子育て世代だからこそ、異なる意見も尊重しつつ政治について語りたい。
エッセイスト久住あゆみが綴る、年子男子の子育て日記
- 名前
- 久住あゆみ / Ayumi Kusumi
- 家族
- 4人家族(夫、8歳と6歳の男の子)とミニチュアダックスのココ
- 所在地
- 東京都
- お仕事
- エッセイスト、元モデル(お休み中)
- URL
- 久住 あゆみ / Ayumi Kusumi インスタグラム
- URL1
- 「1 + 1 」ブログ
【エッセイスト久住あゆみが綴る、年子男子の子育て日記】
先日、世界中が衝撃を受けた大きな事件がありました。こんなことが起きてしまう世の中なのか....と、悲しく、重苦しいニュースでした。
参議院選挙目前。
このタイミングで起こってしまったことで
より真剣に自分が住む国を冷静に見つめ、より深く考えること。このことがひとりひとりに求められていることなのだと感じました。
私自身、独身時代は政治に対して
さしたる関心があった訳ではありません。
毎日毎日、自分のことで精一杯。
ほどほどに楽しく暮らせていたし、
そんなに差し迫って困ったことなんてない。
政治家が掲げる公約もなんとなく遠くの方で聞こえてきたり、こなかったり。
率直に言ってしまうとピンとこないこと。
どこか他人事として、右から左へ通り抜けていました。
若い世代に政治に興味を持たせようと
いろいろな試みを国も頑張っていると聞きますが、やはり本当に興味を持つには
何かをきっかけに
「他人ゴト」から「自分ゴト」として、
目線が変わったときなのかな思います。
「とりあえず政治にも目を向けていなければ」という感じだと、それはとても大きな想像力が求められることだと思います。
そんな私の意識が徐々に変わっていったのは
子どもが生まれてから。
自分ゴトとしてリアルに想像できるようになって、国や政治を今までより身近な感覚で見られるようになりました。
・子どもたち自身が子ども時代を
健やかに安心して暮らせる国であるかな?
・子どもたちが大きくなった時
ワクワクできるような国?
・成長過程も社会全体で見守るムードがあって
子育てがしやすい国?
などなど...。
もちろん、不満ばかりではなく
一歩外に出て改めて見つめ直してみると日本は
他国に誇れるようないいところもたくさんある国です。
その上で子どもを育てるひとりの親として
ここがもう少し変わったらいいな。という部分が色々と見えてきました。
そんなひとりひとりの「こうなったらいいな」
を大きな形で実行できるのは政治の力。
どんなことに関しても
何を本当のリスクとするのか
意見が分かれるところですが、
例えばコロナウイルスの感染症分類の件に関してなど、そろそろグッと前に進んでほしい。と個人的に願うことがいくつかあります。
日本は世間話として政治や宗教などの話題を交わすのには少し抵抗がある。という文化でもありますよね。
人それぞれ考え方が違うことなので当然、
反対意見はつきもの。
そして正解がないことだけど
正解を探してしまい意見を「間違える」のも怖かったり...。なのでつい、当たり障りのない言葉でやり過ごしてしまう。
実際、私にもそんな経験がいくつもあります...。
でもそんな社会全体のムードが
だんだん変わっていっているし、このままもっと変わっていけばいいなと思います。
自分の意見を声に出すこと、他者と意見を交わすことを怖がったり極端にタブー視することなく、もっとライトに話していきたい。
例えばママ友との話の中でも
・どんな習い事が子どもたちの可能性を広げるだろう?
というような感覚に近い感じで
・どんな国なら子どもたちが生きやすく、夢を見られるだろう?
と、いった感じでオープンな世間話にできるようなムードになればいい。
どんな人生を求めるか、何がしあわせか
人それぞれ違うように国に求めることもそれぞれ違って当然。
だから、身近な人が反対意見だったとしても
自分が今まで見えていなかった新たな問題や視点に気がつくきっかけになるかもしれない。
自分の考えをより多角的に捉えられるようになるかもしれない。
そして、反対に自分の思いを強く確認することになってもいい。
実際、政治家を夫に持つ妻であっても
政治に関しての意見が違う。ということは
ある話だと聞きます。(家庭内野党という言葉もありました)
私自身も夫といろいろな話をする中で
大枠の答えは概ね同じだとしても
その考えに至るまでの過程は全然違ったりすることも多い。長年一緒に暮らし、お互いのことをすっかりわかった気になっていたとしても、夫婦といえど、別の人間なのだなぁと驚きと発見も多いです。
だから、友だちとも違って当然。
政治的相違があったとしても
人間関係はそれはまた別。と考えればいい。
そのことをお互いに理解した上で、
ひとりひとりが気軽に意見交換できるような風通しのいい世の中になってほしい。
今、大人のわたしたちがそんなムードを徐々にでも作っていくことで、後の世代は今よりもっと政治を身近に感じることができるようになるのではないでしょうか。
考え方は違ったとしても「子どもたちのしあわせ」は子を持つ親、みんな共通の願いだと信じています。
わたしはこう思うけど、あなたはどう思う?
そういう考え方もあるね! 勉強になった!
それは、これからもどんどん多様性を帯びるであろう世の中を生きることになる子供たちに必ず持っていてほしい心持ちのひとつ。
そんな気持ちを伝えるにはまず、
自分からそんな人でありたい。
不満のままに感情を社会にぶつけるのではなく
自分自身の課題のひとつとしても考えられる
「自分ゴト」目線を持てたなら、
受け身ではなくなるから。
社会で起こることを「自分ゴト」として
捉えられるキッカケとなりそうな種を
子育てする中で自然に子どもたちに蒔いてあげられる、そんな親になりたいな。と思います。
<久住あゆみさん連載>
エッセイスト久住あゆみが綴る、年子男子の子育て日記