LAのハロウィーンパーティと秋のNY。アメリカに暮らす娘たちを想う日

パリからLAへ移住、EMIKOのティーンガール子育て
- 名前
- EMIKO
- 家族
- 18歳と16歳の女の子、フォトグラファーの夫と4人家族
- 所在地
- アメリカ・ロサンゼルス
- お仕事
- モデル、「nanamina」バイヤー、プライベートシェフ
- URL1
- EMIKO (@emikohanawa) Instagram
- URL2
- nanamina
【パリからLAへ移住、EMIKOのティーンガール子育て】
アメリカもすっかり秋らしくなってきました。毎年ハロウィーンのパンプキンが街に並ぶと、「ああ、もう今年も終わりだな......」と感じます。そして、ハロウィーン以降の時間の流れがあまりに早くて驚きます。アメリカではハロウィーンが終わったら、サンクスギビング、クリスマスと続きます。イベント続きでバタバタしているうちに、あっという間に新しい年です。こんな風に毎年歳を取っていくんでしょうね。
さて、うちの子ども達はもう16歳と18歳なので、「Trick or Treat」よりも自分たちで開く「Haloween Party」に夢中です。ハロウィーン前の金曜日と土曜日、そしてハロウィーン当日の月曜日まで連日に渡って、様々なところでパーティが開かれていました。高校生ともなると、自宅を開放して(寛大な親もいるものです)クラスメイトを招待したり、18歳の娘はもっぱら馴染みのあるクラブがオーガナイズするパーティに行くようになりました。そしてもちろんその度、衣装も変えるのですから、なんて忙しい!
でも娘たちは1年で一番大きなイベントだと言わんばかりに、1ヶ月も前から友達と衣装を打ち合わせネットでオーダーして、バッチリ決めていました。若い子のエネルギーってすごい。その週末、モデルの仕事で単身NYにいた私は、娘たちの仮装姿は写真でしか見れませんでしたが、送られてくるたびに驚きの連続でした。
スマホの中の賑やかなLAのパーティの空気から一変して、私は秋の静かなワシントンスクエアパークを歩いていました。公園内では、ピアノでジャズを演奏している黒人のおじさんがいました。素敵だったので、立ち止まって聞き入っていると、そばのベンチに娘さんと座っていた別の男性が突然歌い出したんです。まさに即興です。
それがなんとも最高な即興で、公演中から拍手喝采が起こりました。娘さんはお父さんが急に歌い出しても、恥ずかしがることもなく、少し離れたところから見守っていました。5分くらい歌ってからそのおじさんは娘さんと一緒に去って行きました。
たまたまそこにいて、歌いたくなったから歌った。その歌が周りの人に感動を与えて、歌った本人も、演奏している人も、聞いている人もみんなハッピーに。月曜日の午前11時ごろで多くの人は仕事が始まっている時間でしたが、偶然そこにいて、そんなシーンに出会えたこと。こんな日常のサプライズがある人生って素敵だなって、一人嬉しくなった瞬間でした。
NYでは、以前から行きたかった「The Isamu Noguchi Foundation and Garden Museum」
に訪れました。ダウンタウンからLong islandを超えてタクシーで30分くらい走ると、Queensに着きます。ここにも大きな公園があり、マンハッタンとは違う空気感ののんびりした地区には、「Isamu Noguchi Way」という通りもあります。
美術館は、かつて彼がアトリエとして使っていた場所でもあり、この場所で彼の作品が作られたんだと思うと、感慨深いものがありました。私は昔からイサム・ノグチの作品のファンで、幼い頃育った広島市内の自宅から近い平和大橋も彼がデザインしたものでした。あの頃は知らず欄干に登って遊んだりしていたけれど、平和記念公園にも彼の慰霊碑があったり、彼のデザインはいつも身近なものでした。
アメリカ人の母と日本人の父のもとに生まれ、両方の国を舞台に波乱の人生を生きたアーティストは人種差別も受けながら、それを糧に自分の作品をより強いものにしていきました。作品を見ていると東洋と西洋の狭間、みたいなものを感じます。
大好きなNYの街で、憧れのアーティストが残した作品とその生き方に触れて、多国籍のバックグラウンドを持ってアメリカに暮らす娘たちのことを、改めて想いました。そして世界は広いんだ、自分がその気になりさえすればどこへでも飛んでいけ、新しいものに出会えることを、伝えたいと思いました。
〈EMIKOさん連載〉
パリからLAへ移住、EMIKOのティーンガール子育て