息子がのめり込んだ本気の競技スキー|自ら育んだ強い体幹と自律心
キャンプインストラクター、ヒャクタロウのアウトドア育児
- 名前
- ヒャクタロウ / Hyakutaro
- 家族
- 4人(妻、8歳の男の子、3歳の女の子)
- 所在地
- 東京都/山梨県甲府市
- お仕事
- キャンプインストラクター
- URL
- hyakutaro_Instagram
- URL1
- 原点回帰オフィシャル
【キャンプインストラクター、ヒャクタロウのアウトドア育児】
「子どもたちとスキー」って聞くと、皆さんはどんなイメージを持たれますか?
「冬休みに家族でスキーに行く」
「冬の旅行的な」
大多数の方が上記のようなイメージだと思います。
はい! 我が家もそうでした。
そのはずでしたよ!
我が家は東京から山梨に移住してきたので、年中キャンプ三昧生活なんですが、長男が小学校に入学してからは真冬にキャンプに行けなくなったのがキッカケで、スキーに頻繁に行くようになりました。
スキーは1歳からとにかく慣れさせるためにスキー場に行っていましたが、不思議と雪が嬉しいのか、楽しんでるように思えたので、スキースクールに行ってもらうようにしたのです。
しかし! お母さんと離れるのが嫌で大泣きしまくりなんてのがあり、まあ、何度かそういうことが続きました。
そんなこんなで6歳の冬に親子2人で山梨から1時間ほどのところにある長野県のスキー場に行ったんです。
たまたまリフトが一緒だった中学生の子が、なんだかスキーレーサーっぽいではありませんか。話しかけてみると、趣味程度にスキーを頑張ってる中学生。
その中学生がカッコ良かったんです! 息子も視線釘付け・・・。
リフトを降りて、サーーーーーッと滑って行って、めっちゃ上手い!ってかカッコいい!
その日にその中学生に聞いた情報を元に問い合わせをして、次の日にはそのスキー場、車山高原SKYPARKスキー場へ行きました。ジュニアレーサーチームがあると聞いて、どうやったら入部できるのかを聞いて、すぐに見学に行き、息子も気に入った様子だったので入部を決意。そこからスキー三昧ライフが始まりました。
我が家は山梨県甲府市。車山高原スキー場まではおよそ90分かかります。ガソリン代も高速代も食費も、何しろ時間もめちゃめちゃ負荷がかかります!
でも、
「息子が好きなら意を決して行くか!」
「冬のアウトドア育児にはピッタリだ! キャンプじゃなくてスキーだ!」
奥さんとそう決めました。
決めてからは早かったですね。
毎週末ひたすら、家とスキー場の往復です。私が行ける日はもちろん一緒に行って、自分も楽しむ!
仕事で行けない日は奥さんが娘も連れて送迎の日々。
朝8時にはスキー場に着いておきたいので、そのためには前日の準備も大変。お弁当も朝5時起きの連続。
天候によっては、金曜夜からスキー場近くの宿に前入りして準備します。
もう、ほんとに時間とお金がかかるんです。
それでも、何故そこまでしてスキーをやらせたのか・・・。
息子がスキーにハマり、日々上達する中である変化が見えてきました。それは、、、
・体幹の強さ
・体のバランス力
・落ち着き具合
・自己肯定感の高さ
・行動視野の広さ
・自律性
・セルフコントロール力
・自然適合力
これらが明らかに高まっていくのが分かったのです。
スキーは、山の斜面を重力を使って滑っていくスポーツです。天候によっても時間と共にゲレンデは常に変化していて、平らなんていう予定調和がゼロの世界。そこを滑っていくわけですから、常に危険が付き纏います。転べば怪我もある程度します。怪我を常にしていくスポーツと言っても過言ではありません。(怪我と言ってもどれも軽傷ですけどね)
でも、その負荷がめっちゃいいんですね。子どもは滑るだけで、危険察知能力や動体視力をフルに使って楽しみます。
さらに個人競技ですから、寒い中自分との対話でしかない、ひたすらに自分一人で滑るスポーツ。
コーチや親が何を言おうと、結局は自分でスキー板をコントロールして楽しむスポーツ。
自分、自分、自分、
もう自分がどう楽しむしかないんです。
だから自律心がめちゃめちゃ育ちます。そこに気づいてしまったので親としてはもう、眠いとか、疲れるとか、経済面もなんとかして頑張るんです。それぐらいプラス効果が詰まってるのがスキーだったんです。
あとはもう何回、何十回滑るだけ。
スキー場に行くだけですね。
時には、子どもが嫌がって、スキー場に着いたのは良いけど、何もしないで家に帰るなんてことも何度もありました。
お腹が痛くなってスキーもせずに何度も帰りました。
イラ!!!!ってきてもしょうがない、そんな経験もしました。
それでも信じていたのは子どもの成長だったので、なんとか我慢できましたね~。笑
そうこうしてるうちに、スキーは大会が全国であることを知り、その大会で良い成績を取ることがチーム全体で頑張る励みに変化していきました。
スキー競技の強豪はなんといっても長野県と北海道。当たり前だけどスキーのメッカ。ここで日頃の練習の成果を発揮することが息子のゴールになっていきました。しかし住まいは山梨。スキー場まで90分。週に2回しか行けない。
車山ジュニアスキーメンバーでも、ほぼ地元の子どもたちに混ざって山梨から参加するのはかなり本人もハンデを感じていたので、心を強くして臨んでいました。
地元の子たちは異次元に上手です。学校までスキーで行ったり、学校に行く前に滑って、更に学校帰りのナイターでも滑りまくります。それについて行くのですから、まあ大変です。
でも子どもたちは、楽しそうにワイワイと、ガンガン滑っていきます。どんな斜面でも恐怖感がまったくないので、体が自然と覚えていくんですね。
この冬で思い出に残ったのは、年末年始の冬休みを息子と一緒に旅館を借りて本格スキー合宿したこと。厨房を借りられる宿を選び、息子と二人で毎日、朝ごはん、お弁当、夕飯を作って食べました。息子と二人っきりのスキー合宿はなんとも楽しかったです。
好きな料理を好きなだけ作りました!
トマトパスタに、カキフライに、チャーハンに、親子丼に、ポテトサラダに、、
、
その合宿が効いたのか、ある日急にカービングターンが上達した瞬間がありました。
それをキッカケにまたまた楽しくなっていったんでしょうね。
「パパ! 早くスキーに行きたい!」
と毎日言い始めたんです。
子どもって、好きなことしかしないじゃないですか。それを伸ばすのが親の仕事だと思っているので、勉強よりも好きなことに打ち込ませる、ただそれだけに徹しました。
そんなこんなで長野県のスキー大会。木曽福島スキー場で行われました。
表彰台を確実に狙っていたのですが、結果は4位。
地元の子たちには敵いませんでしたが、結果は結果。
帰りの車の中では、本人も悔しいのか、唇をムッと噛んだまま遠くをずっと見上げてたのが印象的でした。
でもその悔しさが、子どもの心の成長に繋がっていくと信じて、親も一緒に並走する。
それもなんだか良いですよね。
趣味のスキーから、本格的スキーレースチームに参加。
経済的にも時間的にもかなり負担は増えたけど、参加出来たことで息子は経験値が飛躍的にジャンプアップしたと思います。
子どもの可能性は無限大。
とにかく何でもやらせてみる!
親が思っているより、遥かに想像を超えたところで生き生きしている。
親が決めつけない人生を歩んで欲しいと思います!
〈ヒャクタロウさん連載〉
キャンプインストラクター、ヒャクタロウのアウトドア育児