中身の濃い国際バカロレアDPコースの模擬試験、私の対策法

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DP履修生が語る、国際バカロレア校のリアルな日常

名前
木村紗羅/Sara Kimura
所在地
パリ
お仕事
International School of Paris 学生
URL
International School of Paris

2年かけて履修される国際バカロレアDPでは、1年目の2学期の最後に、4日間の模擬試験(Mock Exams)が行われます。これは、2年目の最後に行われる2週間にもわたる本番試験(この成績により大学入学資格を取得できることになります)の模擬にあたるものです。

今回は、その模擬試験対策をどのように行ったのかを木村紗羅さんに綴っていただきました。

【DP履修生が語る、国際バカロレア校のリアルな日常】

5月某日

以前の記事で、何事も早めのうちに始めるのが国際バカロレアをうまく乗り切るコツだと書いた覚えがあります。ですが国際バカロレアのMock Exams(模擬試験)を一旦終えた今、結論から言うと、私にとって試験勉強はひたすらモチベーションとの勝負でした。

今まで学んできたものがエッセイクエスチョン(論文問題)、計算問題、短文問題など、どんな形式で出題されるのかがわからない上に、教科ごとにテストのフォーマットが大きく違うため、どこから手をつければいいのかに迷いました。
また、国際バカロレアDPは、Extended Essay(1年かけて書き上げる論文)、Internal Assessment(最終成績の一部に含まれるレポート課題)やCAS(課外活動)など、同時進行の課題が多数あるため、試験直前になっても試験勉強に集中できるわけではありません。(国際バカロレア ディプロマプログラムについて、詳しくは「ISAKでも採用する国際バカロレア ディプロマ・プログラムとは?」をご参照ください。)

国際バカロレアの本番の試験では、3週間ほどの準備期間が設けられているので、模擬試験のような焦りはより少ないはずです。が、海外(とくに欧米系)の大学、または日本の大学の9月入学を考えている場合、模擬試験の結果に大きく影響されるPredicted Grade(予想点数)は、最終テストの成績と同じくらい重要です。なぜならば、大抵の場合、大学は一旦予想点数のみで生徒を受け入れるか否かを決めるからです。

私が受けている科目の中で、最も模擬試験の準備を心掛けていたのは経済学でした。試験内容は次回の記事で詳しく書きますが、学校が始まってから1ヶ月半ほど続けていた箇条書きのエッセイプランを試験の約3週間前から再開しました。
経済の専門的な用語は、定義をひとまず暗記し、それを他者に説明できるようにしたいということで、弟に経済の理論について夕食後などに語り聞かせました。それに加えて、計算やダイアグラムの使用も自信を持ってできるようにしたかったため、なによりも優先して経済学の準備を始めたのです。
正直なところ、試験の3週間前に準備を始めるのは、かなり時間が限られているため、時間を巻き戻せるなら長期戦で試験に挑みたかったなと思います。

数学の勉強は、自宅では数学の得意な友だちと電話を繋げながら問題を解いたり、学校では放課後に図書館でクラスメートからわからないところを教えてもらって対策をしました。
国際バカロレアにおいては、仲間が大事だとつくづく感じさせられます。ひたすら解いた問題は、今まで受けてきたテストで出た問題や、ネットで調べた過去問で少しずつ進めました。

日本文学も数学と同様に、仲間の協力のおかげでなんとか乗り切ることができました。試験の1ヶ月ほど前から日本文学を受けているクラスメートを集めて、共有したGoogleDocsに表現技法とその効果、そして論文に使えそうな熟語をリストアップしたのです。
もちろん言語能力は短期間で伸びるものではないので、気休め程度ではありました。ですが頼れる仲間がいると、勉強の効率も上がるので、協力しながらできる試験勉強があるならば、その方法を選ぶことを私はおすすめします。

英語も日本語のように言語なので、前夜に軽く表現技法を詰め込んで、すぐ試験に挑みました。結局国際バカロレアの言語の試験とは、レトリックに気を取られるよりも、与えられた課題に心から向き合って分析するのが大事だとか。そのため、英語の試験の前の晩は早めに眠りました。

科目の中で復習をいちばん疎かにしてしまったのは生物学でした。覚えないといけないものがあまりに多く、定期的な復習がどれだけ大切かを痛感。
とにかくネットで見つけた過去問やテストで以前出た問題をある程度理解できるようにしておいたので、なんとか焦らずに試験の日を迎えられました。

〈参考記事〉
【インターナショナルスクール生その後の進路:国内ボーディング編】
西町からUWC ISAK JAPANへ進学③
ISAKでも採用する国際バカロレア ディプロマ・プログラムとは?

<連載概要> 「国際バカロレアの日々の学び」を実際の学習現場からお伝えする、木村紗羅さんの体験日記はこちらより
DP履修生が語る、国際バカロレア校のリアルな日常

       
  • いちばん集中して取り組んだ経済学のノート

  • 勉強の合間に息抜きを

  • 図書館で友だちと一緒に勉強

          
  • とにかく時間をかけたのは経済学。論文プランの見直し、専門用語の暗記、計算やダイアグラムの使い方など、徹底的に取り組みました。

  • 自宅や学校の図書館などで、根を詰めて勉強に励みました。ときどきは外の空気も吸って息抜き。

  • 科目によってはグループで勉強するのがとても役立ちました。わからないところを教えあったり、ポイントとなりそうな点をGoogleドキュメントで共有したり。勉強がとてもハードな国際バカロレアでは、仲間の存在はとても大きいのです。