イギリスの公立小学校への進路決定、その結果発表に一喜一憂

ロンドン発、アナウンサー秋元玲奈の海外子育てニュース
- 名前
- 秋元玲奈 / Rena Akimoto
- 家族
- 5人(7歳の男の子、3歳の双子の男の子)
- 所在地
- ロンドン
- お仕事
- フリーアナウンサー
- URL1
- 秋元玲奈(@rena_akimoto)Instagram
- URL2
- Rena Akimoto Official Website
【ロンドン発、アナウンサー秋元玲奈の海外子育てニュース】
4月のロンドンには、日本のように街全体が桜色に染まる風景はありません。それでも、公園や通りの一角にふと現れる淡いピンクに、春の訪れを感じます。そしてこの季節、親たちの胸の内にもまた別の意味での「開花」と「落花」が訪れます。
3歳から4歳の子どもを持つ家庭にとって、4月は特別な月です。9月から始まるレセプション(義務教育の入り口)に向けて、どの公立小学校に入学するのか、その結果が発表されるからです。我が家もまた、双子の進学先が決まるこの春、久しぶりにその緊張の時間を過ごしていました。
長男が通っているのは、セントラルロンドンでも人気の高いカトリック系の公立小学校です。イギリスの公立校は、日本のイメージとは異なり、学校によっては私立に近い規律や文化を持っています。制服や礼儀に厳しく、学習環境も整っており、私たち家族はその雰囲気をとても気に入っています。
ただし、この学校には明確な原則があります。入学においてカトリック信徒が優先されるという点です。我が家はカトリックではありませんが、長男はYear1の途中で幸運にも入学が叶い、その後、双子も付属ナーサリーに通わせていただくことができました。振り返れば、三兄弟が同じ学校に通えている今の状況のほうが、むしろ例外的だったのだと思います。
そしてこれから迎えるレセプション入学。ここからは事情が一変します。イギリスではこの段階から完全に自治体が入学を管理し、宗教、居住距離、兄弟関係などの明確な基準に基づいて、機械的に学校の振り分けが行われます。家庭がどれだけその学校を希望していても、その優先順位の枠組みの中で判断されるため、個別の事情が反映される余地はほとんどありません。
結果は、ある意味で予想通りでした。双子は現在三兄弟が通うカトリック校ではなく、別の学校への配属となりました。ナーサリーのクラスメイトの中で入れなかったのは我が家の双子だけ。他のご家庭は皆カトリック信徒である以上、制度としては極めて明確で、納得せざるを得ない結果でもありました。
それでも、日々一緒に過ごしてきたお友達と離れるかもしれないと思うと、やはり胸に残るものがあります。周囲のママたちや先生方も同じように驚き、残念がってくださったのが印象的でした。
今回改めて実感したのは、セントラルロンドンにおける「人気公立校」に入ることの難しさです。そしてその背景には、ここ数年の教育を取り巻く環境の変化もあります。イギリスでは2025年から私立校の学費に20%の付加価値税(VAT)が課されるようになり、もともと高額だった学費の負担がさらに増しました。その影響もあって、これまで私立を選択していた家庭の一部が公立校へと志望を変え始めています。その動きは2026年に入り、徐々に現実の競争の中に表れ始めているように感じます。
ただし、その人気はすべての公立校に均等に広がっているわけではありません。評価の高い学校に志望が集中し、いわゆる"人気校"とそれ以外の差がより鮮明になっている、そんな印象を受けます。
そうした中で、今回ひとつ救いだったのは、双子がオファーをいただいた学校が、現在通っている学校と同じ校長先生が運営する、いわば姉妹校のような存在だったことです。
自宅からはやや距離があるという現実的な課題はあるものの、同じ地域のカトリック校ということもあり、周囲のママたちに話を聞いてみると、「今の学校と保護者や生徒の雰囲気が一緒」「先生の数が多くて目が行き届いている」「小さいうちはむしろ安心して通わせられる」といった声も多く聞かれました。思い描いていた道とは少し違っても、子どもにとってはまた別の良い環境があるのかもしれない。そんなふうに、少し視野が広がった気もしています。
さらに、イギリスでは途中学年(in-year)での編入も珍しくありません。長男のときのように、将来的にまた元の学校に戻る可能性もゼロではないと思うと、目の前の結果を必要以上に重く受け止めすぎずにいられる気もします。
9月まではまだ時間があります。夏の終わりにかけて状況が動くこともあると聞きますので、我が家は少し肩の力を抜きながら、この先の流れを見守っていこうと思っています。ひとつの結果に区切りをつけながらも、選択肢は決して一つではない。そう実感した春でした。
〈秋元玲奈さん連載〉
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