おもしろさと魅力がいっぱい、家族4人で恒例の無人島キャンプ・2024年熊本編

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キャンプインストラクター、ヒャクタロウのアウトドア育児

名前
ヒャクタロウ / Hyakutaro
家族
4人(8歳の男の子、3歳の女の子)
所在地
福岡県
お仕事
キャンプインストラクター
URL
hyakutaro_Instagram
URL1
原点回帰オフィシャル

キャンプインストラクター、ヒャクタロウのアウトドア育児


今年も行ってきました! 無人島キャンプ

無人島キャンプは、我が家では毎年恒例となっています。そもそもは、長男が3歳の時に「よし!行ってみよう!」と勢いで始めたのがきっかけでした。今年で息子は5回目。慣れたもんでしたが、娘は3歳になって今回が初めての無人島キャンプ!(私の経験則で3歳にならないとちょっと不安でして)女の子ですからちょっと気にはなりましたが、奥さんがいてくれたので心持ち余裕で始まった今年の無人島キャンプをご紹介いたします!

無人島キャンプのもっとも難しい点は、ズバリ!「無人島探し」です。

無人島と言っても国土交通省の発表(令和2年国勢調査)では、日本に1万3705島もあるんです!みなさん知ってました? とにかく数が多い!

その中から、4つに無人島レベルを分けていきます。

*レベル1
人が定住していないだけで電気も水道も電波もあって、なんなら豪華な寝床まで完備され、至れり尽くせりな空間を独占できる無人島

*レベル2
以前は人が住んでいて、今は誰も住まなくなってしまって、建物は残ってはいるけど自然によって少しずつ崩れていっているような無人島

*レベル3
トイレは絶対必要!!ちょっとしたアウトドア活動ができるような設備があって、キャンプ場程度には整っている無人島

*レベル4
電気も水道も何もない、自然そのままの環境が残されているけど、もちろん自然の脅威も剥き出しの無人島

この分類で言うと今回はレベル3の無人島でした。

もちろん1〜4まで行ったことはあるけど、子どもたちとのキャンプにはレベル3以上でないと、無人島本来の意味がないので、行く際には注意が必要。実際に行ってみて「な〜んだ、ただ島でするキャンプじゃん」ということになりかねないからです。

ということで、今年我が家は九州に引っ越ししたこともあり、九州内で車で港まで行けることを条件に探しました。基本的には船の瀬渡し船が出ている島を探します。9月の天候に適した場所であることも重要で、なんとか決まったのは熊本県の黒島という無人島。

電気、水道、ガスもない、民家もない本当にただの島。ここで2泊3日のキャンプをすることに。

まずは体調管理。

これが最も大事で、少しでも体調が優れない時は思い切って断念します。今回は4人とも万全ということもあって、早朝5時に家を出発して、いざ熊本へ。

そしてキャンプの準備。ところで無人島キャンプの準備って、意外と簡単なんです。普通のキャンプではあまり重要視しない救急セットは必ず持っていきます。

今回は3歳の娘が初の無人島ということで、万が一、大っ嫌いになると困るので、、、汗。

食料は最低限持参!
・お米
・乾燥パスタ
・乾燥うどん
・塩、胡椒、醤油、トマトペースト、卵
以上。あとは現地調達、「釣り」です!当たり前だけど飲み水とテントやナイフ、釣り竿は持って行きますよ。

さて!海上タクシーに頼んで無人島に渡ります。

さっそく船長さんから不安な一言が!「天気はあまり良くね~ぞ、それでも行くんやな? 気いつけ~よ。風が強く吹くばってん」

そうなんです。この日は台風の影響で雨は強くないものの風が強い予報。普通のキャンパーだったらまず行かないでしょう。しかし過去何度も嵐を経験してきたので、本当ヤバいレベルギリギリまでは娘にも経験させたいのであえて決行しました!

でも、上陸してみると、神様も味方してくれたのか、晴れ間も見えたりと、すんなりテント設営して海で遊んで釣りして、最高の時間が過ぎていきました・・・。

でも、、、魚が釣れない。

ってことは晩御飯は・・・塩ごはんか、塩うどんか、塩パスタ。
釣りを息子に任せて、テント周りの設営をしていると、
息子 「パパ~! 船がいる!!!」
私 「え!ほんまや、あれ漁船だぞ」
息子 「え?マジで? 呼んでみるわ~」
私 「え? 呼ぶ?」
息子 「うん、なんか釣れてるかも知れないし」
私 「まあ、漁船だからなあ、そりゃ、、え?もしかして?」

息子は魚が全然釣れない現状からすぐさま頭を切り替えて、漁船から魚をゲットしようと企んだのでした!

それってさあ、、うん? 待てよ。これもサバイバル術のひとつ。釣れなかったら、釣った人から分けて貰えば良いのだ。

「お~~~~い!」
と叫びながら呼び続ける息子を見て、我ながら感心しちゃいました。

息子の思惑通り、漁船も子どもが叫んでいるのが珍しいらしく、寄ってくれて、なんと子どもたちの愛嬌により、最高級食材マダコと真鯛なんかの魚をゲット!

初日の晩御飯は、豪華に真鯛の塩焼きとタコの炊き込みご飯に!いやあ、ラッキーだなあと、お酒が進む、進む。

その夜は漁師さんのいう通り超強風で私がほぼ寝れずでテントを守り続けるハメに・・・泣

そして翌日は雨。

お腹も減り、雨水を利用してうどんを茹でることに。娘もお兄ちゃんに習って水を集めたり、時間がたっぷりあるので、慣れないナイフで槍を作ったり。

無人島キャンプではもちろん、今や当たり前のスマホやタブレットなんかは使えないし意味がない。ただの黒い物体。カメラぐらいの機能しか使えない。子どもはそんなものにはまったく反応せず、流木や葉っぱ、石や貝、そういう自然物を使って、勝手に遊び出します。勝手に何かを作り出します。親が何も言わなくても本能で遊ぶんですね。

これが大事で、これが無人島キャンプの醍醐味なんです。

無いなら買うんじゃなくて、無いなら作る。

そういう精神が勝手に養われていくんです。

さて、2日目はちょっと肌寒いので火を起こさないといけなくなって、私と奥さんが枯れた木を探す係。息子は火を起こす係。娘は応援する係(笑)。


火を起こすにも家族で協力して分担して作業を進める。これも超重要で、島には我々しかいない。皆で協力しないとひとつのことも出来ない。それを体で学ぶことができます。

普通のキャンプ場では、誰かがいて、必要なものを買えたり、どこかに助けを求めることができる。島ではそれがまったくできない。その究極の不便さが家族の絆を作り、子どもたちの自立にも繋がる。

無人島には何もない。でも何もないから、生まれるものがいっぱいあるんです。

雨が長引いて、いよいよ風速15mを超えても安全第一で釣りをし、食糧を調達し続ける頼もしい息子。

娘も雨の中も、魚釣りの餌となる貝を探したりしてぴちゃぴちゃ楽しんでる様子。良かった良かった。

そんなこんなで3日間天候には恵まれず、ちょっとハードな無人島キャンプでしたが、子どもたちが大幅に成長した、今年も有意義なワクワクキャンプでした。

皆さんもぜひ一度は無人島キャンプしてみませんか?



〈ヒャクタロウさん連載〉
キャンプインストラクター、ヒャクタロウのアウトドア育児

       
  • 黒島の桟橋にて

  • キャンプ設営はお手のものです!

  • 高級食材マダコをゲット!

          
  • いただいたマダコでタコ飯!

  • ナイフで槍をつくる3歳の娘

  • 火起こしはおまかせ!

  • 黒島は、海水浴場と簡素なキャンプ施設がある無人島。電気ガスはもちろん、井戸水があるのみで、本格的な無人島キャンプが楽しめる絶好のロケーションなのです。

  • 無人島なのでキャンプ装備はしっかりと。食糧は基本現地調達(釣り)なので、米や麺類、卵、調味料など最低限のものを持参。この時はまだ天気は大丈夫でしたが、夜半過ぎには雨風が激しくなりました…。

  • 通りすがりの漁師さんからマダコをいただきました。天候のせいか、全然魚が釣れなかったので助かりましたー。助けを求められるのもサバイバル技術のひとつですね。

  • 新鮮なマダコで作るキャンプ飯は、最高! 火起こしから家族皆で準備しました。

  • 何もない無人島ですが、子どもたちは自分で遊びを見つけ出して楽しそうに過ごします。この日は慣れないナイフを使いながらも棒で槍を作ろうと挑戦していました。

  • 8歳にして無人島キャンプは5回目の長男。いつものキャンプでも炊事はお手のものなので、今回も安心して火起こし当番をまかせられました。