出産は究極の家庭教育。娘と一緒に新しい命を迎えたときのこと

パリを拠点に世界を巡る。心と体にフォーカスした育児
- 名前
- 木村章鼓 / Akiko Kimura
- 家族
- 4人(16歳女の子、9歳男の子)
- 所在地
- パリ
- お仕事
- バースドゥーラ(バースファシリテーター)
- URL
- オーガズミック ランドスケープ by LOVEドゥーラAkiko
【パリを拠点に世界を巡る。心と体にフォーカスした育児】私は娘も息子も、それぞれ日本とアメリカで、地元の医療機関とも連携しつつ自宅出産で迎えました。
息子を海外出産したとき、娘は7歳。
娘自身も自宅で生まれたときの写真やビデオを通して「赤ちゃんは家で生まれるもの」と自然に感じていたようで、伝え方に工夫する必要はなかったのはありがたかったです。
ただ、「家で生まれてくるか、病院で生まれてくるかは、お腹の子が決めることだから、当日が楽しみだね。どこで生まれることになっても、赤ちゃんは自分の力を最大限に発揮してやってくるから、お母さんと一緒に見守ろうね。ワクワクするね!」という声がけはよくしていました。
自宅での定期検診も、助産師のサンドラさんが、私の血液をとったり、心拍を測ったり、まだ見ぬ弟の様子や私の状態を事細かに説明してくださったのもあり、娘は私以上に出産に興味を抱いたようです。
そして出産当日。娘はほかの誰よりも私を支えてくれました。
自宅でのウォーターバースで息子が生まれてきたときには、助産師さんの勧めで、娘は湯船に入り、私の次に赤ちゃんを抱っこ。
陣痛中はとても落ち着いていた娘が、赤ちゃんの姿を目にして、そして抱きしめたときに笑顔でポロポロと涙をこぼしながら「うれし〜、よかった〜」と号泣。
それを見て私も泣いてしまいました。
現在、16歳に成長した娘は、今でもあのときの経験を感動とともに語ってくれます。そして「あれを見れば、お産への恐怖がなくなるよね」とも。
もちろん立ち会い出産では、怖い・辛い・痛いといった、ネガティブな要素も目撃したはず。
それもお産のひとつの段階だと理解し、そうしたことも含めて、すべては必要があって起きているからこそ、どんなことも命を迎えるうえでの過程に過ぎないと肌で感じたのではないでしょうか。
娘は、現在学んでいるパリのインターナショナルスクールで、バイオロジーに興味を持っています。
お産に立ち会った経験が直接影響しているとは思いませんが、それでも腸内細菌について調べていたときには、自宅出産の話を持ち出していたので、多少なりとも数値だけでは見えない出産体験の奥深さというか、彼女なりの視点を地道に育てていってくれていると思います。
家から始まる教育として、命のありようを子どもと一緒に時間をかけてともに見つめることは、子育て、そして親育ての醍醐味です。