ひとりで抱えず「任せる」ハワイでの子育て。異国で家族を作れた方法

憧れの地で夢を叶えたワーキングマザーのハワイ流子育て
- 名前
- 堀内希珠 / Mimi Horiuchi
- 家族
- 4人(夫、3歳と10歳の男の子)
- 所在地
- ハワイ・ホノルル
- お仕事
- マーケター、サーファー
- URL
- Mimi Horiuchi インスタグラム
【憧れの地で夢を叶えたワーキングマザーのハワイ流子育て】
Aloha everyone!
ハワイのオアフ島に住んで23年。この島には、私の未来予想図を叶えてくれる3つのキーワードがありました。そのキーワードとは「大学」「サーフィン」「多文化」。思いっきり勉強をした後の時間でも波があり、言語や人種が入り混ざった場所に住むという希望を叶えてくれる場所がハワイだったのです。
ハワイに来て数年は、計画通り勉強とサーフィンにあけくれ、人と行動を共にする時間はほとんどありませんでした。けれど目標達成に集中する分、しっかりと結果を残せ、また独りで行動するからこそ、心に残る一期一会や面白い出会いが多く、人脈もより深くなりました。
夢のハワイ生活では、首席で卒業したり、プロサーファーになったり、ビジネスを展開したりと華々しい経験も多くありましたが、その一方では辛い恋が続いたり、ビザ問題に苦しんだり、未婚で出産したりと波乱万丈なこともそれ以上。
しかし可愛いふたりの息子たちがいる今、その辛い過去がひとつでもなければ人生は変わり、この子たちには出会えていなかったと思うと、"Everything happens for reasons"(すべては必然である)ということをつくづく感じます。
そして長男を未婚で出産したことで、「任せる」ことの大切さを学び、かけがえのない人間関係を築くことができました。子どもの頃から開けっ放しの心を持つ私は、とても傷つきやすく、また趣味や興味が多いことから、独りで過ごすことがほとんどでした。また、自分ができることは自分でやり、できない場合は学んで自分でできるようにする、という強い母に育てられてきたので、自力が美徳で、人に頼ることが苦手でした。
しかし産まれたての天使のような息子を見ているうちに、子どもはより多くの人と関わり、より多くの愛を受けた方がいいと思うようになりました。親の勝手な理由で片親家庭に生まれてきた息子が、自分の子のように可愛がってもらえるようになる方法を考えた時に出た答えは、100パーセント委任することだったのです。
家族がいなくて助けもない、学生ビザで制限だらけのハワイでひとり出産すると決めた時、沢山の友だちや近所の人たちが手を差し伸べてくれました。まず助けを受け入れることで、相手との距離が縮まりました。そして息子を預ける時に一任することで信頼を示すと、相手の責任感はより高まり、その責任感がその人と息子の絆を深めていくことを実感しました。
ハワイでは、「ハナイ」という伝統的な慣習があります。血縁に関係なく子どもを預かって育てることをいい、息子を預ける時には「うちにいる時は、私の息子」と言っているのをよく聞きます。可愛がるだけでなく、実の子同様、叱ったり注意したりしてくれます。
こうして母だけでなく、コミュニティーに育てられた息子には、沢山のハナイファミリー(家族同等の存在)ができ、より沢山の愛を受けるだけでなく、より多くの経験をさせてもらっています。またコミュニケーション力が高くなり、彼の秀でた能力となりました。そして息子自身にも甘えて任せることで、頼れる存在になっています。
現代の日本人家庭を見ると、迷惑をかけないようにと周りに気遣い、しっかりと自分の子を見るばかり、それぞれの家庭が孤立して子育てしているように感じます。未婚やシングルマザーの増えている日本ですし、親としてだけでなく、自分を大切にする時間も大切なので、ハナイファミリー習慣が広まればいいなと思っています。これからは独りで抱える代わりに、周りに少しずつ甘えて、任せていってみて下さい。素敵なハナイファミリーができるかも♡ ALOHA