発達の遅れが気になっていた次男が目覚ましい成長を遂げたきっかけは?

憧れの地で夢を叶えたワーキングマザーのハワイ流子育て
- 名前
- 堀内希珠 / Mimi Horiuchi
- 家族
- 4人(夫、3歳と10歳の男の子)
- 所在地
- ハワイ・ホノルル
- お仕事
- マーケター、サーファー
- URL
- Mimi Horiuchi インスタグラム
【憧れの地で夢を叶えたワーキングマザーのハワイ流子育て】
私が44歳になる直前に出産した次男は、言葉の遅れが目立っただけでなく、笑ってしまうほど運動神経が鈍く、幼い頃から何でもよくできた長男とは大違いでした。 「まだまだ心配ない!」とたくさんのママたちは言ってくれたものの、超高齢出産だったことや夫がADHD家系など、発達障害の要因となる節があったので、3歳になる頃に、ハワイの教育省でスクリーニングをしてもらいました。
するとやはり認知能力の遅れを診断され、3歳から入れる早期特別支援学級というオプションをいただきました。日本の方々からは「障がい者」というレッテルを貼られ、将来に響いてしまうからよく考えた方がいいという意見もあったのですが、ハワイでは早期対応プログラムが充実していて、長男の周囲では早い時期に特別支援学級に行った子たちが、あっという間に追いついたり、追い越したりしているのを見てきました。だから午前中は特別支援学級、午後は通常のプリスクールという、ダブルスクールの生活を次男は夏休み前から開始しました。
通い始めてからわずか1カ月後、夏休みで日本へ行った時のこと。それまで宇宙語しか話さなかった次男が、日本語で数を数えていたのです。あれ!?と驚いていたら、私の母が「この子教えていもいないのに、私が『いち』って言うと、『に』って言って、『さん』と言うと『よん』って言うの。とてもよく人の話を聞いているし、頭のいい子よ」と言うのです。私は、孫バカだな、なんて思っていました。
ところが日本滞在中は英語でもお喋りが増え、それまで「I love you」以外は語彙を重ねられずにいましたが、「I'm hungry」「I want to eat something」など、3語以上で意思を伝えてくるようになり、明らかに言葉の数が増えていったのです。
突然の成長の理由として考えられるのは、日本ではよく歩き、バスや電車に乗ったり、新しい世界を見たりして刺激が多かったこと、またよく動く私と密に過ごしたこと、そして何より、私の母から満足のいくアテンションをもらえていたことです。
いつもは仕事や家事、そして長男の教育に追われ、「何事も速くこなす」という姿勢の私と過ごしていたけれど、日本では限りない時間とアテンションを費やしてくれるおばあちゃんといて、次男には納得のいくコミュニケーションが取れたのだと思いました。
それからハワイへ戻り1カ月ほど経つと、特別支援学級の先生より、通常のプリスクールに専念する方が今後の次男の成長に繋がると言われたのです。次男の発達遅れの要因について両校の先生に意見を伺ってみると、「経験値が少なかったこと」と両者が即答。
自転車に乗ることのように、教えて練習すれば乗れるようになるけれど、教えなれけばいつまでも乗れないのと同じようです。
私はこの2年間、子どもの成長が一番著しいと言われる幼少期に、コロナで職を失った夫に子育てを任せ、朝から晩まで仕事に専念していました。夫をよく知る先生方は、「育児と教育は別物。自転車が盗まれないようにと、横に立って見ているのがあなたの夫。乗り方を教えているのはあなた」という、なるほどと思える説明。夫は愛情と笑いいっぱいで育てていても、「教える」ということが欠けていたようです。
幼児の脳はスポンジ、教えれば教えるほど吸収するということ、また納得いくまでの十分なアテンションが幼児の成長に差をつけるということを改めて認識しました。
働くママとして、仕事や家事、経済的責任に追われ、瞬く間に一日が終わる毎日だけど、忘れてはならないのが「FAMILY COMES FIRST」(家族第一)。学校に送っているから、見てくれている人がいるから大丈夫と子育てを任せっ放しにせず、今こそ一緒に過ごす時間を増やし、じっくりと十分なアテンションを与えることを、つねに意識していかなければと思いました。
子どもが2人になってから、難しくなってきた働くママ業。日々勉強ですね。
楽しみながら、頑張りましょう! 素敵な女性に成長できますように。
Aloha,
<堀内希珠さん連載>
憧れの地で夢を叶えたワーキングマザーのハワイ流子育て