困難を乗り越える「宇宙に丸投げ」子育て論
パリからLAへ移住、EMIKOのティーンガール子育て
- 名前
- EMIKO
- 家族
- 16歳と14歳の女の子、フォトグラファーの夫と4人家族
- 所在地
- アメリカ・ロサンゼルス
- お仕事
- モデル、「nanamina」バイヤー、プライベートシェフ
- URL
- nanamina
気がつけばもう11月。暑かった夏もようやく終わり(といってもLAはまだ25度を超える日もあるのですが)、ようやく20度を下回る"LA版冬"に突入。ジャケットを着られる季節を楽しんでいます。
アメリカは大統領選のまっただ中。緊迫した日々が続いていますが、そんな中、我が家に嬉しいニュースが飛び込んできました。
次女のマリナがモデルデビューしたのです。モデルといっても私がやってきたようなファッション系ではなく、いわばタレントとしてデビューしました。日本でタレントというと芸能人的なニュアンスですが、私たちの暮らすアメリカでタレントといえば、俳優業、広告やテレビCMに出る人のことを指します。私が所属している事務所から声がかかり、娘を登録したところ、初めてのオーディションでなんと「Apple」の広告に受かってしまいました。今はオーディションもすべて自撮りとなっていて、庭でビデオを撮り、それを送ったら合格したのです。
コロナのテストも受けていざ当日、撮影会場に向かいました。メイクも終えて撮影されるのを待っていると、プロデューサーからマリナの労働許可書の提示を求められました。私が登録している番号を見せると、それは違うというのです。よくよく調べてみたらそれは正規の許可書の番号ではなかったのです。そこで事務所に連絡をして1日で取れる有料の許可書を出してもらうことにしました。しかし、コロナの影響で、許可書を出す事務局も現在ほぼ閉鎖中。とんでもなく時間がかかりそうな雰囲気です。
時間が経つにつれ、プロデューサーはイライラし始め、スタッフもオロオロ。当の私はこれまで手元の書類を事務所にもプロダクションにも渡してOKをもらっていたので、『私が悪いのではない』という変な自信がありましたし、どこかでなんとかなるとも思っていました。しかし、とうとうしびれを切らせたプロデューサーがマリナの撮影の中止を言ってきたのです。
その時はさすがに焦りましたが、でもどこかでそれでも「大丈夫」な気がしたんです。待っている間に、私は事務所に新たな申請書依頼を送り続けていましたし、だってやるべきことはすべてやったのですから。
次の瞬間、事務所から電話が入り、10日間限定の許可書が下りたのです。それはすごいタイミングで、電話を受けた時はスタッフ全員拍手でした。マリナは急いで撮影スタジオに行き、無事撮影を終えることができました。(労働許可書の新たな更新は、その後済ませることができました)
まるでジェットコースターのような1日でしたが、なぜ私がそこまで落ち着いていられたかというと、この問題を「宇宙に丸投げ」したからです。自分の中ですべきことはしたし、他に為す術もない。そうなるといくらこっちが焦っても結果は変わりません。焦りやイライラを周囲の人に与えてもそれこそ意味がないし、ただ落ち着いて待っていたのです。
この「宇宙に丸投げ」術は、自分の中で不完全な気持ちがあると叶いません。怠けていて「宇宙に丸投げ」は効かないのです。だけど自分の中で「やれるだけの事はやった」という気持ちがあれば、堂々と後はお任せできます。もし結果的に、撮影の許可書が下りずにマリナがこの仕事をキャンセルされたとしても、それはそうあるべきだったんだ、と認めるしかありません。でも宇宙は味方してくれました。というか、やるべき仕事だったんだと思います。だからチャンスが来たと。
私はいま、常々こういう気持ちで生活しています。何が起こってもそれは「宇宙の流れ」の中でのことで必然的なこと。だからそれを受け止めて、それに対応しながら生きていく。抵抗はしません。この数ヶ月、世の中で予期せぬことがたくさん起きています。そんな時だからこそ、この「宇宙に丸投げ法則」で柔軟に生きていこうと思っています。