勉強の競い合いに躍起になるより大切なことはある、と母は思う
「机上の勉強よりも実体験!」の子育て
- 名前
- 西山美希子/Mikiko Nishiyama
- 家族
- 4人(9歳男の子と7歳女の子)
- 所在地
- 東京都
- お仕事
- デザイナー
- Info
- Mikiko Nishiyama Instagram
【「机上の勉強よりも実体験!」の子育て】
娘の学校では、リーディングのレベルが、アルファベットのAからZまでに割り振られ、自分のレベルの本を読むことになります。ただ単に、読む本のレベルを表す目安なのですが、大体の子どもたちは、レベルを上げることに必死になります。
去年の新学期の始まりは、放課後の公園でのママ達の話題も、自分の娘達のレベルについてばかりでした。
学校から与えられた課題の本を読み終えれば、オートマチックにレベルが上がるので、子どもたちは課題の本を競うように読んで自分のレベルを上げ、学校では自分のレベルを自慢し合うんだそうです。
私は娘に、好きな本を自分で選ばせて読ませ続けました。レベルなんてどうでもいいこと。競い合いは意味のないこと。自慢はカッコ悪いということを知っている娘は、まわりを気にせず、ただただ好きな本を読んで楽しんでいたら、ある日、先生に呼ばれて、「これを読んでみて」と言われ読んだら、「いまのレベルは簡単ね!」とレベルを一気に7レベルも上げてもらったそうです。さすがの娘も大喜びで、帰宅してすぐに報告してくれました。
それでもやはり母の本心は、レベルなんてどうでもいい。娘が嬉しいなら、もちろん私も嬉しいけれど、そんなことで娘を測れるだなんて、思ってもいません。
新学期の放課後の公園で、ママたちとリーディングのレベルについて話題沸騰したあの日。娘は、みんなで食べたお菓子やジュースのゴミの山を、一人で全員分を何も言わずに片付けてまとめて、ゴミ箱に捨てていました。そんなことの方が、よほど「すごい!」と私は思うのです。
〈西山美希子さん連載〉
「机上の勉強よりも実体験!」の子育て