STEAM教育が夏休みを利用して実践できる!ローラスのサマースクール

Choice

ローラスインターナショナルスクールのSTEAM教育②

名前
Laurus International School of Science 初等部
所在地
東京都港区
URL
Laurus International School of Science 公式ウェブサイト

ローラスインターナショナルスクール(以下、ローラス)は、日本で初めてのサイエンス・インターナショナルスクール。ブライトチョイスでは、未来のイノベーションの源泉となるローラスの教育現場の中身を、連載でお伝えしています。前回に続いて、今回は毎年満員御礼のローラスの大人気サマースクール、「STEAM SUMMER SCHOOL」をご紹介いたします。

ローラスでは通常授業の他、ローラスの長期休暇中、小学生を対象に外部生にも開かれたシーズナルイベントを開催。中でもサマースクールは特に人気で、夏休みを利用して話題のSTEAM教育を我が子にも経験させたいと、毎年多くの外部生が参加しています。「時代に合ったテーマに基づき知識を深められる」と好評で、参加者のうち1/3ほどはリピーターだそうです。

ローラスのサマースクールでは、日常における子どもたちの何気ない疑問・関心に関連したテーマに取り組んでいます。今回取材した週のテーマは、"Ecological Management"(環境マネジメント)。海の生態やマイクロプラスチック、サステナビリティやSDGsなどについて学習しながら、今起きている世界規模の環境問題について自分たちが持った疑問をリサーチし、解決策を模索します。実際に社会で活躍するゲストスピーカーの話を聞く機会も設けることで、さらに知識を深め、自分たちの疑問を探求することができます。そして、最終日には、自分の導き出した解決策についてiMovieを使って発表します。また、学年を越えたクラス編成が、5日間を通して子どもたちの互いの学び合いを促します。

まず午前中は座学がメイン。Sustainable(サステナブル)、Pollution(環境汚染)、Environmentalist(環境運動家)、Waste(廃棄物)など、テーマに関連したボキャブラリーを習得し、ディスカッションをしながら環境問題、異常気象、水質汚染などについて深く学びます。座学といっても双方向のコミュニケーションを中心に、互いの学びを高め合うことができます。

午後はSTEAMの時間。この日は、海のゴミを収集するための"Pollution Cleaning Conveyor"と呼ばれる装置を制作していました。実験を重ね、先生からのフィードバックも受けながら、試行錯誤を繰り返し、前回記事でも紹介した「STEAMマインドセット」を学びます。重要なのは、失敗を恐れず何度でもチャレンジする姿勢です。

週に1度、海洋環境に関わる様々な企業・団体がゲストスピーカー(詳細は下記スライドショーをご参照)を招待。今回は、海洋ゴミと太陽が海洋生物にどのような影響を与えるかについてお話がありました。すでに環境問題の知識が豊富な子どもたちにとっても、実際に現場を知り尽している方とコミュニケーションしながら、どのようにしたら海のゴミがなくなるか、環境問題を解決するために何ができるかなど、よりリアルに考えるきっかけになったり、海と自分たちの繋がりを感じた1日になったようです。子どもたちから質問が飛び交う様子に、"内側から湧き出る好奇心や探求心"が伺えます。

そして最終日には、5日間にわたる多角的な学びの集大成として、自分なりに導き出した解決策をプレゼンテーションします。そこに正解・不正解はありません。"自分が問題に対してどのように考え、どのように解決策を導き出したのか"を共有することで、他者と切磋琢磨しながら自分のアイディアをさらにブラッシュアップできることに意義があるのです。

次回記事では、1週間のプロジェクトを通して自分のプレゼンテーションを創り上げるプロセスから、最終日の発表会までの様子について、より具体的にお伝えします。

〈連載概要〉
第1回: STEAMカリキュラムが魅力!ローラスインターナショナルスクール
第2回: STEAM教育が夏休みを利用して実践できる!ローラスのサマースクール(本記事)
第3回: STEAMマインドセットを活性化するローラスのサマースクール

〈参考記事〉
アート学習は海外の常識?知識を生きる力にするSTEAM教育

       
  • 午前中の座学の時間を過ごす教室。

  • 子どもの興味・関心も高いSDGsのポスター写真

  • ラボラトリーで無我夢中にプロトタイプ作りに取り組んでいます!

          
  • iMovieで自分のオリジナル動画を撮影。

  • ゲストスピーカーによるリアルな話に耳を傾けています!

  • 先生のフィードバックを積極的に求めている子どもたち

  • 週のテーマに関連するボキャブラリーがわかりやすく貼られた教室で、Vocabulary Quizを行います。新しく学んだ言葉について、自分の考えを周りにわかりやすく説明することが求められます。自分の考えを共有し、さらにブラッシュアップする力を育みます。

  • 「SDGs」に興味関心の高い子どもたちが多く、生徒の中には、「SDGs」の17つの番号とそれぞれのテーマも覚えた子どももいるんだとか!

  • 午後に行われるワークショップでは、制作物の仕組みを考え、自由にカスタマイズしていきます。また実際に自分で制作したものを試し、改善していく過程を楽しんでいる様子が伝わってきます。

  • 子どもたちは、動画に入れる写真や音などのアニメーションも工夫して自分だけのオリジナル動画を制作していました。

  • 今回のゲストスピーカーは(注1)、一般財団法人水中ドローン協会、NPO法人海の環境教育 NPOブリッジ、認定NPO法人オーシャンファミリー、日立造船株式会社、船の科学館。子どもたちは実際に世界で起こっている環境問題について自分たちに「何ができるか」を真剣に考えます。

  • 一番上の年齢のクラスでは、既にプロトタイプ作りが完成し、プレゼンテーションを仕上げていました。先生に対し積極的にフィードバックを求め、自分のプレゼンをブラッシュアップしていくプロセスを通して、確かなコミュニケーション能力が身に付きます。