最終回:コロナ時代を駆け抜けた3年間。成長した娘たちからもらった言葉

パリからLAへ移住、EMIKOのティーンガール子育て
- 名前
- EMIKO
- 家族
- 18歳と16歳の女の子、フォトグラファーの夫と4人家族
- 所在地
- アメリカ・ロサンゼルス
- お仕事
- モデル、「nanamina」バイヤー、プライベートシェフ
- URL1
- EMIKO (@emikohanawa) Instagram
- URL2
- nanamina
【パリからLAへ移住、EMIKOのティーンガール子育て】
アメリカでは、サンクスギビングも終わり、いよいよホリデーシーズンの到来です。こうなると今年もあとわずか。2022年を振り返ると、今年もいろいろありました。
去年の今頃は、長女ナディアがアプリケーションを出した大学からの合格通知が次々と届き、大学に行くのか、行かないのかを決める選択を迫られた時期でした。彼女のスキルを試すために、一応の受験はさせましたが、私としてはまだやりたいことが決まってもいないのに、大学をこの時点で決めるのは無理だと思っていました。そして結局当人も地元のシティカレッジに通いながら、社会経験をする、という選択を選びました。
今は週に3回アルバイトをしながら、オンラインで受講しています。これまでアルバイトをしたことがなかったので、この4ヶ月で学校に通った4年間よりももっと大切なことを学んだ、と本人は言っています。お金に対する価値観も変わってきたし、責任感や自信がついた、と。これまでは欲しいものがあるといつも私におねだりしていましたが、今では自分の欲しいものは自分で買える。家賃も少し負担しようか?とも言ってくれるくらいにまで成長しました。
最近の彼女を見ていると、彼女には目的なくとりあえず大学に通うよりも、今は自分の可能性や社会性を磨くことを選択してよかったな、と思います。この経験を通したのち、身につけたいスキルや学びが芽生えた時に、その時点で大学に通えばいいと思います。
最近ではとあるセレブリティーがアルバイト先のお店に来て、ナディアが彼にたくさん服を売りました。さらに、その彼がお店のロゴの入ったスウェットを着て、「Saturday night show」というこちらの人気番組に彼が出演したことで、お店に注文が殺到したようです。こういうのもLAならではのビジネスの仕方で面白いな、と思いました。
次女のマリナは、昨日また私と一緒に撮影をしました。彼女も現場に慣れてきて、写真の仕上がりを見るとまるでプロのモデル並みです。昨日もフォトグラファーに、「マリナは写真を撮れば撮るほど、自信が表情に出るようになってきたね」と、言ってもらいました。
私は母として、そしてモデルの先輩として、いつもできる限りのアドバイスはしているつもりですが、ここまで経験を積んでくると、もう私のアドバイスなしに自分の感覚に従って彼女が写真の被写体になる方が、彼女らしい作品になるのかも、と昨日撮影を見ながら感じました。現場のスタッフもみんな若い人たちで、10代のマリナはスタッフと打ち解けて、楽しそうに仕事をしていました。
私と一緒に撮影をする機会もまだ多いですが、きっともうそろそろ独り立ちして、一人でも仕事を取れるようになるんだろうなあと、寂しいような楽しみなような、ヒヨコを独り立ちさせる親鳥のような気持ちでした。
パリからアメリカに移住してきた時は、あんなに小さく心もとなげな娘たちに、私は心配ばかりしていました。でも今は姉妹がそれぞれに、恋愛をしたり、仕事をしたり、自分の責任の上で行動することが増えました。そんな二人の娘たちと"女性"としての会話をすることも度々あります。二人が私に言ったことは、「もう自分たちは十分成長したんだから、ママは自分の好きなように生きていいんだよ」ということでした。
きっとこれからは子ども達を中心にした"選択"だけでなく、私の人生にとっての第2の選択がやってきます。母親としての一番大変な時期をもう通り過ごす時期に入ったから。これからは"自分のBright Choice"にも、意識を向けていきたいと改めて思っています。
これまで3年間、連載を支えてくれた編集の須賀美季さん、そして読者の皆さん、ありがとうございました。
皆様がこれからも、自分だけの"Bright choice"ができますように。
〈EMIKOさん連載〉
パリからLAへ移住、EMIKOのティーンガール子育て