では、まだ考えられなかったと思います。とはいえ、2022年度男女平等ランキングを見ても、日本は146ヵ国中、116位。世界に比べてまだまだダイバーシティには程遠い今。
私が先日原宿で見た、同じような格好で行き交う人々。子ども達がもう少し大人になった時代には、もっともっと個性が溢れ、愛が溢れ、本来の多様性を感じられる光景があの場所で見られるのでしょうか。
"自分と違う"を、受け入れる。"他人との違い"を、恐れない。
多様性というと、社会において大きななにかを多種多様な人々とともに、高い意識を持って作り上げる、というような、なんだか壮大な世界のようにも感じますが、きっと娘達のように、日々の暮らしの中での小さな関わり合いから愛を持ち接していけばきっと、寛容で人々に優しい大きなダイバーシティ社会へと変化していくのだと思います。
小学生の彼らは、世間一般から見たらマイノリティである友人をちゃんと理解し受け入れ、差別せず、一人一人が自分らしく生きていける社会をすでに作りはじめているんだと思うと、未来に少し希望をもてる気がしました。
〈野波麻帆さん連載〉
俳優 野波麻帆、オシャレも遊びも満喫の家族時間