寒いニューヨークで思う、誰にでも等しい教育、そして優しさについて

子育ても仕事も自分らしく彩るマンハッタンの暮らし
- 名前
- 小浪良子 / Ryoko Konami
- 家族
- 3人(夫、7歳の女の子)と8歳の豆柴
- 所在地
- ニューヨーク
- お仕事
- IROHA NYC経営
- URL1
- 小浪良子 / Ryoko Konami インスタグラム
- URL2
- IROHA NYC
【子育ても仕事も自分らしく彩るマンハッタンの暮らし】
暦の上では春になりましたが、ニューヨークの空気はまだまだ冷たく、氷点下を下回る日々が続いています。このあいだ連休があったので、雪の中をアップステートへ小旅行に出かけました。
寒い寒いと言いながら焚き火をしたり、一面の雪景色を眺めながら本を読む。そんな何気ない時間が、思っていた以上に豊かで、季節をきちんと感じながら過ごすことだけで心が少し整うような気がしました。今年もできるだけ、自然に触れる時間を大切にしたいと思います。
同じ頃、ニューヨークでは大雪が降り、公園や道路にはスノーボードやスキー姿の人たちが現れました。雪合戦をしたり、ソリで遊ぶ子どもたちがいて、極寒の中でも誰にも咎められることなく、街全体がプレイグラウンドになる。
混沌としながらも「今」を存分に楽しむ人たちと、それを温かい目で見守り、笑い合う空気。こんな光景はこの街の良い一面です。
そして悲しいニュースが飛び交うなかで、ニューヨーク市のマムダニ市長は、不法移民を含むすべての子どもがユニバーサル・デイケア(公的保育サービス)を利用できると名言。
それは、「ニューヨークに住んでいる子どもは、どこで生まれたか、どんな立場にあるかに関わらず、等しくニューヨーカーである」というもので、Pre-K(4歳)や3K(3歳)の教育プログラムに申し込む際、ビザや移民ステータスを確認することは一切しないとのこと。もともとニューヨークでは、公立学校への入学時にビザの有無を問わないのが慣わしですが、行政サービスを母国語で受ける権利が保障されていることも含め、移民によって形作られてきた街ならではの姿勢だと感じました。
一方で、市長は今後さらに税金を引き上げる方針も示していて、「誰も取りこぼさない」街を維持するには、優しさもまた無料では成り立たない現実です。
教育とは、知識を与えること以前に、「あなたはここにいていい」と伝えることから始まるんだなと、立春の日にそんなことを考えました。
詰まるところ、すべては愛なんだと、90年代の歌のような言葉で、今日は終わりたいと思います。
〈小浪良子さん連載〉
子育ても仕事も自分らしく彩るマンハッタンの暮らし