大人になっていく子ども達に伝えたい、将来への道しるべ

パリからLAへ移住、EMIKOのティーンガール子育て
- 名前
- EMIKO
- 家族
- 17歳と15歳の女の子、フォトグラファーの夫と4人家族
- 所在地
- アメリカ・ロサンゼルス
- お仕事
- モデル、「nanamina」バイヤー、プライベートシェフ
- URL1
- EMIKO (@emikohanawa) Instagram
【パリからLAへ移住、EMIKOのティーンガール子育て】
先日、娘の学校が同じだった家族と一緒に、メキシコ料理を食べに行きました。その夫婦も国際カップルで、旦那さんはメキシコ人、奥さんはベネズエラ人です。前回は我が家に和食(と言ってもカレー)を食べに来たので、今回はメキシカンを食べよう、ということになり彼らの好きなレストランで思いっきりメキシコ料理をご馳走になりました(写真撮っておけばよかった!)。
その時、私たちの話題にのぼったのは『教育』についてです。旦那さんはアメリカに住んで長く、今は銀行関係の仕事をしていますが、「子どもの教育について疑問がある」と話していました。「今の教育は社会のためにある教育であって、子ども自身のためではない」というのが彼の意見です。
私もそれには賛同で、例えば子ども達が将来の仕事を決めるにあたっても『収入がいいから』『世間体がいいから』『保証されているから』という理由で自分の本来の意思を無視して、選ぶ傾向にあります。そのうえ、社会もそのような人の方が扱いやすいので、優遇されるシステムになっている気がします。
うちの娘も今年で17歳と15歳です。特に長女は来年の夏には高校を卒業します。そして未だに、自分のしたいこと、仕事にしていきたいことが決まっていません。
私自身が17歳だった頃を振り返ると、『英語が得意』『世界中を旅したい』『人とのコミュニケーションが好き』という理由からフライトアテンダントになりたくて、地元の大学の英文科を選びました。だけど大学生の時に訪れたパリに恋してしまい、就職よりもパリ留学を選びました。そこにはまったく『計算』は入っていませんでした。
今娘達に、将来の方向性をどのように決めるかアドバイスできることは、自分の『好き』『得意』を重視しなさいということです。
小林正観という心学研究家は、潜在能力に興味を持ち、独自の研究を重ねて沢山の著書を残した方です。たくさんの講演をこなされていた彼が残した言葉の中に、私がとても大切に思う一節があります。
----人間の生きる目的は、がんばることでも、努力することでも、何かを成し遂げることでもなく、「喜ばれる存在になる」ことである。
自分の使命がわかったらあとは、それをやって、他人から「頼まれたこと」を淡々とこなしていく。その結果「喜ばれる存在」になる――
これを聞いた時、すごく納得がいきました。
人から喜ばれることをしていくとそれが仕事につながります。きっと遥か昔、お金が存在しなかった時には、人に何かしてあげて、そのお礼としてものをもらったり、違うことをしてもらったりと、その繰り返しだったのではないかと思います。
自分が得意で、なおかつ人が喜んでくれること、それが本来『自分の仕事』になるべきなのです。『お金のため』に嫌々働くのでなく、お金が発生しなくてもついついやってしまうくらい好きで得意なこと、それが見つかれば、その人の『使命』がおのずと分かってくるのではないでしょうか。
私にとってはそれが料理です。レストランで食べるような凝った料理ではなくて、家庭の料理。頼まれなくても、気がつけばいつも料理をしています。いつも誰かのために作りたくなる。思えば、Baby showerもこれまで3回も友人に頼まれてオーガナイズしました。食事のデコレーションも、テーブルを飾るのも大好きです。
娘たちにも、そんな喜びのある仕事を見つけて欲しいと願っています。そして社会全体が自然とその流れに向かい、皆で子どもたちをサポートしていけたら、もっと生きやすい世の中になるのではないかな、と思います。
〈EMIKOさん連載〉
パリからLAへ移住、EMIKOのティーンガール子育て