5月の風に吹かれて、17歳の少女と未来を語る
パリからLAへ移住、EMIKOのティーンガール子育て
- 名前
- EMIKO
- 家族
- 17歳と15歳の女の子、フォトグラファーの夫と4人家族
- 所在地
- アメリカ・ロサンゼルス
- お仕事
- モデル、「nanamina」バイヤー、プライベートシェフ
- URL1
- EMIKO (@emikohanawa) Instagram
- URL2
- nanamina
【パリからLAへ移住、EMIKOのティーンガール子育て】
5月はイベントの多い月でした。まず、私の誕生日が3日、母の日が8日。そして9日にはサンフランシスコでの撮影に行き、どたばたと時間が過ぎてしまった気がします。
私の誕生日の日は、Ojaiに行きたかったのですが、娘たちが学校ということもあり、そして今は行きたいレストランも特になかったので、次女のマリナが家でイタリアンを作ってくれることになりました。ビバリーヒルズにある「Eataly」に行き、トマトソースやパスタを買い込み、マリナ手作りの誕生日ディナーとなりました。
そして母の日は、久しぶりにビーチへピクニックに出かけました。娘たちが大きくなると家族全員が揃う日がどんどん少なくなってきます。週末も娘たちはいつも友達を過ごしているので、こうして家族でゆっくりビーチに行くのは主人の3月の誕生日以来です。
ビーチへの帰りに、ハーバーに寄りました。ここには、フロリダに移住した友人が残していって、今は主人が管理しているボートが係留してあります。ボート置き場にはたくさんのボートが並んでいますが、近くには海からアクセスできるスーパーマーケットが出来ていたり、ボートライフを楽しんでいる人たちの新しいコミュニティーとなっていて驚きました。パンデミック以来、いろいろな生活様式が生まれ、アパートや家でなくて、あえてトレイラーやボート生活を選ぶ人も増えているみたいです。金銭的な問題ももちろんありますが、それを一つのライフスタイルとして選んでいる人もたくさんいるんです。
さて、その翌日に撮影の仕事で訪れたサンフランシスコは、9年ぶりです。同じカリフォルニア州で飛行機でわずか1時間という近さなのに、NYほどは訪れることのない私にとって、サンフランシスコは"近くて遠い"街。でも訪れてみると、公共機関が充実していて車がなくても生活できたり、家もこじんまりとしていて、どことなくヨーロッパの雰囲気が漂っていたりと、カルチャーも生活様式もLAとは全く違う雰囲気です。
仕事の前日には、自由時間を作って街を探索しました。そして、この日は日本からアメリカにやってきた友人の娘のそらなと一緒に過ごそうと約束していたんです。
長女のナディアと同じ17歳のそらな。彼女が赤ちゃんの頃から知っていて、日本に娘たちと行った時にも一緒に遊んだりと、家族のような存在です。高校最後の年だった去年、日本からメキシコ留学して、スペイン語を学んでいたそうです。コロナ渦でのメキシコ留学はハプニング続きでも楽しかったようで、そんな環境を超えてきた彼女は以前東京で会った時よりも確実に成長していました。
このまま日本の大学に進むことより、アメリカで英語を学び、また違った生活体験をすることを選んだ彼女を私は本当に自分の娘のように愛おしく、まるでゴットマザーになったような気持ちになりました。
せっかくだから和食を思いっきり食べさせてあげたい、と思い以前から行ってみたかったお店『Rintaro』へ。お刺身、焼き鳥、筍の炊き込みご飯などなど、一緒に堪能してきました。彼女が長年住んでいた吉祥寺を思い出させる、そんなお店です。
和食を食べながら話していくうちに、そらなは今の自分の環境について、不安になることがあると教えてくれました。それは周りの友人がみんな進学したり、就職したりして、着実に自分より前進していると感じているということ。
私も大学を卒業してパリに留学した時にはそんな風に感じて、2年の留学を1年にして、帰国して職を探そうかな、と思った時期もありました。でもそんな時、母が「せっかく今パリにいるんだからあと1年頑張って、フランス語や体験を自分のものにしてから帰国しなさい」とアドバイスをくれたのです。そしてそれが偶然か必然か、モデルにスカウトされ仕事が決まり、パリに残ることになりました。
「人生は何が起きるかわからない。自分の人生はまず環境、そして自分のやる気と少しの運で決まってくるのだから、今は焦らず、せっかくアメリカにいるのだから、自分が興味あること、やりたいと思ったことを思いっきりやるのが一番いいと思うよ」と、アドバイスをしてレストランを後にしました。
これから後どのくらい彼女がアメリカにいるのかは今の時点ではわからないけど、17歳で住み慣れた日本を離れて、メキシコ、アメリカで過ごしたこの経験は必ず彼女の人生にプラスになると思う。だから私はゴットマザーとして、静かに見守り、そして必要な時は必ず手を差し伸べようと、その夜心に誓ったのでした。
〈EMIKOさん連載〉
パリからLAへ移住、EMIKOのティーンガール子育て