ハワイの海で、インディペンデンス(自立心)と社交性を学んだ10歳の長男。

憧れの地で夢を叶えたワーキングマザーのハワイ流子育て
- 名前
- 堀内希珠 / Mimi Horiuchi
- 家族
- 4人(夫、3歳と10歳の男の子)
- 所在地
- ハワイ・ホノルル
- お仕事
- マーケター、サーファー
- URL
- Mimi Horiuchi インスタグラム
【憧れの地で夢を叶えたワーキングマザーのハワイ流子育て】
Aloha everyone!
ハワイでは夏休み真っ最中。波に恵まれた6月、息子はサマーファン(夏休みの学童プログラム)をサボり、毎日海へ行っていました。
うちの長男は10歳、小学4年生ですが、ひとりで波乗りをしています。「危なくないの?」「心配じゃないの?」と、よく聞かれますが、私は彼が小学1年生の時に、ひとりで海へ入ることを許可しました。
これは、ジョック・サーザランドというレジェンドサーファーのお母様から学びを頂きました。ノースショアのビーチ沿いに住むジョックが5歳の時、「ひとりで海に行っていい?」とお母さんに尋ね、ジョックの母はこう答えたそうです。
「あたなが2歳の頃に泳ぎを教え、そして海のことも教え、何かあった時に命を守る方法も教えたわ。ひとりで海に行って、何か起こったら悲しいけれど、それはあなたの責任よ」
そしてジョックはこの日からひとりで海に入るようになり、彼の住んでいた家の前は「ジョコス」と呼ばれるサーフポイントとなり、彼自身は世界的にも知られるサーファーになりました。
私がこのお話を聞いた時は、長男が生まれるずっと前でしたが、彼女の言葉が心に響き、いつか子どもができたら、彼女のような子育てをしようと思いました。
それから20年後、ゴッドマザーから泳ぎを学んだ長男は、1歳で泳ぎ始め、2歳で深く潜り出し、プリスクールの頃には、キングタイドの大きな白波の波打ち際でボディーサーフィンをするほどのウォーターマンに成長していました。
自信を持つのはいいことだけど、海には危険がいっぱい。特に気を抜いてる時こそ要注意で、私自身は波が小さい時ほど、縫うほどの怪我を多くしています。
なので息子が波で遊ぶようになった時、海での危険性や、どのように命を守れるかを教え始めました。私が教えるウォーターマンへの教訓はこちらです。
海に入る前、潮の動き、波情報、カレント(流れ)をチェックする。
海の中では何より安全第一。
引き返すことも勇気。少しでも怖い・危ないと感じたり、嫌な予感がしたらやめる。
誰もいないところには入らない。
海の中にいる人と話し、自分の存在を知らせる。怖いと感じたら、すぐ伝える。
どんな波にのまれてもしょせん10秒程度。パニクらず力を抜いて、太陽(明るい水面)を目指して上がる。
人が溺れていたら助けない。助けを呼ぶ。
そして3年前、いつもの飛び込みスポットへ行くと、波もありコンディションも良く、みんなが楽しそうに飛び込むなか、ずっと海を眺めている息子がいました。なぜ飛び込まないのかを聞くと、「何かがいつもと違うから、今日は見るだけにする」と言いました。
この時、そろそろひとりで送り出せると確信し、その後何度かひとりで行かせ、様子を見ました。以前「任せる」ことの大切さを書きましたが、今回は自分の命への責任を任せたことで、いつも以上に慎重に行動し、良い判断をしていました。よく考えたら、日本の小学生がひとりで登下校を行うようになるのも小学1年生から。自立心が芽生える年頃なのかもしれませんね。
この経験は、息子をインディペンデントな(自立心のある)ウォーターマンに成長させただけでなく、社交性を高めました。通常子どもは、親を通して大人と知り合いますが、私は息子を通して多くの大人と出会います。レストランへ行くと、「エンゾのママ」ということで、頼んでいないカクテルが出てきたこともありました。
夕方長男を迎えに行くと、私の知らない大人たちの輪に入り、おやつやご飯を食べさせて頂いている姿をよく見ます。こういう部分が彼の才能なのかもしれないと思ったりもします。
子どもらしく、サマーファンにもきちんと通って欲しいのですが、自然やコミュニティから学ぶこともたくさんあるので、波のある時はサボりもありかもしれないですね。
Aloha,
Mimi
<堀内希珠さん連載>
憧れの地で夢を叶えたワーキングマザーのハワイ流子育て