3歳になった双子のナーサリー入園は、自身にとっても大きな転機

ロンドン発、アナウンサー秋元玲奈の海外子育てニュース
- 名前
- 秋元玲奈 / Rena Akimoto
- 家族
- 5人(7歳の男の子、3歳の双子の男の子)
- 所在地
- ロンドン
- お仕事
- フリーアナウンサー
- URL
- 秋元玲奈(@rena_akimoto)Instagram
- URL1
- Rena Akimoto Official Website
【ロンドン発、アナウンサー秋元玲奈の海外子育てニュース】
この1月、私にとってひとつの大きな転機が訪れました。昨年12月に3歳の誕生日を迎えた双子が、今年から長男が通う小学校附属のナーサリーに入園することになったのです。
イギリスで義務教育が始まるのは、5歳になる学年のレセプションから。その前にナーサリーに入るか入らないかは自由に選択できます。
ナーサリーに通う子どもに対し、政府は一定時間の無料保育を提供しています。無料保育の適用条件は、両親の就労状況や世帯収入によって異なり、共働き家庭の場合、もっとも早いケースでは生後9ヶ月から週15時間の無料保育が受けられます。一方で、共働きでない場合は、3歳になってから週15時間の無料保育が適用されることが多いです。私の場合、現在イギリスでは働いておらず、夫の収入のみで生活しているため、双子が3歳になった今年からこの制度を利用できることになりました。
たまたま長男の学校のナーサリーの受け入れ年齢が満3歳になってからだったこともあり、ちょうどこの1月の入園となったのです。ナーサリーは午前と午後の2部制で、私たちが受けられる無料保育の適用範囲は週15時間。フルタイムで通わせる場合は、残りの15時間分を自己負担することになりますが、午後も通わせることを選択し、その費用を支払っています。
そんな我が家では、ロンドンに来てから放課後の時間はナニーに来てもらい、私が長男を習い事に連れて行く間、双子の世話をお願いしていました。ですが「双子から解放された!」と思った瞬間、今度は長男と向き合う時間が待っている。そして、夫の帰宅が遅い我が家では、寝るときも「私+3人一緒」というスタイルが基本。そんな日々の中で、「自分だけの時間」という概念は、ほぼ幻のようなものでした。
ところが、双子がナーサリーに入園したことで、ロンドンに引っ越して以来初めて、自分だけの時間を持てるように! 久々の自由時間に胸を躍らせ、これまで 「いつかやろう」 と溜め込んでいたことにようやく取り組める日が来たのです。
ジムに通いたい。子連れでは行きづらいレストランや、美術館・博物館を自分のペースで巡りたい。そうした期待が膨らみ、予定は盛りだくさん、 、 、のはずでしたが。
最初の2週間は意外にも、送迎や準備だけでクタクタに。3人を学校のゲートに送り出した瞬間、「大仕事を終えた!」と感じ、そのままささっと夕食の買い物をして家に直行する日々。
それでも、家に自分以外の誰もいないという状況は、ロンドンに来てから初めてのこと。これがまた新鮮で、貴重で、何より最高なのです! 洗濯や掃除といった家事を猛スピードで片付けた後は、好きな映画を誰にも邪魔されずに観たり、気が向いたタイミングで適当なお昼を食べたり。
そういえば、独身時代にはこうした時間が当たり前のようにあったはず。
それが7年もの間その生活から離れてみると、こんなにも特別でワクワクするものになるとは思いませんでした。最初の2週間を思う存分「ひとり時間」で満喫した後、3週目からは以前から計画していたワークアウトを開始。今では、子どもたちを送り出した後、週に2回マシンピラティスに通うのが楽しみになっています。
さて、ナーサリー生活を始めた双子ですが、その順応力には正直言って驚かされるばかりです。入園初日、よくある「泣き叫ぶ子を必死でなだめる母」というドラマチックな展開は一切なし。むしろ、「早く行かせて!」と言わんばかりに大喜びで教室に吸い込まれていきました。そして、夕方のお迎えの時間まで、何のトラブルもなく一日を楽しんでいる様子。
こんなにスムーズだなんて、母として少し拍子抜けしたくらいです。
一番の不安だった英語についても、トイレの時は「Toilet!」ときちんと主張できるし、ランチでは「More! More!」とおかわりまで要求しているそうです。まだ1カ月しか経っていないのに、英語のフレーズがごっこ遊びに少しずつ出てくるようになり、家に帰ると、ナーサリーで覚えた 「Humpty Dumpty」 を振り付きで披露したり、その成長ぶりに驚かされます。
恐るべし双子のサバイバル能力、 、 、 。
この逞しさはきっと双子という特性上、私の手が十分に回らなかったことも影響し、備わったのかもしれません。
生後3ヶ月にも満たない頃から授乳クッションを使ってセルフでミルクを飲み、トイレトレーニングも2歳半の時にスパルタ式で行い、1ヶ月ほどの急ピッチで習得しました。何をするにも一人あたりの時間は半分。
長男のときのようにじっくり向き合えなかったことを振り返り、「もう少し時間をかけてあげられたら...」 と感じることもあります。しかし、そんな環境の中でここまで逞しく育ってくれた姿を見ると、2人に対して感謝の思いで胸がいっぱいになります。
そして、そんな彼らの成長を見守る兄の存在も欠かせません。
ナーサリー初日から、長男は休み時間になると双子の教室を覗きに行ってくれています。お兄ちゃんの姿を見つけると、双子も嬉しそうに手を振り返すそう。朝の登園時も、ゲートの中には保護者が入れないため、長男が双子の手をしっかり握って教室まで連れて行ってくれます。
最近では長男の同級生たちまで協力してくれるようになり、「僕が一人連れて行くよ!」と声をかけ、双子は5、6人のお兄ちゃんたちに囲まれて教室に入っていきます。その微笑ましい光景を見るたびに、朝から心がほっこり。
そんな子どもたちとともに新しい一歩を踏み出したこの1月。私自身の新たな挑戦も楽しみながら、彼らの成長を見守っていきたいと思います。
〈秋元玲奈さん連載〉
ロンドン発、アナウンサー秋元玲奈の海外子育てニュース