絶景キャンプ場第1位! 親子で最高の自然体験ができた海キャンプ

Choice

キャンプインストラクター、ヒャクタロウのアウトドア育児

名前
ヒャクタロウ / Hyakutaro
家族
4人(5歳の男の子、0歳の女の子)
所在地
東京都/山梨県甲府市
お仕事
キャンプインストラクター
URL
hyakutaro_Instagram
URL1
原点回帰オフィシャル

キャンプインストラクター、ヒャクタロウのアウトドア育児

キャンプ場ランキング全国1位のキャンプ場。それは和歌山県にある「白崎海洋公園キャンプ場」でした!2017年度当時のランキングになります。(ここは2019年の台風19号で、甚大な被害を受けたため、現在は一部のみの営業となっています)

ここのキャンプ場、とにかくロケーションが抜群なのです!

見渡す限り360度、真っ白い巨岩に囲まれたキャンプ場なのだ~!これらの岩は、なんと1億年以上前のジュラ紀の地層で、白崎石灰岩と呼ばれる巨大な岩が自然に侵蝕されてできた、景観地なのです。

そんなエネルギーたっぷりの真っ白い岩に囲まれてキャンプができる、世界でも珍しい場所は、通称「日本のエーゲ海」とも呼ばれています。

しかも、海に囲まれているので、海水浴もできるし、地下から湧く天然温泉があり、おまけにスキューバダイビングの絶好のスポットでもあって、もう言うことなし。子どもの自然体験にももってこい!そりゃあ、キャンパーなら誰もが一度は行きたい絶景キャンプ場。ということでダントツ1位なのでした。

しか~し!
「岩場」「海沿い」ということは...。

そうです。
テントを固定するペグが刺さりにくく、かつ風が強く突風も吹く。その2点が要注意ということでしたが、岩場でのテント設営は初めてでしたし、真夏だったので、風はそんなに吹かないだろう...と、余裕をかまして、予約が取れただけでも超ラッキーと浮かれていた僕は後々、大後悔することに...涙。

テントスタイルは、この時期我が家の定番となっていたカンガルータイプ。大きなテントシェルターを張って、その中に寝るだけの小さいテントを張るというスタイルです。メリットは、一体型なので、開閉してあらゆる気候にも対応でき、あちこち移動しなくても1カ所でまとまって過ごせること。

しかし、当時のシェルターは、スノーピークのランドステーションLアイボリー。必要なペグ数はなんと21本! このペグ数が僕の肩を破壊したっ!

設営場所に選んだのは、もっとも見晴らしが良く、キャンプ場ど真ん中。

でも他のキャンパーはここには設営していないことになんとなく気づきました。なんでだろう?と不思議に思ったのも束の間、ここは硬い岩の真上だったのです!(砂利でよく見分けがつかなかった)

通常、ペグ打ちは専用ハンマーで数回も打ち込めば十分なのですが、石灰岩はそうはいかない!

何度打っても打ってもなかなか刺さっていかないのです。硬ーい岩の中に真鍮のペグを打ち込んで行くという作業。想像すればご理解いただけるとと思いますが、汗が吹き出し、おまけに肩が痛く、腕が上がらなくなってきました。

しかも21本って!笑

息子もお手伝いができるようになり、ペグを打つ真似から始まって、この時も一緒に打ち続けてくれました。それがなんともかわいかったです。(でも時間はその分余計にかかりましたが......汗)通常の設営の何倍も時間がかかった岩場キャンプ場でしたが、いい学びになりました。

また、このキャンプ場がある和歌山県の由良町は、魚が漁れることでも有名だったので、ぜひやってみたかったキャンプ飯が、贅沢に新鮮な「アジの干物を炭火で焼いて味噌汁と炊き立てご飯をガッツリ食べる!」でした。これが最高に美味しい!息子も「美味しい~」と言って、この味を覚えて以降、アジが大好きになりました!

他にも地元の釜揚げしらすをこれでもかっていうぐらい、ご飯の2倍ほどぶっかけて食べる、しらすがけご飯も、以降大好物に!シンプルながらも旨みぎっしりで、いまだにあの味は忘れられません!

子どもの好き嫌いって、案外、「自分ごと化」する原体験を重ねると、なくなっていくんですよね。
親から言われて食べさせられるより、なんだか周りが美味い!っていう食べ物を子ども自ら食べて好きになったりするようです。

なので、親として食べてほしい料理は、なるべく子どもから食べる体験や雰囲気作りを、親がさりげなく作ってあげることが大事なんですよね。キャンプだと、それがとってもやりやすいんです。

さて、キャンプ場横には海水浴場もありました。テントで服を脱ぎ、裸のまま海へ直行!
子どもは朝から「海!海!海!」と大興奮して海に飛び込みます。

いろんな貝殻を拾ったり、波で遊んだりして、テントに帰ってきてしらすがけご飯を食べて、
また海で泳いで遊んで、テントで寝て...。

おもちゃも電子タブレットも何にもいらない。遊ぶには十分過ぎる自然があるので、そこで何をしたら楽しいか、子どもが本能で知っているかのようで、僕もなんとも贅沢な時間を過ごすことができました。

夜は周囲の灯りもなく満天の星空!

ランキング1位の理由が心底、理解できるキャンプ場でした!

続いてその延長で、忘れられないキャンプ場があります。それは「隠岐の島」です。

山梨県から島根県まで、車でおよそ11時間。
そこからフェリーで2時間30分かけてようやく辿り着く島。

和歌山での海キャンプが忘れられなくて、思い切って島でキャンプをしたくなったんです。なんで隠岐の島?って思う方も多いでしょう...。当然奥さんは「???」。息子は「行きた~い!!!」

僕も「ま、とりあえず行ってみよう!」ってことで選んだキャンプ地だったのです。

しかし行ってみると、まずキャンプ場らしきキャンプ場がない!適当に誰もいないビーチにテントを張ることになりました。笑

小さい港があって、もちろんキャンパーなんて誰もいないんですが、島の習慣で朝食、夕食前の時間にはどこからともなく、地元の方々が釣竿を持って港にバラバラと集まり、適当にその日に食べる分だけ2、3匹釣って、そのまま帰っていくような場所でした。

しかも釣れるのは、ヒラマサやヒラメ、タコなどで「まじか!」と思うくらい、皆さん簡単に釣り上げるんです。

子どもが大喜びで「わあ!!!」なんて言いながらはしゃいでいると、地元のおじさんがいろいろと釣りのコツを教えてくれました。そのせいもあってなのか、キャンプなんてする僕ら家族が珍しかったのか、皆さんタダでどんどん釣ったお魚をくださったのです!食材費がかからない~!笑

子どもも目新しかったのでしょう、タコをそのまま「ぎゅっ」って握って持ったらタコのスミをかけられたりして...笑。

そうそう、キャンプには必ず図鑑を持っていくようにしています。このときは海だったので『海の生物図鑑』です。その場で実物を見ながら図鑑で調べるようにします。この学びがすごく重要で、どんなハイクオリティな映像よりも、何倍も子どもの記憶に残るようです。

どうやら子どもの学びは、その場所でその時に何をしたかという、体験とのセットで、さらに脳が強く記憶するように思えます。キャンプのお供に、図鑑はおすすめなのでぜひ!

食事は、いただいたお魚をすぐに血抜きをして捌きました。子どもはじ~っと見ながらちょっとびっくりした様子。なぜならスーパーで売っている魚ではなくて、さっきまで泳いでいた魚が、そのまま調理されていくわけですから当然ですよね。

料理(アクアパッツア)ができあがって、いよいよ食べようとした時、子どもがちょっと申し訳なさそうに小声で「いただきます」と言いました。どうしたの?と聞くと、お魚が「可哀想」って言うんです。でもお腹が空いてる。だから小さい声で「いただきます」って言ったと。

それはすごく大事なことだと思いました。子どもながらに、「お魚さん、ありがとう」と思ったんですね。「いのち」をそのままありがたくいただく。誰かに教えてもらう礼儀作法の「いただきます」ではなくて、自分で感じた「いただきます!」でした。これまたいい原体験になりました!

隠岐の島では、朝起きたらすぐに真っ裸で海に飛び込んで、新鮮な魚をもらって料理して、海で何時間も遊ぶ。これまた見たこともない満天の星空の下で子どもと一緒に眠る。山に探検に行ったり、地元の珍しいお魚で料理したりと、とにかく普通のキャンプ場では味わえない、最高なキャンプ地が隠岐の島にはありました!

なかなか行く機会はないと思いますが、ぜひおすすめしたいキャンプ候補地です!


次回は、キャンプは薪ストーブでぬくぬく「熱」!
を書こうと思います。


〈ヒャクタロウさん連載〉
キャンプインストラクター、ヒャクタロウのアウトドア育児

       
  • 古代の石灰岩に360度囲まれた絶景が味わえる

  • 誰もいない海辺で探検!

  • 満天の星空の下で眠る

          
  • 地元産のアジの干物を、炭火で焼く

  • 隠岐の島のビーチでキャンプ

  • 墨をかけられつつ、初めてタコを捌く

  • まさに「エーゲ海」そのもの!こんなところが日本にあったのか!と毎秒思わされるほど、どこを眺めても海外に来たような気分を味わえるキャンプ場。だが残念なことに2019年の台風で大損害を被り、現在は一部のエリアでキャンプができるのみです。

  • 早朝、キャンプ場横の海辺で遊び、カニや小エビなどの生物に興味津々の息子。毎朝お腹が空くまで何時間でも夢中になれるから子どもはすごい!ここの海は石灰岩に覆われているので、海の透明度も高く、とてもきれいでした。

  • このキャンプ場は、陸からポツンと出ていて、おまけに灯りがまったくないので、肉眼で天の川がはっきりと見えました!子どもも星の多さに大感激。

  • キャンプ飯は、アジの干物焼きとご飯に味噌汁。シンプルな献立でしたが、絶景とともに食すとなんと美味しいことか!子どももご飯のおかわりをしていました。

  • キャンプ場というよりは、キャンプができる場所が至るところにあるという感じの島でした。海沿いにテントを張る海キャンプは、子どもも大はしゃぎ!

  • この時のキャンプ飯は、タコの炊き込みご飯。息子もお手伝いしてくれたのですが、タコの墨を顔につけながら悪戦苦闘していました。笑