習い事は楽しさだけじゃない、辛さや努力こそ未来のドアを開く鍵に

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俳優 野波麻帆、オシャレも遊びも満喫の家族時間

名前
野波麻帆 / Maho Nonami
家族
4人(9歳と7歳の女の子)
所在地
東京都
お仕事
俳優、「himher」デザイナー
URL1
野波麻帆(@mahononami)Instagram
URL2
himher

俳優 野波麻帆、オシャレも遊びも満喫の家族時間

満開だった桜も散り、葉桜が青く茂る季節となりました。
子どもたちは新学期。あっという間にうちの娘たちも小学校4年生、そして2年生へと進学しました。

長いようで短かった今年の春休みは、長女はもうすぐ2年目になる習い事のダンスの発表会を控えて、1月からずっとダンス漬けの日々。春休みは、ほぼ毎日ダンスのリハーサル、そして2日間のゲネを入れたら4公演の本番。

次女はと言うと、今回の発表会では次女のクラスのナンバーがない為お休み。それもあってか、一度ダンスをお休みしてちゃんと続けられるか考えたいと私に伝えてくれました。

もちろん、大賛成。無理矢理なにかをやらせる事はしたくありません。本当にやりたい事を自分で見つけるためには、一度離れて俯瞰で見てみると、見えていなかった景色や、忘れていた気持ちに出会えることは大人になっても多々あります。それがダンスを辞めることになっても、もしくは続けることになっても、本当の自分の気持ちに出会えることを信じ、今は姉の練習を見守りつつお休み中。

ちょうど1年前の初めての発表会。次女は、ダンスを始めてまだ1年も経っていなかったので、とにかく振りを身体に染み込ませるのに必死で、お家で猛練習した日々。
ついつい熱が入り、練習をサボったり、できないことにお互いがイライラして喧嘩になったり、泣きながら親子で必死に戦ったあの日々がまた来るのかと想像すると倒れそうに......(笑)

主人は、私と喧嘩して泣き怒る娘達を陰でフォロー。お互い協力しあって日々のリハーサルの送迎。振り入れや立ち位置の確認。食事や体調の管理。本当に大変でしたが、この日々は私達家族がひとつのゴールへ向かうとても濃くかえがえのない時間だった事は間違いありません。この時間を家族4人で共有できた事で信頼関係がギュッと縮まり、本当に幸せで大切な日々でした。

そしてもちろん、娘達のダンススキルもここでグッとあがりました。

さて、2回目発表会を迎える今年。今回は長女だけですが前回の経験を経て、約束事を2人で作ることに。

1、お互い怒らないこと。
2、楽しく練習できるように、一緒に努力すること。

今回のナンバーは前回のクラスよりレベルがあがって、今年キッズの日本代表としてアメリカへ行くメンバーに選ばれている子達と一緒に踊るというので、かなりの練習量が必要になってくるのが明らか。

実は練習が始まる直前、この発表会が終わったら長女はダンスを辞める気持ちがある事を、次女がこっそり教えてくれていました。自分で発表会に出ると決めた長女は私にはその事を言いませんでしたが、皆んなに追いつくには練習量がかなり必要でそれがこれからずっと続くと思うと自分的にキツイと思う、と妹にだけ打ち明けていたようです。

私はあえてそこには触れず、これが最後の発表会になるかもと理解しつつ、やると決めた長女を怒らずに最後までフォローしようと覚悟したのです。(とはいえ喧嘩した日もあります)笑

そんな練習練習の日々のなかで、少しづつ長女の気持ちが変化してしていきました。
上手なお姉さん達に囲まれた時、もっともっと上手くなりたい、近づきたいという向上心を今までよりも強く表すように。前年にはなかった立ち位置を決めるテストがあったりと、小学生の精神にはなかなかハード。そして、意識の高い子達ばかり。

昨年は同じようなレベルの皆と一緒に楽しく仲良く、先生の振りをしっかり覚えて作り上げる、だったのが今回は違います。
そんななか、彼女は昨年とは違う、なにか自分の目標を見つけたようでした。

リハから帰ってきても、すぐに練習の動画をみて、何度も踊ってみてはもう一度確認して、自分ができていないところをノートに箇条書きで書き込んでいました。次のレッスンまでにできるように練習して、また次のレッスンが終わったらできなかったことをノートに記入。少しづつ箇条書きが減って行く時もあれば、また新しい課題点を見つけ書き加えたり。この方法は、とっても上手で尊敬しているメンバーの子に教えて貰ったそうです。

「どうしたら〇〇ちゃんのように上手くなれるの? どうしたらピルエットを3回以上回れるようになるの??」
と素直に聞いたそう(笑)。

まだまだ小学3年生、ただただ憧れの気持ちがストレートで幼くて笑ってしまいました。そして聞かれた女の子もとっても素直で優しく、全部丁寧に教えてくれたそうです。

本番と前日のリハーサル入れて3日間、基本的に親は9時〜21時まで楽屋も入れません。2食分のお弁当を持たせたらノータッチ。子ども達同士で衣装も協力しあって着替えます。メイクが取れていたら上手な女の子が直してくれたり。もう一つ上のクラスに出演しているメンバーの子は、楽屋で上のダンスナンバーを下の子達に教えてくれたりもしていました。刺激し合い、意識を高く持っている子達ばかりだけど、戦っているのは己れであって、仲間を大切にリスペクトしています。

お手伝いで入っているリーダーママや娘から合間に送られてくる写真には、楽屋でグミを分けっこしたり皆んなで輪になっておにぎりを食べたり、キャッキャと笑う笑顔がまだまだ幼い子ども達なのに......。

本番では、一気にその場の景色を変えました。
一人一人が自分達と戦いスキルをあげ、しっかりと自信をつけて役割を果たし、皆で一緒に作り上げるという意識をすでに個々で持っているその雰囲気は、なんとも大人っぽく圧倒され、気迫さえ感じた程。

リハーサルが始まって間もない頃、振りもバラバラで、立ち位置も覚えられず不安そうに練習場をあちらこちらへ行っていた子ども達が、ひとつのステージで大きく成長したのです。

そして今回、自分の娘ももちろん、たくさんの子ども達と触れ合い、本番3公演すべての作品を観た中で改めて気づいたこと。

それは、ただ楽しいと感じるだけでは、人間は成長しないということ。

そこには努力が必要でその努力は時に辛さを伴い、その辛さを感じながらも自分の目標へ向かうことで本当の楽しさを見つけられるんだということ。

たくさんのナンバーに、たくさんの子ども達。
ただただ楽しんでいるだけの子ども達は、明らかに自分達だけで完結しているのが客席側に伝わり、なにもPassionを感じなかった。魅せるというよりもただ楽しいから踊っているだけ。
あとは、習ったことをただただそのままやっている子。そこにはやらされている感もあり、本人の気持ちが見えてこない。その差は会場の空気と拍手で歴然でした。

でもその一方で、ダンスが本当に好きでもっと上手くなりたくて、辛さを伴いながらも努力しながら踊っている子は、その気持ちがダンスに溢れ、そんな姿に心を動かされ自分の子どもじゃなくても涙が止まりませんでした。

改めて、子ども達を通して気付かされたことは、大人になった私達にも通じること。
人生どんなことも、ただただ楽しい、というだけでは成功しない。
何も身にならず、修得できず、人の心を動かせない。

もちろん0.01%の確率で、天才がいて苦しみを味合わず成功する人もいると思います。でも、それはかなり稀なケース。

その時ふと、現代のお稽古事情を重ねて考えてみました。
なぜかなんとなく、そして随分と昔から、ピアノ、水泳、バレエ、そろばん、習字を習わらせるご家庭が多いように思います。何故だろう。

ピアノは手先を使うので昔から頭にも良いとされているようです。でも手先を使うことは家でもたくさんできます。折り紙も工作も、そしてピアノではなくギターやフルート、三味線、他にもあらゆる楽器があるのです。
皆がやってるから同じようにピアノ、という考えを捨てもっと他の楽器にも目を向けても良いのではないでしょうか。

水泳も、溺れないように1人で泳げるようになるのは大事です。でもそれは水泳教室に行かなくとも時間を作れば親が教えることが容易にできます。本人が楽しんでもっと色んな泳ぎを習得したいなら別ですが、そうではないとやめ時が分からず続けていたり。

バレエは身体の線が綺麗になったり、身体も柔らかくなるので怪我をしにくくなったり、特に女の子はバレエをやらせたいご家庭が多いように思います。
でもダンスは、特に本人のやる気と目標がないとなんの成長もないまま楽しいだけで終わるように思います。逆に辛いと本人が思っていても言えずに続けさせていた家庭をいくつも見たことがあり、結局途中で辞めてしまいなんの身にもならず......なんてことも。

ただただ通わせていませんか?
そして、ただただ通っているお子さんになっていませんか?
本当に好きだからこそ、楽しいと思うなら目標をたて努力していますか?

長女は発表会が終わり、今のクラスはこのまま続けつつ、他のクラスも受けてみたいからダンスのお稽古時間を増やしたいとの事。
辞めたいんじゃなかったの?と驚いて言うと、〇〇ちゃんや△△ちゃんのようにもっと上手に踊れるようになりたい、と。憧れと尊敬の気持ちから目標がしっかり定まったようです。

そして次女はそんな姉の一部始終をずっと隣で見つつ、3回の本番を自分から全部見たいと言ってきました。

終わって今後どうするか決まった?と尋ねてみると、もう一度踊りたいという気持ちになったそうです。というか本当はダンスが好きでずっと踊りたかったのだけど、姉のように上手く踊れなくて心が折れてしまっていたのでした。

年齢差が2歳あるので習得の速さは違うのが当たり前。もちろん同い年でも、人それぞれ時間のかけ方が違うのだから、絶対に人と比べないこと。自分のできる精一杯の努力を続け、諦めないこと。
この約束を守れるのであればダンスを続けたらいいと思う、と話しました。

やりたい、と誓った次女はまた新学期からレッスンに向かっています。
クラスを増やした長女も、目標を持って走り続けています。
レッスンへ向かう二人の足取りは軽く、その背中は希望に満ちていて眩しいほど。

好きなことへの努力を怠っていない?
そんな背中を見ながら、ふと自分に問いかけて足を止めました。

私にも希望に満ちた未来へ続くドアがまだ幾つもあり、そのドアを開けるのか、一生閉ざされたままにするのかは自分次第。そのドアを開けるタイミングに年齢は関係なくて、幾つになっても開くのです。

子ども達に習い、私も自分の新しいドアへ向けて努力し続け、開けてはまた次のドアへと、走り続けようと心に誓ったのでした。

〈野波麻帆さん連載〉
俳優 野波麻帆、オシャレも遊びも満喫の家族時間

       
  • ダンス発表会当日

  • 発表会

  • メッセージ

          
  • 腹べこ

  • 春休みの旅行

  • BLACKPINK

  • メイクをして衣装のティアラも頭につけて、本番へ向かう朝。外の桜は気付けば散り始めていて、空にフワフワと舞う桜の花びらを追いかけて、掴まえたところ。

  • 3回の本番はどれも素晴らしく、フィナーレも感動的でした。他のナンバーの皆も本当にカッコよくて子ども達が生き生きと輝いていて、それだけで涙が溢れるようで、本当に素敵な2日間を過ごさせて貰いました


  • 発表会のフィナーレは、お揃いのTshirtで。さくらの咲く時期に、渋谷のさくらホールにて本番を迎えました。ホールでは皆がさくらのカードにメッセージを書いて貼り、沢山の花を咲かせました。

  • たくさん練習して、お腹ペコペコで帰ってくる長女。お気に入りのUrth Cafeのサラダとパンケーキでご機嫌です(笑)。

  • 本番が終わったので、ようやく春休み。学校が始まってしまうので遠出は諦めてシェラトン舞浜へ。プールで泳いだりパターゴルフやアスレチックのアクティビティをやったり満喫してくれたようです。

  • そして大好きなBLACKPINKのLIVEを観に、友人と一緒に東京ドームへ。手作りのうちわも作って、ライブTシャツも着て準備万端!