この秋訪れた長男の大転機 | ロンドンの公立小学校の転校事情について

Choice

ロンドン発、アナウンサー秋元玲奈の海外子育てニュース

名前
秋元玲奈 / Rena Akimoto
家族
5人(6歳の男の子、1歳の双子の男の子)
所在地
ロンドン
お仕事
フリーアナウンサー
URL
秋元玲奈(@rena_akimoto)Instagram
URL1
Rena Akimoto Official Website

ロンドン発、アナウンサー秋元玲奈の海外子育てニュース

11月に入り、ロンドンはクリスマス一色に。
街全体がテーマパークのように煌びやかに変身するこの時期のロンドンは活気に溢れています。今年も残すところ少なくなってきましたが、そんななか、我が家の長男には学校が変わるという大きな転機が訪れました。

日本は公立小学校だと住んでいる自治体の通学区域によって通える学校が決まるので、選択肢があまりないと思います。

一方イギリスの場合、自分たちが通える範囲内から学校をある程度自由に選び、申請することができるので、選択肢が広がります。ただ、申請したからといって必ず受け入れてもらえるわけではなく、人気校は空きがないことも多いので、ウェイティングリストに名前を残して、第2希望の学校に通わせているという人もいます。

空きが出たら第1希望に移るということもよくあるので、学期の途中で学校を移動するのも決して珍しいことではありません。また、学校それぞれが入学者を受け入れる際の優先順位があって、家から学校の距離が近いことやその学校の教会と同じ宗派を信仰していることなどが上位にあたります。

本当に通いたい学校がある場合は、入学しやすいようにその学校が所属する教会に通い始めるという家族もいますし、人気校だと近くに引っ越して自分の子どもの優先順位を上げようとする家庭も多いので、その周りの土地や家の価格が上がるという話も聞いたことがあります。

ある程度自由に選べるからこそ、近くにどんな学校があるかを知ることはとても大切です。

2022年7月にロンドンに来た我が家は、9月から長男に通わせる学校を決めなければいけなかったのですが、その時期は既に入学のための学校見学ツアーなども終わっていて、時間もないなかで、選ぶのにとても苦労したのを覚えています。知り合いもまだいなかったので、情報も乏しく、ネット情報とOfsted というイギリスの学校を評価する組織による評価を参考に、最終的に家から徒歩20分ほどのところにある学校に決めました。

それから1年通わせてみて、もう少し他の学校も見てみたいなと思い、秋から見学ツアーに行き、転校候補を以前からいいなと思っていた学校に絞りました。

そこはセカンダリースクール(日本でいう中学・高校)の進学実績などもいい、人気のカトリック系の学校で、入学にはカトリック信者が最優先。我が家からは少し距離もあるので、受け入れてもらうのは厳しいかなと思ったのですが、意外なことに申請してからすぐに入学が決まり、我々夫婦は大満足!

だったのですが、、、

前の学校が大好きだった長男に転校することを伝えると「どうして学校を変えなきゃいけないんだ!」と怒って、大泣きしてしまいました、、、。悩みなんて普段あまりなさそうな、天真爛漫な長男なのですが、その夜は、寝ている時もうなされたり、突然泣き出したり、急に学校を変えると言われたことはかなりショックだったようです。

子どもの将来のことを考え、より良い教育環境を与えたいという思いで両親は奔走したわけですが、子どもにとってはせっかくできた友だち、慣れ親しんだ環境を変えて、また一からすべてを築かないといけないわけですからね。子どもが嫌がる気持ちはよくわかります。

それからしばらくの間、バスで近くを通る度に、長男は窓に張り付いて、以前通っていた
学校を悲しそうに見つめていました。「他の曜日は新しい学校に行くから、毎週1曜日だけ前の学校に行ってもいい?」と聞いてきたり、自分の部屋に、以前の学校の友だちや先生との写真をせめて飾って欲しいと言ってきたり、、

そうした長男の姿を見ていると、学校を変えるという判断は本当に正しかったのだろうかとさえ考えさせられ、胸が傷みました。

そんなもやもやした気持ちの中迎えた、新しい学校の登校初日。

学期の途中で突然新入生として登校するわけですから、想像するだけで大人の私でも緊張します。それに、あれだけ転校を嫌がっていた長男は相当感傷的になっているだろうなと、初日は涙も覚悟して連れて行くことになったのですが、、、

朝から「ママ、早く行こう!」と鼻歌を歌いながら機嫌良くバスに乗り込み、学校に着いて私が受付を済ませている時も、「早く! 早く!」と教室の場所もわからないのに中に入りたくてたまらない様子の長男。

そのうち、以前から知っている友だちが登校してきて、さらにテンションは上がり、母にバイバイのハグをすることもなく、その子と肩を組み、大笑いしながら、楽しそうに学校の中へと去っていきました。

私の心配は一体なんだったんだ、、、。

しばらく、呆然としました。

転校からほぼ1カ月が経った今、お迎えに行くと、新しくできた友だちと楽しそうに戯れ合ったり、みんなが「〇〇(名前)バイバイ!」と名前を覚えてくれて、側から見たらとても1カ月前に転校してきたばかりの子には見えないというくらい、学校に馴染んでいます。

以前の学校のことは今も気にかけて懐かしんでいますが、「ママ、僕は友だちを作ることが得意なんだ。新しい学校に入ったからロンドンでまた友だちが増えたね!」なんて嬉しそうに話してくれて、私もホッと胸を撫で下ろしました。

11月は誕生日があるということもあって毎年長男の成長を感じる時期ではありますが、登校初日までに気持ちを切り替えて、与えられた環境を楽しもうと腹を括る。そんな大人でも難しいことがいつの間にかできるようになっていたなんて、、、!

転校をきっかけに、今年は例年以上に長男の心の成長を感じることができた我が家にとって素敵な11月となりました。


<秋元玲奈さん連載>
ロンドン発、アナウンサー秋元玲奈の海外子育てニュース

       
  • 誕生会のテーマはポケモン!

  • 転校初日の長男

  • クリスマス一色に染まるロンドンの街

          
  • トラファルガー広場のクリスマスマーケット

  • ポケモンにはまっている長男の誕生日は、学校の友だちを呼んでポケモンパーティーを開催しました。こちらの子どもたちは、みんな盛大な誕生会を開くので、親は準備が大変です。

  • 新しい緑の制服に身を包み、なんだかぐっと大人っぽくなった印象です。

  • 街角の至るところにこうしたデコレーションがされていてとても綺麗です。カメラなしでは歩けません。

  • クリスマスの時期は、こうしたクリスマスマーケット巡りやサンタさんに会えるイベント、ショーやバレエなど子どもが喜ぶイベントが盛りだくさんなので、毎週末出かけています。