家族で過ごしたマウイで、大切な友人に教えてもらったこと

パリからLAへ移住、EMIKOのティーンガール子育て
- 名前
- EMIKO
- 家族
- 17歳と15歳の女の子、フォトグラファーの夫と4人家族
- 所在地
- アメリカ・ロサンゼルス
- お仕事
- モデル、「nanamina」バイヤー、プライベートシェフ
- URL1
- nanamina
- URL2
- EMIKO (@emikohanawa) Instagram
【パリからLAへ移住、EMIKOのティーンガール子育て】
4年ぶりにハワイ、マウイ島に行ってきました。
それまでは家族で毎年夏には、1ヶ月間マウイでバケーションを取っていたのですが、仕事の事情もあり、一昨年は主人と娘の一人がマウイに行ったり、2年前は私の日本の家族とオアフで1週間のバカンスをとったりはしたのですが、なかなか4人揃ってのバケーションが取れませんでした。
いつも滞在するのは、決まってマウイのノースショアです。最近では観光客もパイアという昔ながらのかわいい町に寄るようになり、交通量も増えましたが、私が通い始めた20年前はほぼウィンドサーファーしかいない、そんな町でした。
今回家族で泊まったのは、ハイクという町にある「Haiku Mill」という結婚式場にもなっている場所です。
ここのオーナーが長年の友人でメインの家が空いているとのことで、貸してもらいました。
「Haiku Mill」は、1960年代に建てられた工場で、20年前に友人が買い取り、フランスから家具を輸入して、今の雰囲気に作り上げました。古い遺跡のような建物がマウイの豊かな緑に包まれて、どこか現実離れした世界。室内は、フレンチアンティークがセンスよく配されて心地よい空間を作り出しています。
家のまわりには大きなマンゴーの木が何本もあり、毎朝その木から熟して落ちたマンゴーやパッションフルーツを拾ってきては、朝食に食べていました。
一年中、たくさんのフルーツに出会えるのもハワイ滞在の魅力です。土曜日は、プカラニという町で、ファーマーズマーケットが開かれます。マーケット散策ので楽しみにしているのが、フレッシュココナッツです。その場でココナッツに穴を開けてくれて、ジュースを飲みますが、飲み終わった後はその場でまっ二つに斧で割ってくれて、中のゼリーを食べるんです。ココナッツウォーターは、いまやどこのスーパーでも売っているけれど、このゼリーはなかなか食べる機会がないので、ハワイならではの味ですね。
海遊びは、私たちの長年のお気に入りのスポットへ。ホオキパというビーチの手前にあるフェンスをくぐっていくと、秘境の天然プールにたどり着きます。海に面した岸壁には小さな穴がいくつかあいていて、透き通った海水プールには、魚が何匹も泳いでいます。人もほとんどいなくて、子どもたちが小さい時はバケツと網を持ってきて、何時間もここで魚を追いかけていました。
そして山遊びは、マカワオの奥地へ。カウボーイの町だったマカワオタウンを過ぎて、そのまま山の方に向かった先に、今回初めて見つけた場所があります。大きな木が立ち並び、海とは違う自然の雄大さを感じる場所でした。子ども達が枝を集めて基地を作っていたり、聞けば、そのまま奥へ進めば滝にも出会えるそうです。今回は時間がなくて滝までは行けませんでしたが、次回はハイキングシューズを履いて、ぜひ歩きたいものです。
友人に連れてきてもらったイアオ渓谷も、天然のパワーが集まる場所でした。数年前の大洪水でハイキングができなくなってしまったのですが、いまでも美しい川が流れていて、その川に飛び込み泳いだ後は、暖かな岩に沿って体を寝かせれば、天然のロミロミマッサージです。ジリジリと焼けるように熱い石も、川で冷えた体にはちょうど良く、体調を崩していたわたしも、天然岩の上に横になった後は不思議と体調がすっかり良くなっていました。
私たち家族にとって、マウイが特別な理由はもうひとつ。
大切な友人がこの島に住んでいるからです。生粋のハワイアンである彼とは、まだ子ども達が生まれる前に、ホオキパのビーチで知り合いました。それからほぼ毎年マウイに行くたびに会っているのですが、彼からはハワイのスピリチュアルを毎回教えてもらっています。
2年前に突然、彼の親友が心臓発作で亡くなりました。その親友には一人息子がいて、母親はその子がまだ小さい時に出て行ったきり。残されてしまった一人息子は、施設に入るか、サンフランシスコの叔母の家に行くか、となった時、彼は真っ先に「自分が息子として育てる」と宣言したそうです。その日から、その子を家に迎え入れて、自分の息子と一緒に育てています。法律的には親権はないのですが、「万が一何かあった時は僕があの子を守るよ」と、親友に約束した通り、もう一人の息子として育てているんです。
今回会った時、そんな話しを教えてくれた彼は、こう言いました。「人の死はいつ訪れるかわからない。愛する人にはその日のうちに『愛してる』と、伝えなさい」と。近所に住み、毎日のように会っていた親友だったそうですが、その方が倒れる少し前に、「今日はちょっと忙しいからまた後でな!」と、他愛もない会話を交わしたことが心残りだと彼は言います。
私たちは日々の忙しい生活の中で、どうしても他人へのいたわりを後回しにしがちです。「やらなければいけないこと」をこなすことが優先され、気がついたら1日が終わっていた、なんてこともしばしばあります。この彼のメッセージを受け取って、実家の母にもっと頻繁にを電話したり、大切な人には愛していることを伝えよう、会いたいと思った人にもっと会っていこう、と改めて思いました。
人生の最後はいつ訪れるかわかりません。この世に自分が残せるものは、お金や実績のようなものよりも、『愛』なのかなと、マウイの大切な友人と時間を過ごしていく中でとても強く感じました。
〈EMIKOさん連載〉
パリからLAへ移住、EMIKOのティーンガール子育て