ハワイ移住して実感した最初の壁。子育てで重要視されるのは何?
ハワイ移住したエディターReiko H.の、子育て奮闘記
- 名前
- Reiko H.
- 家族
- 3人家族(夫、5歳女の子)
- 所在地
- アメリカ・ハワイ
- お仕事
- 編集、ライター
- URL1
- Precious Hawaii with Kids(HPは2024年オープン予定)
- URL2
- rei.
【ハワイ移住したエディターReiko H.の、子育て奮闘記】
帰国子女でもなく、日本で生まれて日本で育ってきた私にとって、アメリカでの子育ては価値観を覆されること、日常茶飯事です。独身時代に重ねてきた海外体験は多々あれど、子育てや教育となると、話は別。全くの未体験ゾーンであります。
ハワイに移住した時、娘は1歳8ヶ月。そして現在5歳。ハワイで子育てをしていて、褒め言葉で初めて言われたセリフがあります。それも1回ではなく、例えば習い事の先生から、動物園でたまたま会った見ず知らずの人まで、色々なところで。
「She is confident.」
ざっくりいえば、要するに「自己肯定感」っていうやつでしょうか。今でこそ、日本でも当たり前のように使われるようになった自己肯定感という言葉。子どもの自己肯定感をいかに高めるか? 自己肯定感の高い子どもに育てるにはどうしたらいい? そういったテーマのコンテンツを、書籍でもネットでもたくさん見かけるようになりましたよね。
新時代のキーワードだからというわけではなく、ここハワイでは(きっとアメリカ全土で)、そもそも最初にプリスクールやキンダーの受験で最も重要視されるのが、この「Confidence=自分に自信を持っている」、ということのようです。
正直、3歳4歳の年齢で自分に自信なんて持てるもの? と、私は思っていました。私のイメージにあった"自信"って、いわゆる「何か一つ得意なことがあって、それが自分への自信に繋がる」みたいな、得意項目や秀でた習い事ありきな感じで、それはもう少し大きくなって小学生くらいから芽生えてくるものだろうと感じていたから。でも、幼児期で言うところのConfidentは、もっと根底の部分に育っていく、土台みたいなものだと感じ始めました。
うちの娘はバイリンガルな分、プリスクールではまだまだ英語はネイティブの子に比べたら遅れていると思い、キンダー受験の準備で、英語強化のためのチューターや塾に通わせていました。塾と言っても4歳ですから、お勉強というよりセンテンス(文章)での受け答え練習や、知能クイズ的な遊びの中で脳を慣らしていく程度のもの。
その塾で、私も娘も大好きなベテランの先生、Ms.Karenがある日こう言いました。
「彼女には毎日楽しいことがあふれている。ハッピーな瞬間が日常の中にたっくさんあるの。それってこの年の子に、受験のためのお勉強をさせることよりもずっと大切で、お母さんの何よりもの功績なのよ!」と。私の背中をポンと叩きながら言うのです。
「自分の心の中に安定したハッピーな基地があることで、どんな場所に行っても新しい学びや体験を積極的に自ら楽しむことができる。それがこの子たちの"Confidence(自己肯定感)"となるのよ」、と。そして、「そんな土台さえあれば、子どもは自ら学ぼうとし、やがて学ぶことは楽しいことになる」と、言うのです。
そう教えてくれたMs.Karen。何人もの子どもたちをマンツーマンで見てきた塾の先生ですが、私にとっては先輩ママであり、母のような存在でもあります。
そもそも、親の心配をよそに、英語が遅れていようがいまいが、全く気後れすることなくどんな新しい環境に飛び込んでもマイペースに楽しんで友達を作ってしまう娘の逞しさみたいなものは、小さな頃からありました。生まれもった性格なのか? 何がそうさせたのか?
今、自分の子育てを振り返ってみて、何となく良かったのかなと感じることがあるとするならば......、娘が生まれてから暮らす拠点が変わっても、ロンドン、東京、バンクーバー、一時的であれ、娘が楽しめそうなスクールやコミュニティにとりあえず入ってみたこと。
さらに、母である私も一緒にその冒険を楽しんできたこと。娘のチャレンジ=母のチャレンジなわけで、どんなに新しい環境でも、国境も人種も言葉の壁もとりあえずジャンプインしてみる。
気づけばいつしか、そんな幼児体験が、この世界は楽しいことがいっぱいあるんだ! 的な、目に見えない自信に繋がったのでしょうか。果たして正解は分かりません(笑)。
ハワイに住んで海外の教育を知れば知るほど、枠組みを作ってそこにきちんとハマるような子どもを育てていくのではなく、みんな違ってみんないい、が当たり前の環境だなぁと感じます。
母国語が、日本語や韓国語、スペイン語......何であっても、クラスで先生の質問に対して臆さずにハーイ!と手を挙げられる。答えが合ってようが違っていようが、自分はどう思うのか、意見を発言できる。そんな子どもたち。私が子どもの時は絶対にできなかったなぁ(笑)。
こんな環境で育ったら、自己肯定感は放っておいても伸びていくんじゃないかとさえ思ってしまいます。日本というコンフォートゾーンを出て、新しい世界で、私が経験したことのない教育環境で育っていく娘を通して学ぶこと、知ること。そんなお話も、この場所で共有できたら嬉しいなと思っています。
〈Reiko H.さん連載〉
ハワイ移住したエディターReiko H.の、子育て奮闘記