キャリアと子育ての間で出した母としての結論は「まずは小さな組織を幸せにしたい」
「机上の勉強よりも実体験!」の子育て
- 名前
- 西山美希子/Mikiko Nishiyama
- 家族
- 4人(11歳男の子と9歳女の子)
- 所在地
- 東京
- お仕事
- DESCENDANTデザイナー
- URL1
- Mikiko Nishiyama Instagram
- URL2
- TOIRO.
- URL3
- TOIRO. Instagram
【「机上の勉強よりも実体験!」の子育て】
桜が咲く季節になると、毎年ふと思い起こされる娘の出産と、10年間続けた自ブランドの休止。
自ら会社を立ち上げ、ブランドを立ち上げ、社長でもありデザイナーでもあった私は、10年間このブランドに全てを捧げ、世の中の女子たちに伝えたいことを洋服に込めて、全身全霊で育て上げました。
ですが、自分のライフワークであったこの仕事を、娘の出産と同時に休止することを決意しました。
ちょうど10年前のことです。
娘が産まれる一年半前に息子は生まれました。
息子が生まれる前日は、夜中まで仕事をし、タクシーで帰宅して、出産の入院準備をし、出産をした翌々日には病院にてパターンミーティングをしていました。
そちらの病院史上、「一番早い仕事復帰」と語り続けられたのをいまだに覚えています笑。そして息子と退院してからは、さらなる仕事の山が私を襲いかかってきました。
まだ小さい息子をベビーシッターさんや母に面倒をみてもらいながら、会社に行き、息子のことばかり考えながらも終わらない仕事とひたすら戦い続ける毎日。
気がつくと私は体調がすぐれなくなり、息子との関わりと仕事のバランスが私の中で崩れました。
その最中、自分にとっての夢とか何か、そんなことを考え、この時私の夢はブランドではなく、息子だったことに気づきました。
世の中は、たくさんの組織で出来ていて、その中でもいちばん小さな組織が家族です。
その組織の働きがうまくいかない限り、社会での成功はないと思っています。
息子が人生最初に経験する組織の成功が、この時の私に課された夢でした。
そのためには私が元気でハッピーで、太陽のように輝き、家族に陽を照らせねばならない。このままブランドを続ければ、それが出来ない。そう思い、休止を決意しました。
休止を発表した時は、ニュースにも取り上げていただき、最後のセールには長蛇の列が出来るほど多くの方が訪れて下さり、売り上げも過去10年間で最高潮に達し、それだけの成果をあげていたブランドでした。
でも、手放すことに一つも迷いはありませんでした。
なぜなら、それよりも大切なものを見つけていたから。
あれから10年が経ちました。
この10年間は、ブランドを育てることに代わって、子育てに夢中になりました。
そしてあの時1歳だった息子は11歳になり、お腹の中にいた娘は10歳になろうとしています。
少年と少女になった二人は、それぞれ自分の世界で動き始めました。
家族よりも大きな組織で、傷ついたり活躍したり頑張っています。
そして私が、自分自身の組織を築くタイミングがまたやって来たようで、10年を経て、あの頃と同じく桜が咲く季節に、新しいブランドを発表します。
けれど、私の夢はブランドを休止した10年前と変わりません。
小さな組織である家族の成功です。
私の原点である『家族』の太陽であり続けながら、のんびりとお母さんとしてのペースで仕事を続けるつもりです。
ブランド名は"TOIRO"。
十人十色。
十人いれば十人違う色がある。
子育てをしている中で、私が何よりも大切にしていることです。
今後ともどうぞ宜しくお願い致します。
〈西山美希子さん連載〉
「机上の勉強よりも実体験!」の子育て